大同の旅行・浑源永安禅寺。

永安寺は金の時代に創建され、現在の大殿は元時代の建築物です。寺院の本堂には、元時代の壁画、木造構造(斗拱、軒)、藻井、そして元時代の書体が残されています。 永安禅寺の明代の密教十大明王壁画は、その衝撃的な形態から、浑源の象徴となっています。 大殿の屋根は、山西省特有の黄色の琉璃瓦と青色の琉璃瓦で覆われており、山西省の介休の古建築にも同様のスタイルが見られます。古代では黄色は皇室専用でしたので、専門家は永安寺が最初は皇室の建築物だったと推測しています。軒の装飾には様々な瑞獣が施されており、中国古建築の変遷を感じ取ることができます。 建物は減柱法を用いているため、より多くのスペースが確保されています。大殿の上部には、大柱で支えられた天宮楼閣の装飾と、緑色の元代の藻井が残されており、古風な自然な雰囲気を醸し出しています。大殿の東西側には明代の水陸法会があり、儒教、仏教、道教の三教が一堂に集まっています。絵画は上中下の三層に分かれ、人物の姿勢はそれぞれ異なっています。これは宗教画の集大成と言えるでしょう。北側の大殿には、チベット密教の十大明王(仏の怒りの化身で三界の三毒を震撼させる)が描かれており、人物は画皮を剥がして慈悲の面持ちを見せています。これは寺院で唯一、仏の本来の姿を見ることができる像です。 元時代には民族の大融合が起こり、宗教に対してより開かれた態度がありました。永安寺は特定の宗教の場所ではなくなり、密教の明王像、孔子や孟子の儒教、さらには屋根の中央の琉璃脊刹に「天地三界十方万灵真宰」と書かれた玉皇大帝の位牌まであり、全国でも例外的な存在となっています。