フランス ピレネー山脈 アリエージュ地方 モンカルム山塊 エタン・デュ・ディアーブルの崖の苔。
エタン・デュ・ディアーブル(標高2,200m)は、アリエージュとアンドラ公国の国境にまたがるモンカルム山塊(標高3,077m)の麓にひっそりと佇んでいます。アクセスはオルル谷からが一般的です。まずは県道D25号線でオルル村へ向かい、そこから林道(標高1,100mのポン・ド・ラ・ムリーヌ以降は車両通行止め)を10km進んでエタン・ド・ラ・イレット(標高1,760m)を目指します。そこからロングトレイル「GR10」の派生ルートの急勾配を2時間ほど登りきると、エタン・デュ・ディアーブルに到着します。私はイレットまでマウンテンバイクで林道を走り(アクス=レ=テルムにて1日20ユーロでレンタル、現金のみ)、そこからは徒歩で登りました。
「悪魔の湖」とも呼ばれるこの湖は、黒々とした湖底を持ち、北側の岩場は苔に縁取られています。この岩場には8月まで雪渓が残ることもあります。湖畔に山小屋はありません。標高1,400m地点にある「オルル山小屋(Refuge d'Orlu)」には宿泊設備(1泊28ユーロ、カード利用は状況による)がありますが、私は今回イレットでビバークしました(※標高1,500m以上ではテント泊が許可されています)。飲料水については3リットルの持参を推奨します。イレットの流出口の水は携帯浄水器を使えば安全に飲用可能です。なお、オルル谷では自然保護区「ナチュラ2000」の入山料として4ユーロが必要です(ムリーヌにある無人の料金箱へ、現金のみ)。
今回の反省点:午前10時にアクスを出発し、のんびりと自転車を漕いで午後1時にイレットに到着、そこから登り始めて午後3時にディアーブルに着いたものの、午後4時には雹(ひょう)に見舞われました。寒さに震えながら急いでイレットまで撤退する羽目になったので、出発は朝7時をおすすめします。ディアーブル湖畔の苔は保護対象です。自生するクッション植物を決して踏まないよう注意してください。
悪魔の名を冠する湖であっても、その畔を彩る苔が周囲10kmの中で最も柔らかく優しい存在だとしたら、そこはやはり神聖な場所と言えるのではないでしょうか?