嵩山の麓にある紫金城——中岳廟

中岳廟は、河南省登封市の嵩山南麓に位置し、秦の時代（紀元前221年—207年）に始まり、元々は「太室祠」と呼ばれ、太室山の神を祀るために建てられました。 太室祠は東漢、西漢を経て何度も移転し、南北朝時代に現在の玉案岭に移り、同時に「中岳廟」と改名されました。 中岳廟は唐、宋、元、明、清の時代を通じて、数えきれないほどの修復と拡張を経験し、徐々に今日の規模を形成しました。そのため、「嵩山の麓の紫禁城」という美称があります。現在の建築はほとんどが清の乾隆時代に改築されたもので、そのスタイルは北京の紫禁城と異なるが同じような魅力がありますが、古い建築はそのまま保持されており、変更されていません。例えば石碑、石塔、牌楼、廟固などです。 伝説によると、道教の始祖である張道陵もここで修行し、五岳真型図を残しました。この図は修道者が山に入る際に使用され、この図を持っていれば、狼、虎、豹、妖怪、邪霊などが近づくことはありません。 中岳廟は歴史が長く、中国民族と中国道教の発展史をほぼ見届けてきました。千年の古廟は世界でも数えるほどしかなく、その完全な保存は道教文化の研究に貴重な実物教材を提供しています。 中岳廟は道教全真派の道場で、主神として中岳大帝を祀っています。中岳大帝、すなわち嵩山の神、五岳大帝の一人です。中岳大帝は五岳の中で最も早く信仰された神で、中岳は中国の天地の中心に位置し、土に属し、土をもって天に配し、そのため五岳の中で地位が高いです。古代の皇帝に深く尊敬され、五岳の中で最初に皇帝によって封じられた者です。 《旧唐書・礼儀志四》によると、武則天の垂拱四年（688年）に、武則天は洛水の神に加封し、嵩山が洛水に近いため、嵩山を神岳と改め、中天王を授け、廟を建てました。唐の玄宗の時代には中岳神を中天王に改封し、宋の真宗の時代には中天崇聖帝に、元の時代には中天大宁崇聖帝に加封されました。 中岳大帝の聖誕は農暦三月十八日で、毎年三月の初めから中岳廟の祭りが始まり、その時期には観光客で賑わい、道教の信者が天南海北から登封の中岳廟に香を焚き、祭祀を行い、中岳大帝の聖誕を共に迎えます！ 2001年6月25日、中岳廟は中華人民共和国国務院によって第五批全国重点文物保護単位に公布されました。 2010年8月1日、中岳廟を含む天地之中の歴史建築群が世界文化遗産に登録されました。