全国的に有名な足元自噴の貴重な温泉です。 目を凝らすと湯船に小さな泡が時々出てきますが、 とても掛け流しの量に足らないので、ご主人に聞いたら、湯船の壁の奥深くから大量に噴出しているそうです。床が石と砂で造られた湯船は、自噴で掛け流しに相応しい青味がかった綺麗な色をしています。良く観ると岩壁に念仏の文字が彫られ、小さな仏像もあり、厳かな気持ちになります。 湯船は川辺にあるので、川の流れる音と源泉掛け流しで川に落ちる温泉水の音を聴きながら、単純温泉に区分されるぬる湯に長湯をするのが、この温泉の流儀のようです。宿のパンフレットを見ると、1時間どころか2時間の入浴を薦めている程です。私は新潟県の栃尾又温泉を思い出しました。ぬる湯で長湯をしたい私のような者には堪らない温泉です。 尚、このお宿は、東日本には多いのですが、九州には数少ない「日本秘湯を守る会」の会員宿です。折り紙付きの素晴らしい温泉を持つお宿で、これからも長く続いて欲しいと思います。