近くの寺院

各都市には、名も知れぬ寺院がいくつもあり、村に隠れていたり、道路沿いにあったりします。ほとんど香客はおらず、旅人も訪れません。最もがっかりするのは閉ざされた門を前にすることですが、幸い開いているところもあります。比丘尼が掃除をしていたり、鳥が騒いでいたり、風が風鈴を揺らしたり、花が陽光を迎えたり、念仏機が疲れを知らずに動いていたり、工人が拡張や修理をしています。角には小さな沙弥の坐像が花の中で経を唱えており、葉が一枚落ちても払わず、それが愚かなのか、眠っているのか分かりません。香光室は鍵がかかっており、香を閉じ込めているのか、光を閉じ込めているのか分かりません。静かな中、一人の尼僧が電動カートをゆっくりと運転していきます。