
ベトナムの祝日は、国の独立記念日や建国の歴史に加えて、旧暦に基づく「テト(旧正月)」が中心となっており、年間を通して街の雰囲気が大きく変わります。
特にテトは1年で最も重要な時期で、多くの店が休業し、交通機関の混雑や価格変動が起こるため、旅行や出張の計画には注意が必要です。
この記事では、2026年の祝日カレンダーにくわえ、主要な祝日の意味、テト期間中の注意点、観光への影響までわかりやすくまとめました。
旅行計画を立てる前に、まずはベトナムの祝日の特徴をしっかりチェックしておきましょう。
観光に特に影響のある祝日
日付(2026年) | 祝日 |
2/14(土)~2/22(日) | テト(旧正月) |
4/30(木) | 南部解放記念日 |
ベトナムの祝日とは?【制度・文化・歴史の基礎知識】
ベトナムの祝日は、社会主義国家としての歴史的背景と、旧暦文化の両方が深く影響しています。
ベトナムの祝日は「労働法(Vietnam Labor Code)」で定められる
祝日の日数・範囲・振替休日の仕組みは法律で管理されています。
従業員は祝日に休む権利があり、もし勤務した場合は 祝日賃金(最低300%) が適用される、労働者保護の強い制度です。
旧暦文化が根強く“テト”が最重要の祝日
ベトナム最大の行事は テト(旧正月)。
家族が集まり、国内移動がピークを迎え、街中の店が一斉に休業するため「旅行で最も注意すべき期間」です。
旧暦行事は毎年日付が変わるため、事前の確認が欠かせません。
社会主義国家ならではの歴史行事が多い
南部解放記念日、建国記念日、ホー・チ・ミン主席の記念日など、政治的・歴史的な背景に基づく祝日が多いのもベトナムの特徴です。
2026年ベトナム祝日カレンダー

2026年のベトナムの祝日・連休をひと目で確認できる早見カレンダーです。
まず全体の並びを把握しておくと、テト(旧正月)や南部解放記念日など、混雑しやすい時期を避けたり、逆に祭りの雰囲気を味わえる日を狙ったりと、旅の計画がぐっと立てやすくなります。
観光地の営業状況や料金が変わりやすい時期もあるため、旅行前にざっとチェックしておくと安心です。
2026年 ベトナムの祝日一覧

2026年にベトナム旅行を計画する上で、まず押さえておきたいのが祝日の日程です。
祝日、特に連休はベトナム国内の人の動きが活発になり、観光地の混雑や交通機関の料金に直接影響します。
あなたの旅行計画と祝日が重なっていないか、事前に確認することはスムーズな旅の実現に欠かせません。
以下の表を参考に、航空券やホテルの予約時期の判断にお役立てください。
日付 | 祝日 |
1月1日 | 元旦 |
2/14(土)~2/22(日) | テト(旧正月) |
4月27日 | フン王命日 |
4月30日 | 南部解放記念日 |
5月1日 | メーデー |
9月1日~9月2日 | 建国記念日 |
テト(旧正月)とフン王命日は旧暦に基づいて定められるため、毎年日付が変わります。
また、南部解放記念日とメーデー、そして建国記念日は連休になることが多く、国内旅行のピークシーズンとなります。
これらの時期は、特に注意が必要です。
1月1日:元旦(New Year’s Day)
ベトナムでも新年を祝う日は国の祝日。ただし、街がもっとも盛り上がるのは旧暦の「テト」の時期で、西暦の元旦は比較的落ち着いた雰囲気です。観光スポットやカフェは通常営業のところも多く、静かに旅行を楽しみたい人におすすめの時期です。
2月14日(土)〜2月22日(日):テト(旧正月 / Vietnamese Lunar New Year)
ベトナム最大の祝祭で、“一年で最も重要な休暇期間”。家族が集まり、街全体が祝賀ムードに包まれます。
旅行者は以下に注意すると安心です。
- 多くの店・レストランが 休業または短縮営業
- 交通機関の 混雑・値上がり
- ホテル・航空券の ピーク料金
一方で、花市やテト飾りなど「この時期にしか見られない文化」が溢れ、唯一無二の旅が楽しめる期間でもあります。
4月27日:フン王命日(Hung Kings’ Temple Festival)
建国の祖とされる「フン王」を祀る日。伝統儀式が行われる特別な祝日で、北部のフート省では大規模な祭典も実施されます。観光客にとっては、ベトナムの歴史やルーツに触れられる貴重なイベントとなっています。
4月30日:南部解放記念日(Reunification Day)
1975年のベトナム戦争終結を記念する祝日。ホーチミン市を中心に式典やパレードが行われ、国全体が祝賀ムードに包まれます。旅行者はこの日とメーデーが連続するため、連休による混雑・交通量増加に注意が必要です。
5月1日:メーデー(Labour Day)
国際的な労働者の日。4月30日の南部解放記念日と合わせて長めの連休になる年が多く、国内旅行のハイシーズンに。観光スポットの混雑・航空券の値上がりが発生しやすい時期なので、早めの予約がおすすめです。
9月1日〜9月2日:建国記念日(National Day)
1945年の独立宣言を記念する、ベトナムにとって最も重要な祝日のひとつ。首都ハノイやホーチミン市では国旗が一斉に掲げられ、街が愛国ムードに染まります。
旅行者のポイント:
- 国内旅行客の増加でホテルが混む
- イベントや式典が多く、街歩きが楽しい
- 営業時間が変更になる施設もあるため事前チェックが安心
ベトナムの祝日が観光に与える影響と対策

