ケニア・ケニア山:シリモン・ルートからオールド・モーゼス・キャンプの湿原地帯へ。
シリモン・ゲート(標高2,600m)からオールド・モーゼス・キャンプ(標高3,300m)への道のりは、ケニア山北部のムーアランド(湿原地帯)を体験するのに最も緩やかな入門コースです(距離9km、所要時間3〜4時間、標高差700m)。また、後々レナナ峰登頂を目指す人にとって、初日の宿泊地として最も賢明な選択と言えます。私は登頂を目的とせず、山小屋に1泊する単発のハイキングとしてこのルートを歩きました。
アクセスと手配:ナイロビからナニュキまではマタツ(乗合バス)で移動(約3.5時間、500ケニアシリング)。そこからシリモン・ゲートまでは4WDタクシーをチャーターしました(1時間、1台3,500ケニアシリング、4人で割り勘)。ケニア野生生物公社(KWS)が定める非居住者のゲート入場料は1日52米ドルです(驚いたことにゲートでクレジットカードが使えました)。必須条件:公認ガイドの同伴(1日2,500ケニアシリング)。標高3,000m以下なら武装レンジャーは不要ですが、オールド・モーゼスより先へ進む場合は必ずガイドをつける必要があります。私は前日、ナニュキのツアー会社でガイドを予約しました。午前10時を過ぎると、ゲートで当日手配できるフリーのガイドはほとんどいなくなります。
トレイルの様子:最初の3kmはイエローウッドの森を抜けます(シロクロコロブスがいたり、バッファローの糞がそこら中に落ちているので、音を立てながら歩きましょう)。続いて竹林地帯(標高2,800m、寒くて湿っぽい)を過ぎると森がひらけ、タッソックグラス(株立ちするイネ科の草)やジャイアント・セネシオ(巨大なキク科の植物)が群生し、ケープハイラックスの鳴き声が響くムーアランドに出ます。オールド・モーゼスは石造りの山小屋で、二段ベッド(寝袋は要持参)、汲み取り式トイレ、そしてポーターがお湯を沸かしてくれる調理場があります。宿泊費は1泊1,200ケニアシリング。ゲートでKWSに直接支払うか、モバイル送金サービス「M-Pesa」でキャンプの管理人に支払います。
飲み水:川の水を浄水して飲むか、ゲートから2.5Lの水を持ち込んでください。私は一度だけ未処理の水を飲んでしまい、軽度のジアルジア(ランブル鞭毛虫)症にかかり、2日目が台無しになりました。装備:レイヤリング(重ね着)が基本です。7月には標高3,300mの夜の気温はマイナス3度まで下がりました。限界温度0度の寝袋では寒さを凌げず、山小屋の毛布を借りる羽目になりました。
よく見かけた失敗:ナニュキからの日帰りハイカーが「平坦な9kmの道」と甘く見てジーンズで来てしまい、竹林の急坂でずぶ濡れになり、低体温症で引き返すケースです。ここは赤道直下とはいえ高山です。コットン(綿)素材の服は絶対にNG。もう一つの失敗は、ガイド代の2,500ケニアシリングをケチってガイドを雇わず、古いナロモル・ルートへと分岐する森と竹林の交差点で道に迷うケースです。
個人的な感想:オールド・モーゼスはピークシーズン(12〜2月、7〜8月)は異常に混雑します。ベッド数が20の小屋に40人がすし詰め状態になります。行くなら10月か3月がおすすめです。ムーアランドを独り占めし、レナナ峰から吹き降ろす氷河の風の音に耳を傾けられるかもしれません。ただの「石の箱」で寝るために52米ドルも払う価値があるのかって?翌朝、夜明けとともにマッキンダー・バレーへと歩き出すあの素晴らしい体験のためなら——答えは「イエス」です。