https://jp.trip.com/moments/tag-1684464-%E4%BC%8A%E4%B8%87%E9%87%8C%E7%84%BC/
【足利・太田のアートスポット】
(栃木県足利市・群馬県太田市 旧国名:下野・上野)
<“両毛”を代表する二大都市の美術館 地域の特色とそこに生きた人々の想いを宿します>
南北朝時代の争乱の主役として知られる足利尊氏(あしかが たかうじ 1305〜1358)、新田義貞(にった よしさだ 1301〜1338)はいずれも源氏の流れを汲む武士で、その本領は渡良瀬川(わたらせがわ)を挟んで近接した“昔なじみ”でした。現在、栃木県足利市、群馬県太田市となった両氏の本領のうち、足利市は“足利学校”や機業に象徴される観光、文化都市として、一方の太田市は自動車メーカー「SUBARU」(前身の中島飛行機株式会社は太田市出身の中島知久平によって創業)を擁する産業都市として道を歩みました。それぞれの歴史、特性を活かして発展した足利市、太田市にはいずれも現地を訪れる目的となり得るアートスポットが存在しています。
① 栗田美術館(栃木県足利市 写真2〜5枚目)
足利の商家に生まれ、実業家、政治家として絶大な権勢を誇った栗田英夫(1912〜1996)は、若年の頃に古道具屋で偶然出会った小さな伊万里焼(いまりやき 伊万里は現在の佐賀県の地名。同県有田で焼かれた磁器が伊万里の港から出荷されたためこの名がついた)の器に魅了され、以来本業の傍らで稀なる情熱を注ぎ込み、古今東西の逸品を収集しました。その数は1万点に及び、しかも伊万里焼と鍋島焼(なべしまやき 佐賀藩鍋島家直営の窯で焼かれた磁器。贈答用の高級品として知られた)だけに絞り込んだコレクションは、古来類を見ない内容です。栗田はこれらの魅力を広く発信するため、故郷足利で約3万坪の敷地を買い取って美術館を設立。蒼然とした山並みに抱かれる景勝の地に、シャープな建築と庭園を馴染ませた“栗田美術館”が誕生します。美術館は“本館”“歴史館”“陶磁会館”などいくつかの施設に分かれ、それぞれ器の配置や照明の強度まで徹底的に研究された落ち着きのある空間。とりわけ他では目にすることの少なかった鍋島焼は、絵柄の優美さと繊細さが見事に調和し、ふくよかな質感を自ずと醸すような趣き。どんなに小さな器であろうと、その世界観に魅了されてしまいます。ちなみに、1986年には世界的ロックバンド「QUEEN」のボーカル、フレディ・マーキュリーもプライベートで来館。展示に強く感動し、器の買い取りを希望したとも伝わります。往古、海外貿易の重要な輸出品として世界の注目を集めた器の、時代を超越した魅力を遺憾なく伝える事実です。
アクセス:あしかがフラワーパーク駅から徒歩10分ほど
② 太田市美術館・図書館(群馬県太田市 写真1、6~10枚目)
“創造的太田人”―――
群馬県太田市が“太田市美術館・図書館”の理念として掲げるこの言葉は、“ものづくりのまち”の歴史と未来を見据え、その矜持を示した内容です。群馬県内では高崎市、前橋市に次ぐ人口を抱える太田市は、世界的自動車メーカー「SUBARU」とその関連企業を中心とする大規模な工業団地を形成し、北関東で一位、全国でも有数の製品等出荷額を誇ります。一方、その産業構造は“郊外型”の都市基盤を生むこととなり、中心市街地の衰退が深刻化しました。この課題に対処し、且つ地域住民の生活に資する拠点となったのが、太田市美術館・図書館です。現代美術を中心に企画展を催す美術館と、世界各国の絵本やアートブックも揃う図書館を、敢えて境界を設けず一つの施設内に並立したことで、さまざまな角度から利用者の感性へ訴えかけます。深い質感の白を基調とした館内には、遊び心溢れるカラー、形状のインテリアが心地よい刺激として配され、それらを淡く染め上げる陽光は、外壁を思い切って開いた大規模なガラス窓から取り入れられるもの。シャープでありながら、螺旋状の構造で内部へ“巻き込む”ような建築デザインも特長で、そのゴールである屋上には“箱庭”を想起させる緑地が。鋭い風に払われた晴れやかな展望を堪能しながら、館内の光景を思い返すと、美術鑑賞、絵本の読み聞かせ、テスト勉強、コーヒーブレイク……と市民の多彩な生活が凝集された“プラットフォーム”であることを実感できます。
アクセス:太田駅から徒歩1分ほど
ひとり旅おすすめ度:★★★(人はそれなりにいるが、広い場所なので気にならない)
探訪日:10月第1週土曜14時ごろ
#栗田美術館 #太田市美術館 #足利 #栃木県 #栃木旅行 #栃木観光 #太田 #群馬旅行 #群馬観光 #美術館 #アート好き #アート巡り #アートのある暮らし #伊万里焼 #鍋島焼 #器のある暮らし #建築好き #建築巡り #現代建築 #名建築 #建築デザイン #旅のある暮らし #国内旅行