陽産土楼：特色ある土楼の集落。

安徽省南部の歙県にある陽産土楼は、長い歴史を持っています。宋代に河南省から歙北定潭に移住してきた鄭姓の一族が、明末清初に現在の陽産に再び移住しました。この地は山々に囲まれ、三方を山に守られ、谷川の水がさらさらと流れています。陽光に面していることから「陽」の字を取り、険しい山々が「産」を表すことから、一族は「陽産」を村の名としました。村は山に沿って斜面に建てられ、地形に合わせて造られています。建物は主に土楼で、壁は版築工法で土を突き固めて作られ、土の中に竹片が補強材として入っています。梁は木材で作られています。版築工法で作られた壁は厚く、冬は暖かく夏は涼しいため、何百年もの間、村民はここで平和に暮らしてきました。山の地形に合わせて建てられた村落です。石段と石畳の道が曲がりくねってつながり、下の家の屋根が上の家の中庭と同じ高さになるように、層々と高くなっています。独特の趣があり、建物の多くは黄色を主体に白色を交えています。安徽省南部の黒瓦白壁の高い馬鞍壁が特徴的な徽派建築が立ち並ぶ中で、ひときわ異彩を放っており、これが現在、旅行者が競って訪れる理由となっています。陽産土楼群落を訪れるのは、決して無駄な旅ではありません。