
中国雲南省の昆明は「春城(春の都)」と呼ばれ、一年を通して温暖な気候に恵まれた街です。多民族が暮らす土地ならではの食文化は実に多彩で、全国的に有名な過橋米線から、地元ならではのユニークな軽食まで、旅の最後の一口まで舌を飽きさせません。
この記事では、在住者が厳選した昆明グルメ10選を始め、おすすめ名店や知る人ぞ知る穴場スポットなど、昆明でグルメ旅を楽しむための情報をまとめました。
昆明グルメの魅力とは?

雲南省には25もの少数民族が暮らしており、その食習慣や知恵が昆明グルメのベースになっています。
米を主食とする民族の文化から生まれた「過橋米線」や、遊牧の民が伝えた乳製品「ルーシャン」、さらに漢族の料理文化までが混ざり合い、それぞれの風土に根ざした逸品が一つの食卓に並ぶのが昆明ならではの光景です。
また、春の都と呼ばれる昆明では、年間を通して豊富な野菜や果物が楽しめます。特に夏の雨季に登場するキノコ料理が有名で、松茸をはじめ、干巴菌や青頭菌など、日本では見かけない珍しいキノコが200種以上市場にずらりと並びます。
旬の時期には「キノコ尽くしの宴」が開かれるほどで、これを目当てに訪れる人も少なくありません。
昆明で絶対に食べたい名物グルメ10選
1.野生キノコ料理

野生キノコ料理は、自然の恵みをそのまま満喫できる一品です。雲南は中国の中でも特にキノコの種類が多く、夏から秋にかけて採れる天然キノコは200種類以上とも言われています。
松茸、鶏樅菌、牛肝菌など、日本ではなかなか見かけない珍しいキノコも多く、それぞれに香りや歯ごたえが違います。
食べ方で人気なのはキノコ火鍋で、何種類もの野生キノコを入れて煮込み、旨味たっぷりでまさに絶品。
ただし、野生キノコには毒のあるものも存在するため、専門の店できちんと調理されたものをいただくのが鉄則です。
2.過橋米線

過橋米線は、雲南省発祥の温かい米線料理で、百年以上の歴史を持っています。
米から作ったもちもちの麺に、生の肉や野菜、豆腐皮、うずら卵などを熱々のスープに入れて、しゃぶしゃぶのようにしていただきます。
スープには鶏ガラや豚骨から煮出したダシが使われ、栄養豊富で体にもやさしく、昆明グルメの代表格とも言える存在です。
3.豆花米線

引用:DianPing
豆花とは、絹ごしのようになめらかな豆腐のことです。これに米線を合わせ、醤油ベースのタレや香味野菜、ピーナッツや辣油で和えたのが豆花米線です。
シンプルなのに飽きのこない味わいで、昆明の地元民にとっては日常的な一品です。
4.気鍋鶏

引用:baidu
気鍋とは、雲南省建水県の陶器製の蒸し鍋で、中央に煙突のような筒がついたユニークな構造が特徴です。
気鍋鶏は健康料理として知られ、専用鍋に鶏肉や生姜、ナツメ、漢方薬を入れ、数時間をかけてじっくりと蒸し上げます。
水を使わず、蒸気だけで火を通すため、素材のうまみがぎゅっと凝縮された透明スープが楽しめます。
5.黒三剁

引用:baidu
黒三剁は豚肉、キクラゲ、青唐辛子を炒め合わせた家庭料理。中でも「玫瑰大頭菜(ローズ風味の漬物)」を使ったものが雲南流で、その旨味と甘辛さがアクセントになり、白ご飯との相性が抜群です。
6.白族酸辣魚

引用:baidu
大理の少数民族・白族の伝統料理酸辣魚は、鮮度の高い川魚を酸木瓜(パパイヤの未熟果)と唐辛子で煮込んだ一品です。酸味と辛味が絶妙で、暑い季節でも食欲をそそる味が楽しめます。
7.凉拌果物

引用:baidu
涼拌果物は、昆明風フルーツサラダです。マンゴー、グアバ、パイナップル、イチゴなどのフルーツを、唐辛子やハーブ、スパイスで和え、刺激的なデザートとして楽しまれています。
屋台や夜市では小さな袋に入れて売られており、地元の人々はおしゃべりしながらつまんだり、ドラマを見ながら食べたりしています。
8.鮮花餅

引用:douyin
鮮花餅はバラの花びらと甘い餡を、サクサクの生地で包んだ伝統菓子です。ほんのりとした花の香りと、しっとりした甘さが調和し、見た目も華やかでお茶うけにぴったりな一品です。
9.ライスペーパー焼き

引用:DianPing
焼きライスペーパー(烤饵块)は、香ばしくてボリューム満点のストリートフードです。薄い米粉の餅を鉄板で焼き、豆腐皮、じゃがいも、腸詰などをトッピングしてクレープのように巻いて食べます。
外はパリッと、中はモチモチ。辛いタレやゴマソース、甜面醤など、好みに合わせてアレンジできます。
10.ルーシャン焼き

