碧波が揺れる劉家峡、甘加秘境に土匪あり、中国一周ドライブ111日目。

2023年7月3日、中国一周ドライブ111日目、甘粛蘭州—劉家峡ダム—甘加秘境—甘粛夏河、300キロ、経由ルート：G1816烏瑪高速道路、316国道。広大な高原の草原と連なる丘陵を通過し、このルートの景色はチベット風情に溢れています。途中、のんびりと草を食むヤクや、山腹に建つチベット族の村落、風になびく五色の経幡を目にすることができます。夏河は比較的平坦で道路状態も良好ですが、一部の区間で工事や減速帯があるため、適度な減速が必要です。最終目的地の夏河に到着すると、ラプラン寺の金色の屋根が陽光に輝き、街全体が青空と白い雲の下で穏やかさと神秘さを漂わせています。 蘭州を出発し、途中の天候は変わりやすく、時に細かい雨が降り続き、時に雲が晴れ、霧が晴れるなど、旅に神秘さと期待感を添えました。最初の景色は主に黄土高原と蛇行する川でした。劉家峡ダムに入ると、ダムの両側の急峻な崖と碧blue水面に圧倒されます。湖面には小舟が点在し、時折漁師が湖で漁をする姿も見られ、ダムの両岸の山々が湖面に映り込み、まるで静かな山水画のようです。 劉家峡ダムは黄河上流に位置し、1974年に完成しました。ダムは高原の峡谷に位置し、「高原の真珠」と称されており、黄河に対する私のイメージを完全に覆しました。車で山に上ると、黄河と洮河の合流点展望台に到着します。ここでは、黄河と洮河が「Y」字型に合流し、清濁併せ持つ青と黄の壮大な景観を形成しています。二つの川が交わる地点では、境界線がはっきりと分かれ、出会いながらも混ざり合うことはありません。 劉家峡ダムを離れ、さらに進むと、甘加草原の壮大な景色が広がり始めます。黄土高原からチベット高原へと移行するにつれ、緑の植生がますます豊かになり、経幡が風にそよぎ、空気には土と草花の爽やかな香りが漂います。陽光の下、草原は巨大な緑のビロードのカーペットのように、青空と大地の間にゆったりと広がっています。層々と重なり、まるで自然が作り出した最高の調色盤のようです。遠くには雪山がそびえ立ち、銀装素裹の姿は草原の緑と鮮やかなコントラストを成し、さらに神聖さと壮大さを添えています。「甘加秘境」は甘南チベット族自治州夏河県甘加鎮に位置し、元々私の旅行計画に含まれていました。しかし、秘境から5キロメートルの地点で「土匪による道路封鎖と強盗」を目にし、直ちに断念しました。 このドライブ旅行では、どの景色も忘れがたいものでした。道路状況は時に課題がありましたが、途中の美しい景色と体験がそれらを十分に補ってくれました。これは単なる身体的な旅行ではなく、心の浄化と昇華の旅でもありました。