ハイキングの楽園から海底トンネルへ｜夏の陸奥千里行【十三】

奥入瀬渓流は青森県十和田市にあり、青森市から車で約2時間の場所です。この地は清らかな渓流、滝群、そして四季折々の自然の景観で知られています。実は奥入瀬渓流の最良の観光シーズンは春(4月から6月)と秋(9月から11月)です。春には新緑と桜を、秋には渓流沿いの木々が色とりどりの紅葉となり、まるで童話の世界に迷い込んだかのようです。私たちが訪れたのは夏でしたが、茂みと涼しい渓流は心を癒してくれました。 奥入瀬渓流の遊歩道は約14kmの長さがあり、アウトドア好きの私にとっては全行程を歩きたいところでしたが、時間の都合で最も見所の一部分しか歩けませんでした。ハイキングの楽園にふさわしく、有名な滝や景勝地を通り、歩けば歩くほど気分が良くなり、まるで原生林を歩いているかのようでした。 青森にはもう一つ特別な観光スポットがあります。それは【青函トンネル記念館】です。世界には多くのトンネルがありますが、トンネルに記念館を建てるのは珍しいことです。青函トンネルは津軽海峡を横断し、本州の青森地方と北海道の函館地方を結んでいます。全長54km、海底部分は23kmにもなります。青函トンネルの工事は1964年に着工し、1987年に完成しました。なんと23年もの歳月を要した大プロジェクトでした。 記念館内では、立体模型や映像、展示パネルで分かりやすくトンネルの概要が紹介されており、当時の工事の様子や資料、模型が詳しく展示されていて、この偉大な事業を称え、記念する場となっています。静的な展示だけでなく、館内には日本で最も短い民営鉄道【青函トンネル竜飛斜坑線】もあり、わずか9分で海底140mの特別開放された作業坑に到着し、トンネルの掘削作業を間近で見学することができます。 私には計画があります。次は新幹線で青森から函館まで乗り、この便利で安全なトンネルを全行程体験してみたいと思っています。