【花祭り2025】花祭り（灌仏会）はいつ？2025花祭りの時間や風習を徹底解説

花祭りとは毎年4月8日に行われます。お釈迦様の誕生をお祝いして、「子どもの身体健全・所願成就」を祈る仏教行事です。この日はお釈迦様の誕生日として、仏教寺院を中心に様々な行事が行われます。また一部地域では、花祭りを旧暦や翌月の5月8日に行う寺院もあります。お近くの寺院のスケジュールを確認してみると良いでしょう。

花祭りは宗派に限定されず、全国の仏教寺院で行われますが、特に有名なのは京都の「花祭り」です。例えば、京都市左京区の「法然院」や東山区の「清水寺」では、色とりどりの花で飾られた「花御堂（はなみどう）」が設けられ、多くの参拝客でにぎわいます。2025年もこれらの寺院では特別な法要が行われる予定です。お近くの寺院でも小さな花御堂が設けられることが多いので、ぜひ足を運んでみてください。

花祭りの正式名称は「灌仏会（かんぶつえ）」といい、「甘茶を仏様へ灌ぐ」ことが由来とされています。その起源は、お釈迦様が生まれた時に龍が天から清らかな水を注いで祝福したという伝説に由来します。日本では推古天皇の時代（606年）に初めて行われたと記録されています。花祭りという呼び名は、江戸時代に庶民の間で広まったと言われています。お釈迦様の誕生を祝い、花で飾った小さなお堂（花御堂）を作り、その中に安置した仏像に甘茶をかける風習が今も続いています。

誕生仏に甘茶をそそぐ

花祭りの中心的な行事は「甘茶かけ」です。花御堂の中に置かれた誕生仏（幼いお釈迦様の像）に、参拝者がひしゃくで甘茶をかけ、お祝いします。この甘茶には魔除けの力があると信じられており、持ち帰って家族で分け合う習慣もあります。

稚児行列（ちごぎょうれつ）

また、子どもたちが白い象の着ぐるみを着てパレードする「稚児行列」が行われる地域もあり、2025年も多くの寺院でこのような伝統行事が見られるでしょう。

白象の模型を引いて巡行する

一部の寺院などでは、白象の模型を子どもたちで引きながら歩いてまわる巡行を行っていることがあります。お釈迦様の母親である麻耶王妃は、体の中に白い象が入ってくる夢を見てお釈迦様を身ごもったと伝えられています。この言い伝えにより、白い象は神聖な動物として花祭りで親しまれています。

精進料理

精進料理とは、仏教の教えに則った食材で作る伝統的な料理です。仏教の教えである「五戒」の1つ「不殺生戒」に則り、動物性の食材を避け、旬の野菜や穀物を中心として調理します。精進料理は花祭りやお盆など、仏教の特別な行事でふるまわれています。

甘茶

甘茶は、ユキノシタ科の「アマチャ」という木の葉を蒸して揉んだあと、乾燥させて煎じたお茶のことです。砂糖を入れなくても自然な甘みがあり、漢方薬としても使用されています。甘茶には甘味効果以外に、厄除けや鎮静作用、抗アレルギー作用など様々な効能があるとされています。また古くより、甘茶を飲むと無病息災で過ごせる、甘茶で赤ちゃんの頭を撫でると元気に育つ、という言い伝えがあります。

そのほか、甘茶を使った様々な料理が楽しまれます。代表的なのは「甘茶ご飯」で、炊き上がったご飯に甘茶をかけて食べます。また、甘茶で作った「甘茶ゼリー」や「甘茶プリン」も人気です。甘茶は自宅でも簡単に作ることができますので、ぜひ挑戦してみてください。

甘茶の作り方

花祭りの風習を家庭でも楽しむために、簡単な甘茶の作り方をご紹介します。

材料：
・乾燥させたアジサイの葉（ヤマアジサイ）10g
・水1リットル

作り方：

1. ヤマアジサイの葉をよく洗い、水気を切ります

2. 葉を手で揉みながら、水に一晩（8時間程度）浸します

3. 茶こしで葉を濾したら完成です

※市販の甘茶パックを使うとより簡単に作れます
※甘茶は日持ちしないので、作ったら早めに使い切りましょう

花祭りでは、花御堂を美しく飾るために様々な花が供えられます。特に蓮の花がよく使われますが、季節の花々も用いられます。2025年の花祭りでも、色とりどりの花で飾られた花御堂が各寺院で見られるでしょう。

また、甘茶の他に、果物や和菓子をお供えする習慣もあります。家庭で小さな花祭りを行う場合も、季節の花と甘茶、簡単なお供え物を準備すると良いでしょう。