ラテン地区のラガービールと知的な歓声:古書店の隣の古いブラウンパブでワールドカップ観戦。
デンマーク第2の都市であり、若気あふれる大学街でもあるオーフス(Aarhus/Århus)。その古き良き魅力の多くは、石畳の通りが網の目状に広がり、少し傾いた木組みの建物の中に独立系書店やレコード店、そしてユトランド半島で最も個性的な「Værtshus(ブラウンパブ:昔ながらの居酒屋)」が軒を連ねる「ラテン地区(Latinerkvarteret)」に集まっています。ワールドカップのグループリーグ夜の試合を観るため、私はストゥスゲーゼ(Studsgade)通り、あるいはそれに並行するマイルゲーゼ(Mejlgade)通りにある、天井の低いパブに駆け込みました。神学書の古書店と活版印刷所に挟まれたその店は、床ワックスや古い紙、そしてホップの香りがふわりと漂うラガービールの匂いがしました。私はオーフス名物のソーセージ盛り合わせ(pølse med tilbehør:地元の豚肉ソーセージ。燻製の場合もあり、カレー風味のレムラードソースやピクルス、スライスした黒ライ麦パン添え)と、グラス一杯の「Julebryg」を注文しました。Julebrygは本来クリスマスビール(デンマークでは10〜12月に販売)ですが、秋まで待ちきれない常連客のために、オーフスの多くの小規模醸造所や一部の伝統的なパブでは一年中1〜2樽を常備しています。カウンター席の上のテレビではワールドカップの試合前番組が流れており、客層は、プリントアウトしたスタメン表にメモを書き込んでいる髭面の博士課程の学生、スナップス(蒸留酒)をちびちびと飲む元ラテン語教師、そして私といった顔ぶれでした。デンマークがテクニカルなヨーロッパのライバルチームと対戦した際、店内からは単なる応援のチャントではなく、「Han burde have lagt den ud til kanten!(今のパスはサイドに展開すべきだったな!)」といった、的確で戦術的な解説が飛び交っていました。オーフスへはコペンハーゲンから特急列車(IC)で3時間15分。宿泊にはインドラ・オーフス(Indre Aarhus)エリア(1泊90〜160ユーロ)がおすすめです。私がラテン地区のパブを推す理由は、オーフスという街の持つ「学生と知識人の魂」がサッカー観戦にも浸透しているからです。知的なため息、本の香りが漂う雰囲気、そしてユトランドの大地の味がするソーセージの盛り合わせを堪能できます。これこそが、デンマークで延長戦の苦しみを乗り越えるための「最も知的な方法」と言えるでしょう。それはまさに、ユトランド半島のラテン地区に存在する、学術的でソーセージの香り漂う素晴らしいスポットなのです。