食は重慶にあり

洪崖洞と崖の上 ライトアップされた風景はまるで何か違う世界に迷い込んだような感覚を受ける。崖にへばりついたこの建物の中には無数の店が並び、登りきったその先には若者の街が広がる。 渋谷、新宿、いつも見かける街並みがちっぽけに見えた。 平日でも恐ろしい賑わいと人出。そして洪崖洞から大河の方楽を眺めると、香港よりも更に巨大な高層ビル群が見え光が踊っている。 日本が失ってしまった「元気」を感じ、そこから元気をもらった。 そこから好吃街に向かう。ここも光に溢れていた。門をくぐると溢れんばかりの色が並ぶ。当然红油抄手をチョイス…と言いたいところだが先日からの激辛料理に既に悲鳴をあげているためここは無難にノーマル味をチョイス。甘味も選び放題、豆類を甘く炊いたものをトッピングに選び完食。 食は広州にありと言われるが、この好吃街を楽しんだ後、食は重慶にあり、そう感じた。 辛さばかりではない、豊かな食文化を感じながら、翌日早朝のフライトに備えてNovotel Hotelに向かう。光の渦が次第に遠ざかり、恐ろしい高さの橋梁を超え車は徐々に静寂に包まれる郊外にたどり着く。 タクシーの中でふと、「崖の街重慶、まだ何も遊べていない」と感じてしまった。 新しい友との出会い、今日の宴席で聞いた何度も聞いた「有朋自远方来，不亦乐乎」の言葉が心にこだまする。 何故だ、今まで何度も聞いた言葉なのに、今日は今までになく心に響く。 どうやら重慶の熱さは火鍋でも気温でもなく、その人々の心のようだ。 次は仕事ではなく個人の旅行で再び訪れたい。