矛盾するようだけど、とてもリラックスできるのが、かえって非日常体験になる。 立地は温泉街ではない、静かな田舎の中。今回は時期からして、特に、館内・部屋どこにいても目を楽しませてくれる紅葉に包まれていた。ウエルカムドリンクが楽しめる空間がロビー横に存在し、スパークリングワイン・焼酎・日本酒などのアルコール類もある。珈琲は、昼間と朝とでは抽出の仕方の異なるマシーンがあり、気が利いている。食事室は個室となっており、落ち着くが、場合によっては隣の話し声が気になった。 ゆったりとしたメゾネット式の客室に滞在したが、とりわけリラックスルームに隣接する露天風呂は広々として大いにくつろげた。温泉水の循環を利用しているのか、居室全体がふんわりと温かい心地よさがあった。とても掃除が行き届いていた。 食事は、地物の食材を中心とする料理で、派手な豪華さはないが、どれも独自の工夫が施されたもので意外性があり大変楽しめた。一例を挙げれば、夜に出された「土のスープ」は、ごぼう・里芋・菊芋を使用したポタージュで、まさに「土のうま味を味わう」というべき新鮮な体験だった。サーブのタイミングも、こちらの飲酒の進行に合わせて炊き込みご飯の調理時間を合わせてくれるなどこまやか。