ベトナムの祝日は、旅行計画全体に影響を及ぼす可能性があるため、その特性を理解することが非常に重要です。
特に連休は、多くのベトナム人が国内旅行や帰省をするため、交通機関や宿泊施設が混雑し、料金が高騰する傾向にあります。
祝日の影響を事前に把握せずに旅行すると、
「飛行機のチケットが取れない」「ホテルが満室で予算を大幅に超えてしまった」といった事態になりかねません。
ここでは具体的な影響と、ストレスフリーに旅行するための対策を解説します。
航空券・ホテルが高騰する祝日
旅行費用の中でも大きな割合を占める航空券とホテル代。
ベトナムでは特定の祝日にこれらの価格が著しく上昇します。
予算内で旅行を楽しむためには、どの時期に価格が高騰するのかを知っておくことが不可欠です。
特に以下の3つの期間は、ベトナム国内の旅行需要がピークに達するため、注意が必要です。
テト(旧正月)期間
ベトナムで1年で最も重要な祝日であるテトは、帰省ラッシュと重なります。
このため、ベトナム国内線の航空券は数ヶ月前から予約が殺到し、価格も通常の2倍以上になることがあります。
また、ホテルの価格も、特に観光地では上昇するので注意が必要です。
南部解放記念日&メーデーの連休(4月30日〜5月1日頃)
この連休は、気候が良い時期と重なるため、国内旅行先として人気のダナンやニャチャンなどのリゾート地は多くのベトナム人で賑わいます。
リゾートホテルを中心に宿泊費が高騰し、予約も取りにくくなります。
建国記念日(9月1日~2日)
建国記念日も連休になることが多く、国内の旅行需要が高まる時期です。
都市部から地方への移動や、国内の観光地が混雑し、航空券やホテルの料金が値上がりする傾向にあります。
これらの期間に旅行を計画する場合は、少なくとも3ヶ月以上前には航空券とホテルの予約を済ませておくことを強くおすすめします。
テト期間中に営業している店・休業する店の見分け方

ベトナム旅行で最も注意すべきテト期間。多くの旅行者が直面する問題が「食事場所に困る」ことです。
しかし、全ての店が閉まっているわけではありません。
営業している店と休業する店の傾向を知っておけば、食事に困る心配は大きく減ります。
休業する可能性が高い店
個人が経営するローカルな飲食店や商店は、テト期間中に休業することがほとんどです。
例えば、ハノイの有名なフォーの名店「フォーザーチュエン」のような個人食堂は、まず休業すると考えてよいでしょう。
店主や従業員が家族と過ごすために帰省してしまうためです。
営業している可能性が高い店
一方で、年中無休で営業している大型商業施設や、外資系のホテルはテト期間中でも営業している場合が多いです。
具体的には、イオンモールのようなショッピングセンター内のレストラン街や、主要なホテルに入っているレストランなどが挙げられます。
これらはシフト制で従業員を確保しているため、通常通り利用できる可能性が高いです。
テトとは?
テトは「旧正月」を意味し、ベトナム人にとって1年で最も大切で神聖な祝日です。家族や親戚が集まり、先祖に感謝を捧げ、新しい年の幸運を祈ります。多くの人々が故郷へ帰り、家族と過ごすため、都市部では一時的に人が減り、静かな雰囲気に包まれます。日本のお正月とお盆のようなイメージです
ベトナムの祝日に関してよくある質問
ベトナムにも振替休日はありますか?
はい、あります。ベトナムの法律では、祝日が週末(土日)と重なった場合、その翌日の月曜日が振替休日となります。テト期間中、Grab(配車アプリ)は使えますか?
はい、使えます。ただし、平常時と同じように利用できるとは限りません。テト期間中は故郷に帰るドライバーが多く、稼働している車両の数が大幅に減少します。そのため、時間帯によっては車がなかなかつかまらなかったり、通常よりも料金が高く設定されたりすることがあります。祝日に病院は開いていますか?
救急外来は多くの病院で24時間対応していますが、一般外来は休診となる場合がほとんどです。祝日でもオプショナルツアーは催行していますか?
はい、多くの観光客向けオプショナルツアーは祝日でも催行されています。特に人気の観光地を巡るツアーは、旅行者の需要が高まる祝日に合わせて通常通り、あるいは特別なスケジュールで組まれていることが少なくありません。
ベトナムの祝日をチェックして旅行準備をしよう

この記事では2026年のベトナムの祝日と、旅行計画への影響について詳しく解説しました。
事前に祝日の知識を持つことで、旅行中のトラブルを回避できます。
最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- 渡航前に祝日カレンダーを必ず確認する
- テト、南部解放記念日、建国記念日は航空券・ホテルが高騰するため、3ヶ月以上前の予約が必須
- テト期間中は個人店が休業。食事は大型商業施設やホテル内のレストランを計画に入れる
- 祝日中の交通機関は混雑を前提に、時間に余裕を持って行動する
祝日期間中でも混雑や予期せぬ休業に悩まされることなく、スムーズなベトナム旅行が実現できます。
万全の準備を整え、2026年のベトナム旅行を心から楽しんでください。












