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お月見の文化は、実は中国から伝わったものがもとになっています。中国では古くから「中秋節（ちゅうしゅうせつ）」と呼ばれる行事があり、家族で月を眺めながら、月餅を食べたり詩を詠んだりして秋の実りを祝っていました。

この風習が平安時代に日本へ伝わり、宮中では貴族たちが池に舟を浮かべ、酒を酌み交わしながら月を愛でる「観月の宴」が行われるようになります。やがて日本の稲作文化と結びつき、収穫への感謝を込めてススキや団子を供える「十五夜のお月見」として、庶民の間にも広がりました。

つまり、今私たちが親しんでいるお月見は、中国の中秋節と日本独自の農耕文化が融合して生まれた風習なのです。だからこそ、団子やススキといった日本ならではのお供えが根付いているのです。

月見団子は、十五夜や中秋の名月にお供えされる団子で、古くは稲の収穫を祝う「収穫祭」と深く結びついていました。豊作や収穫を祈るだけでなく、「ものごとが実を結ぶこと」や「家族の健康や幸福」への願いも込められています。

まんまるのお団子は満月を象徴し、その白さは清らかさを意味します。お月見の夜に欠かせない定番のお供え物として、今も親しまれています。

地域によって形もさまざまで、関東ではつややかな丸い白玉が一般的。一方、関西では稲穂を思わせる細長い形や、こしあんを包んだ団子も見られ、土地ごとの風習が息づいています。

子どもの頃、祖母が作ってくれた温かい団子を縁側で食べた思い出がある、という方も多いのではないでしょうか。

お月見団子を積み上げる数は、基本的に「15個」です。これは十五夜にちなんだ数字で、下から9個・4個・2個と重ねると、ピラミッドのように美しく見えます。
ただし、必ず15個でなければならないわけではありません。最近では、家族の人数分だけ供えたり、手軽に5個や7個にするご家庭も増えています。大切なのは「数」よりも、お月さまに感謝する気持ちということです。小さなお供えでも十分にお月見を楽しめます。

1. ボウルに団子粉と水を入れ、粉っぽさがなくなるまでよく練ります。

出典：FOODIE

2. 耳たぶくらいのやわらかさになったら15等分にし、手のひらで丸めます。

出典：FOODIE

3. 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、団子を入れます。浮き上がってきたらさらに約3分ゆで、冷水にとって冷まします。

出典：FOODIE

4. 水気をしっかり切り、器に盛り付ければ完成です。

最近では、まんまるの団子を少しアレンジして「うさぎ」に仕立てるのも人気です。
竹串で軽く押して耳を作り、食紅や黒ごまで小さな目を描けば、かわいいうさぎ団子のできあがり。

子どもと一緒に作れば、工作のような楽しさもあり、お月見が一層思い出深い時間になります。並べて写真を撮れば、SNSに投稿したくなる愛らしさで、話題になります。

関東では、白くてまんまるの団子をそのまま供えるのが一般的。素朴でシンプルな味わいが特徴で、昔ながらのお月見らしい雰囲気を楽しめます。

関西では、里芋の形をしたお団子や、お餅にあんを巻き付けたものが伝統的。稲作文化と結びついた「五穀豊穣」への祈りが感じられるスタイルです。

京都の老舗和菓子店「仙太郎」などでは、中秋限定の月見団子が並びます。上品で美しい仕上がりは観光客にも人気で、贈り物にもぴったりです。

このように地域ごとに違いがあるので、旅先で食べ比べてみるのもおすすめです。

出典：仙太郎のブログ

出典：仙太郎HP・季節限定の和菓子

月見団子は、ただの甘味ではなく「感謝と祈り」を込めてお供えする、日本の大切な風習です。
手作りすれば家族の思い出に、和菓子店で買えば手軽に。どちらでも秋の夜を彩ってくれます。

２０２５年の十五夜は、１０月６日（月）です。今年はぜひ、夜空の月を眺めながら、まんまるのお月見団子を作り、家族、恋人又はお友達と楽しんでください。