西藏の江南、リンチー

誤ってリンチーの秘境、ジェバ村に足を踏み入れた。 本来の計画ではリンチーで2日間遊ぶ予定だった。1日目はラサからバソン湖へ、2日目はセジラ山口とヤルツァンポ大峡谷へ行く予定だった。 結果、バソン湖の湖心島で遊んだ後、さらに奥に進むと素晴らしい景色があることがわかり、バスでジェバ村の展望台へ行って一周した。 「わあ、ここは静かでいいな！」と思い、そのまま一晚上泊まることにした。 西藏では毎日のスケジュールが詰まっており、景色が良くてゆったりと泊まれる場所はなかなかないので、民宿を予約した。 雨季にナムチャバルワ峰を見る確率は低く、またあまりにもメジャーで、ほとんどが旅行団が訪れるスポットなので、あまり魅力を感じなかった。そこで地元の人の勧めで、翌日は新措（ジェバ村から30km、道は悪くて揺れるので、できれば四駆車が良い）へ行くことにした。 ジェバ村での日々がとても好きだった。 人が少なく、都会の喧騒がない。 村の狭い道で、ゆっくりと歩く牛に出会い、野生のキノコと鶏肉の煮込みを出すレストランでは、私が食事をするのを見守る小さな黄色い犬がいた。屋上からは麦畑や大木、湖を見ることができた。 小さな橋を渡り、水が筒を通って流れる川辺の石の上で静かに過ごす。 チョカ村の修復中の古い村落に行き、村の大木の下でゆっくりと太陽が沈むのを待つ。ここにある各家が、長い歴史と人々ののんびりとした生活の物語を語っているようだ。遠くの雪山を眺め、風の音を聞く。 人のいない道端に車を自由に停めて、川辺の小さな牛が草を食べるのを見たり、雪山が水面に映るのを眺めたり、太陽の最後の光が雪山に当たるのを待ったりする。 ここのシンプルさ、純朴さ、静けさが好き。犬の吠える声、風の音、流れる水の音が好き。 旅の途中や日常生活で、いつも急いでいる。 ここでは足を止め、時間を一時停止させ、心を落ち着かせる。 Tips ジェバ村に行くには、景区内のバスに乗ることができるが、滞在時間には限りがある。自分で運転する場合は、ジェバ村や景区のホテルや民宿を事前に予約しておく必要がある（新措に行くには自分で運転するしかない）。