引用:baidu
ルーシャン焼き(烤乳扇) は、牛乳やヤギ乳を固めて薄く伸ばし、乾燥させたあと焼いたり揚げたりして食べるおやつです。屋台では棒に巻いて焼いたり、くるくると渦巻き状に丸めて香ばしく仕上げたものが売られています。
ほんのり塩気のあるやさしいミルクの風味に、炭火で焼いたときの香ばしさが加わり、素朴ながらも奥深い味わいが魅力です。
昆明グルメを楽しむおすすめの名店3選
1.菌彩野生菌火鍋

引用:DianPing
菌彩野生菌火鍋は、野生キノコの名産地・雲南南華から直送される新鮮なキノコを使った火鍋が名物のお店。
昆明だけでなく、四川や上海にも展開する人気チェーンで、雲南らしさを感じられる落ち着いた民族風の内装が魅力です。
- 住所:昆明市五華区威遠街金鷹ショッピング広場B座5階
- 連絡先:86-(0871)63335293
2.四方小炒

引用:douyin
四方小炒は、昆明の繁華街・同徳広場近くにある雲南料理のレストラン。鉄鍋を使って強火で一気に炒める「江湖菜」と呼ばれるスタイルの料理が提供され、香りと湯気で思わず食欲が大爆発します。
- 住所:昆明市盤龙区万宏路262号
- 連絡先:86-13658869189
3.晨曦豆花米線

引用:DianPing
晨曦豆花米線は、地元の人々に愛される豆花米線の名店。外観はとても素朴ですが、朝から行列ができるほどの人気ぶりが味の良さを物語っています。
ふるふるの豆腐(豆花)ともちもちの米線を、香ばしいピーナッツやピリ辛ダレで絡め、素朴ながらもクセになる味で、旅行中の軽食にぴったりです。
- 住所:昆明市五華区銭局街白云巷33号
- 連絡先:86-13808717735
昆明で知る人ぞ知る穴場グルメ店3選
1.文山荷鮮居

引用:DianPing
文山荷鮮居は翠湖公園のすぐ近くにあり、地元の人たちに長年愛されている老舗の米線専門店。
看板メニューは、地鶏の旨味がぎゅっと詰まった金色の鶏スープ米線で、柔らかく煮込まれた鶏肉やぷるぷるの鶏の血豆腐をトッピングすれば、ボリューム満点です。
- 住所:昆明市五華区染布巷10号
- 連絡先:86-13888751398
2.芸南道過橋米線

引用:DianPing
芸南道過橋米線は、知る人ぞ知る絶品米線の専門店です。6時間かけて煮出された鶏と野生キノコのスープは、まろやかで深みのある味わいが楽しめます。
具材は薄切りの黒鶏肉やジューシーな肉団子、揚げたての酥肉、爽やかな漬け大根など、バリエーションが豊富。食べる順番まで丁寧に教えてくれるので、まるで儀式のような特別感が味わえます。
- 住所:昆明市西山区万達広場1階步行街春天里
- 連絡先:86-15187238685
3.8種野菌

引用:DianPing
8種野菌は地元通の間で話題の穴場レストランです。8種類の新鮮な野生キノコをたっぷり使ったキノコ火鍋が人気で、芳醇な香りと濃厚な旨味がスープに溶け出して、まさに「飲む森」とも言えるでしょう。
店内は、民族調の装飾にウッド家具を合わせた温かみのある空間で、ゆったりとくつろげる雰囲気が漂います。
- 住所:昆明市五華区南屏街曉東街20号
- 連絡先:86-13330441221
昆明グルメを楽しむコツ

米線はお店によって具材やスープが大きく異なる
昆明名物といえば、やっぱり米線が真っ先に思い浮かびます。日本で言うラーメンのような存在で、お店ごとにスープの味・具材の内容・麺の茹で方がまったく違います。何軒を食べ比べることで、多彩な米線の魅力を実感できます。
雨季はキノコ料理が旬
昆明では6〜8月の雨季に、野生キノコが旬を迎えます。火鍋スタイルで味わう「野生キノコ火鍋」はこの時期ならではの味覚として高い人気を誇ります。ただし、生煮えのキノコは危険なので、加熱時間はスタッフの指示に従うのが鉄則です。
昆明グルメに関するよくある質問
昆明グルメの平均予算はどれくらい?
昆明は物価が比較的リーズナブルで、ローカル食堂では1食あたり15〜30元(約300〜600円)程度が一般的です。過橋米線や野生キノコ火鍋など少し特別な料理でも、一人あたり50〜100元(約1,000〜2,000円)あれば満足できるレベルです。辛い料理は多い?辛さを調整できる?
雲南料理は四川料理ほどの激辛ではありませんが、唐辛子や山椒(花椒)を効かせたピリ辛料理は多めです。特に、冷菜や炒め物などには唐辛子を使うことが多く、辛さに弱い方は注意が必要です。 ただし、多くのローカル店では注文時に「不辣(辛くしない)」や「少辣(辛さ控えめ)」と伝えれば、辛さの調整が可能です。




