ウクライナ・カルパティア山脈 シュピツィ峰・トゥルクルの断崖と湖の絶景。
シュピツィ(標高1,863m)は、チョルノホーラ支脈のトゥルクル(1,933m)とダンサー(1,774m)の間にそびえる針峰です。多くの登山者は最高峰のホヴェルラ山を目指してここを通り過ぎてしまいますが、だからこそ私はこの山を選びました。ジェンブロニャを出発し、スムトリッチの牧草地を登り、ヴハティ・カミン(「耳の岩」)で右に分岐。シュピツィの草に覆われた西側の斜面をよじ登ると、トゥルクルの断崖絶壁とブレベネスクル湖を1つのフレームに収めた絶景が広がります。
この「断崖と湖の景色」こそが最大の報酬です。ブレベネスクル(標高1,800m)は、トゥルクルの高さ200mの岸壁の真下にある深い色をしたカール湖(圏谷湖)で、7月上旬でもまだ半分は氷に覆われていました。夏の夕暮れ時、風のない19時ごろにそこに座っていると、マーモットの鳴き声が一度だけ響き渡りました。湖岸には苔やスゲが生い茂っていますが、縁を歩くのは危険です。水の上に厚さ2mのスポンジが浮いているような状態だからです。
ルート情報:ジェンブロニャ→シュピツィまで片道4時間、標高差1,000m。料金所はありませんが、ザロスリャクで事前に支払ったカルパティア国立自然公園の入園料(100フリヴニャ)のチケットを持っていれば、万が一レンジャーの巡回があっても山塊全域で有効です(実際のところ、この尾根でチェックされることはほぼありません)。交通費や道中のチーズ代として、現金400フリヴニャを持参することをおすすめします。
失敗談:シュピツィの南側へ下る「近道」の沢を信じて進んだところ、ヤギしか通れないような岩棚に行き着き、四つん這いになって後ずさりで引き返す羽目になりました。
混雑した国の最高峰に登るのと、完璧な湖の絶景を独り占めできる少し低めの山に登るのとでは、果たしてどちらが素晴らしい体験なのでしょうか?