言葉を失うほど美しい、ツール・ド・モンブラン(TMB)のハイライト区間
TMB(ツール・ド・モンブラン)の3日目は、フランスからイタリアへと入国する、全行程の中でも最も壮大で、コントラストが際立つハイライト区間の一つです。この日は、フランスのボーフォールタン(Beaufortain)の牧草地からセーニュ峠(Col de la Seigne)を越え、イタリアのヴェニ谷(Val Veny)へと足を踏み入れます。牧歌的な風景から、そびえ立つ氷河の絶景へと、劇的な景観の変化を体験することになります。
🏔️ 国境越え:セーニュ峠 (Col de la Seigne, 2516m)
この日の核心部であり、TMBルート上で最初の国境越えとなります。
· 景観の急変:峠に立った瞬間、足元の地面は柔らかな草地から硬い岩場へと変わります。視界が一気に開け、モンブランの巨大な南壁が圧倒的な迫力で目の前に現れます。フランスのシャモニーから見る穏やかな表情とは全く異なる姿です。
· 氷河のパノラマ:前方には、イタリア側のヴェニ谷の壮大なパノラマと、ラ・レ・ブランシュ氷河(Glacier de la Lée Blanche)の雄大な光景が広がります。ここは多くのハイカーから、TMB全ルートの中でも最も壮麗な展望スポットの一つとして認められています。
🏞️ イタリアへの下り:ヴェニ谷 (Val Veny)
峠を越えると、ルートは谷に沿って大きな弧を描きながら下っていきます。
· 高山の牧歌的風景:標高が下がるにつれて、景観は穏やかになります。ラ・ペル(La Pellet)の牧草地を通り抜け、流れ落ちる滝や咲き乱れる野花を目にすれば、まさにアルプスの高山牧場の絵画のような風景が広がります。
· 絶好の展望台:途中、高原の休憩スポットとして理想的なコンバル湖(Lac de Combal)を通過します。その後、シェクルイ湖(Lac Chécrouit)まで進むと、対岸の氷河や山々を遠望できます。
🏠 今夜の宿泊:エリザベッタ山小屋 (Rifugio Elisabetta, 2195m)
· この山小屋は崖の上のテラスに建てられており、ラ・レ・ブランシュ氷河(Glacier de la Lée Blanche)の正面に位置しています。「鷲の巣」展望台とも称され、夕暮れ時に山が黄金色に染まる「モルゲンロート(日照金山)」を鑑賞するのに最高の場所です。
💡 道中のその他の見どころ
· 環境博物館:途中、旧国境警備隊の詰め所を改装したラ・カゼルメッタ(La Casermetta)環境博物館があり、現地の自然や歴史について学ぶことができます。
· 高山の生き物:フランス側の氷河の谷(Vallée des Glaciers)では、鈴をつけたタリン牛(Tarine cows)や、羊の群れを守る牧羊犬(Patous)に出会うこともあり、これもTMBならではのユニークな文化体験です。