タンザニア・ングロンゴロ|苔むす高地の秘境、エンパカイ・クレーターの縁へ 🌿
エンパカイは、ングロンゴロ保全地域(NCA)内、ングロンゴロ・クレーターから北へ40kmの場所にあります。アクセスには4WD車と公認ガイド、そしてレンジャー의同行が必須です(NCA入域料は1日70ドル〜、レンジャー30ドル、ガイド40〜60ドル。ロドアレ・ゲートはカード可ですが、ナイノカノカの駐在所は現金のみで5万シリング以下の小額紙幣が必要です)。私はカラトゥ発の4日間トレッキング(オルモティ〜エンパカイ〜麓へ)に参加しましたが、リム(外輪山)のハイキングだけなら東側の駐在所から往復5km、約2時間です。湖畔まで295mを一気に下りて登るルートで、リムの標高は3,200mに達します。
午前8時、リムを覆う森ではハゲニア・アビシニカの巨木やイチジクの根から朝露が滴り、見事な苔の風景が広がります。300m眼下には、フラミンゴが点のように浮かぶソーダ湖が。外周路を一周すると32kmありますが、多くの旅行者は東側の展望ポイントまでを往復します。私はそこで90分間、雲が切れて湖の色がエメラルドからスチールブルーへと移ろうのを眺めていました。柵や手すりは一切ありません。足元の草は滑りやすく、一歩踏み外せば斜面の森へ滑落します。登山靴は必須、トレッキングポールもあると心強いでしょう。武装レンジャーが常に10m後方を追走するのは「お願い」ではなく絶対のルールです。
【現金について】チップや水(駐在所で1Lあたり5,000シリング、カード不可)、入域前のカラトゥでの買い出し用に、小額紙幣で計10万シリングほど用意しておくのが賢明です(カラトゥのスーパーはカード可ですが、ナイノカノカは不可)。ベストシーズンは6月〜10月の乾季。3月〜5月は足元が泥沼化します。私が目撃した失敗談:アルーシャから来たカップルが自力で乗り込み「自分たちだけで歩く」と言い張りましたが、ロドアレの検問で追い返され、返金もされませんでした。正規の手続きなしでエンパカイに入ることは不可能です。
ングロンゴロ・クレーターが巨大な「スタジアム」だとしたら、エンパカイは静謐な「大聖堂」のよう。あのハゲニアの木に生した苔の美しさを知れば、どちらに再訪したくなるかは明白です。