千年の時を超え、人里離れた山野に守られし秘境の国宝・宋代の塔
慶陽市内には国宝指定の古塔が10基も存在するが、そのほとんどは山嶺や谷間に隠れるようにして遠く離れた場所に佇んでいる。それらすべてを巡るには、何度も山奥へと分け入らねばならず、片道1〜2時間は当たり前。脚扎川万仏塔も、そんな辺鄙な場所にある塔の一つだ。
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私たちは慶城から車で向かったが、山を越え谷を越え、2時間以上を要した。最後の区間は道が悪く、土石流でひどく損壊していた。塔は華池県紫坊畔郷川畔村塔児窪にあり、脚扎川の西岸の台地に位置している。ここから一歩踏み出せば甘粛省ではあるが、北へ少し行けば陝西省呉起県、東へ行けば陝西省志丹県という場所だ。
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初めて目にした万仏塔はそれほど高くはないが、遠くの道路からでも、赤砂岩でできた八角錐形の塔が台地の縁から突き出しているのが見える。塔刹(塔の頂上の飾り)はとうになく、高さ8メートルの残骸となった石塔が、広々とした川沿いにぽつんと立っている。台地に登ってみると、あまりに辺鄙な場所のせいか、周囲は手つかずの自然が残っており、私はむしろその、仏塔本来の姿が見られる環境を気に入った。
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脚扎川万仏塔は宋代に建立された。今でこそ辺鄙に見えるが、当時は交通の要衝だったのだろう。この仏塔は地元の赤砂岩を削り磨いて積み上げられており、平面は八角形で、上に行くほど細くなっている。塔身の各面には3層の仏像が彫られており、1層につき6体、合計で約1008体あることから「万仏」の名がついた。中原の宋塔に見られるような、衣のひだがたなびき、瓔珞(装飾品)が複雑に絡み合う造像と比べると、ここの仏像は職人が石の表面から一刀一刀「鑿(のみ)」で彫り出したような印象を受ける。洗練されてはいないが、黄土高原特有の不器用で誠実な温かみが感じられる。
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残念なことに、1000体余りの仏像のうち、1層目、2層目、8層目、9層目は自然風化により痕跡を残すのみとなっており、その他の層の仏像も頭部は破壊されているが、身体部分は概ね良好に残っている。塔の下の石碑は摩耗して判読できない。山風がこれらの首のない仏像を吹き抜けていき、塔の八面を影が次々と巡っていく様は、終わりのない鐘の音を聞いているかのようだ。
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今世紀初頭の盗難騒ぎの中で、華池双石塔や合水塔児湾石塔は盗難被害に遭い、回収された時には塔体に取り返しのつかない損傷を受けていた。脚扎川万仏塔は幸運だった。場所があまりに辺鄙で、道が険しかったことが、かえって安全を保障したのだ。2時間かけてこの塔を見に行くことは、単に宋代の塔を見るだけでなく、隴東の山野が独自のやり方で1000年間守り抜いてきた石刻を見るということでもある。
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🏠名称:脚扎川万仏塔
🎫入場料:無料
⛳所在地:慶陽市華池県紫坊畔郷脚扎川