ギリシャではなく、イラクで見つけるマイナーな古代都市—ハトラ
ギリシャでもローマでもなく、イラクにひっそりと隠された過小評価された秘境——ハトラ古代都市。
誰が想像できるだろうか、この風と砂に包まれた土地に、東西文明が交差する奇跡の地があるとは。混雑した人波も、過度な商業化もなく、ただ風化した環状の城壁、残された神殿のアーチ、そして時の刻印が刻まれたレリーフが、静かにパルティア帝国の栄光の昔を語りかける。
ここに足を踏み入れれば、足元には千年の石畳、目の前にはギリシャ・ローマ様式の柱廊が広がり、その奥深くにはメソポタミア文明の重みが秘められている。風が城壁の隙間を通り抜けると、まるで千年前のラクダの鈴の音が聞こえてくるかのようで、風と砂を越えてこの砂漠の要塞の伝説を語り継ぐ。
ハトラはアテネのアクロポリスのような名声はないが、イラクにしかない歴史の深みと優しさを持ち、ひとつひとつの石が文明の暗号を秘めている。
ハトラ・ニネヴェ県 ハトラ古代都市はイラクのニネヴェ県に位置し、モスルの南西約110キロ、車で約1.5〜2時間の距離にあり、メソポタミア北部の半砂漠地帯に佇んでいる。