茶褐色の鉱泉は温泉に入っているなあと実感する。無色無臭の透きとおった温泉にはない体にじわじわ締め付けてくる感じがあり、風呂上りの体の温まり方はとてもよい。10何度の源泉にはつかることはしなかったが、これにつかればまた一味違うことは間違いないだろう。宿に通じる急坂の細い山道の雪の溶けるのを待って3月末の連休に本館に宿泊。宿の古さや部屋の狭さ、上下一枚ずつの布団の物足りなさ。いくつもの不満点はあるが、秘湯を守る会の宿だと思えばよくある話。そもそも大勢の人に来られないように毒と名前に付けたとの言われのある温泉ですから、その風情を味わいましょう。料金も安く、夕食・朝食とも素朴な料理だけど満腹まで味わえる。ご主人も女将もアルバイトの学生もみんなよく話し、いい宿でした。