都市から離れたブルガリア:石畳、山の空気、そして絶品ポテトパンケーキ。
エディンバラの街も大好きですが、時にはどんよりとした灰色の霧雨から逃れ、南国の太陽と澄んだ山の空気を思い切り吸い込みたくなるものです。エスプレッソマシンの前に立つ日常から離れてひと休みした前回の休暇では、定番の観光地を避けて、ブルガリアの田舎へ足を延ばすことにしました。そこは、どこを探せばよいかさえ知っていれば、ヨーロッパの中でも未だに手つかずの自然が残り、驚くほどゆっくりとした時間が流れる知る人ぞ知る場所です。
一番のお気に入りはメルニクでした。ブルガリアで最も小さなこの町は、ミニチュアのピラミッドのような、奇妙で脆い砂岩の崖に囲まれた谷間にひっそりと佇んでいます。石畳の小道をのんびりと散策して心地よい午後を過ごし、最後は葉が青々と茂るブドウ棚の下に腰を下ろし、地元産の芳醇な赤ワインを傾けました。道の向こうでは年配の店主がはちみつの瓶を静かに磨き、石段の上では茶トラ猫が気持ちよさそうに居眠りをしています。自分が今何曜日を生きているのか、そんなことすら一瞬で忘れてしまうような場所なのです。
さらにロドピ山脈の奥深くへと進み、シロカ・ラカを訪れました。スコットランドに住んでいる私にとってバグパイプはすっかり馴染みのある楽器ですが、古い石造りの家々の間に響き渡る、ブルガリアの「ガイダ」の深く哀愁を帯びた音色は全くの別物でした。スレート葺きの屋根の煙突から立ち上る薪の煙や、ゼラニウムの花がこぼれんばかりに咲く木製のバルコニーなど、この村には人々の息遣いがリアルに感じられます。天井の低い小さな居酒屋に立ち寄り、すりおろしたジャガイモとミントで作る伝統的なパンケーキ「パタトニク」を味わってみました。外はサクッと香ばしく、どこかホッとする味わいで、まさに山の空気の香りをそのまま閉じ込めたような美味しさでした。
帰路につく前、北西部にあるベログラチク要塞へと足を延ばしました。巨大な彫像のようにそびえ立つ赤茶色の奇岩群の間に、古代ローマやオスマン帝国時代の城壁がそのまま組み込まれており、実に壮観です。午後の光が温かみのある琥珀色に変わる頃、古い石段を登りながら、信じられないほど穏やかなひとときを過ごしました。
ブルガリアには、こんなにも静かで控えめな魔法がかけられています。予定をぎっしり詰め込む必要はありません。ただ静かな場所を見つけ、郷土料理を注文し、ゆったりと流れる景色を眺めていれば、それで十分なのです。