ドイツの歴史ある美しき小さな町、レンス。
ラインラント=プファルツ州のマイエン=コブレンツ郡に属しています。
ライン川の左岸、コブレンツの南約10kmにある「ライン渓谷中流上部」の一部に位置します。
この町は、中世の深い歴史、保存状態の良い美しい木組みの建築、そして神聖ローマ帝国の政治史において独自の役割を果たしたことで知られています。
初期にはケルト人やローマ人が定住していましたが、レンスが歴史の表舞台に躍り出たのは中世のことでした。
その戦略的な立地から、ケルン、マインツ、トリーアの強力な選帝侯やプファルツ選帝侯が集まる中立的な会談の場として利用されました。
国王選出の舞台:この町では、次期ドイツ国王を決めるための事前交渉が頻繁に行われました。
1346年にはカール4世がここでローマ王に選出され、1400年にはプファルツ選帝侯ループレヒトが、町の有名な石の王座で正式に選出された最初のドイツ国王となりました。
ケーニヒスシュトゥール(王の椅子):高さ6mのこの有名な石碑は、かつて選帝侯たちが集い、新王が忠誠を誓った歴史的な皇帝の王座を象徴しています。
元々はライン川の川岸に建てられていましたが、1929年に町のすぐ高台に移設されました。
旧市街の城壁:レンスには中世の城壁が驚くほど良い状態で残っており、現在も歴史的な中心街を囲んでいます。
フィー門(家畜の門)や教会門といった歴史ある門に加え、かつて税関や牢獄として使われていたシャルフェ塔(鋭い塔)などの防衛施設も見どころです。
木組みの建築群:町の中心部には、繊細な木彫りや植物の蔓の模様、碑文などで装飾された、色彩豊かで歴史ある木組みの家々が立ち並んでいます。
特に、1514年に建てられたベンガラ色のアルテス・ラートハウス(旧市庁舎)や、1566年建造のドイチェス・ハウスなどが有名です。
聖ディオニシウス教会:後期ロマネスク様式とゴシック様式が融合した歴史ある教会で、美しく保存された天井画が見事です。
ミネラルウォーターとワイン:現代のレンスは、「レンサー・ミネラルブルンネン(Rhenser Mineralbrunnen)」のブランドで販売されている天然のミネラルウォーターの産地として地元で有名です。
また、周囲の急な斜面はブドウ畑として大いに活用されており、伝統的なワイン造りが盛んです。
アウトドア・アクティビティ:壮大なライン渓谷に位置するため、レンスは「ラインシュタイグ」や「ラインブルゲンヴェク」といった主要なトレッキングコースに挑むハイカーたちの人気スポットとなっています。
さらに、ライン川を巡る遊覧船の定期寄港地でもあります。