河北正定隆興寺（隋朝、国宝第一号）

隆興寺は中国に現存する中で年代が古く、規模が大きく、保存状態が良好な仏教寺院の一つであり、河北省石家庄市正定県城東門里街に位置し、「正定大仏寺」とも呼ばれています。1961年に初の全国重点文化財保護単位に指定されました。 隆興寺の所在地はもともと後燕の昭文帝慕容熙（385-407年）の龍騰苑であり、隋の文帝開皇6年（586年）に苑内に寺院が建てられ、初めは龍蔵寺と名付けられ、唐代に隆興寺と改称されました。北宋の開宝4年（971年）、宋の太祖趙匡胤の命により寺院が拡張され、大悲宝閣が建てられ、銅製の高さ7丈3尺（21.3メートル）の千手千眼観音菩薩像が鋳造されました。その後、金、元、明の各時代に寺院は修繕や増築が行われました。清の康熙、乾隆年間には二度にわたり勅命で修復され、康熙49年（1710年）に「隆興寺」の扁額が賜りました。 現在、隆興寺は敷地面積82,500平方メートルで、配置と建築は宋代の様式を保っています。山門内は長方形の庭院で、鐘楼と鼓楼が左右に分かれ、中央の大覚六師殿は失われていますが遺跡が残っています。北に進むと摩尼殿があり、左右に配殿があって縦長の庭院を形成しています。さらに北の第二の門を入ると、主要建築の大悲閣とその前両側の慈氏閣と転輪蔵閣、その他の楼閣、殿、亭などが壮麗な空間構成を成し、建築群のクライマックスとなっています。最後に弥陀殿が寺の後方に位置し、仏香閣と弥陀殿は三殿並列の形式を採用しています。 全寺の建築は南北の中軸線に沿って縦深に配置され、外から内へ、殿宇が重なり合い、庭院が変化し、高低差があり、主従が明確です。南面の迎門は琉璃の照壁で、北には牌坊、戒壇、康熙・乾隆二帝の御碑亭、御書楼、集慶閣などがあり、末端には1959年に正定城内の崇因寺から移築された毘盧殿があり、明の神宗が生母慈聖皇太后の長寿を祝って建てたものです。 摩尼殿は北宋の皇祐4年（1052年）に建てられ、殿基はほぼ正方形で、四面中央にそれぞれ抱厦（張り出し部分）があります。殿身は厚い壁で囲まれ、抱厦の正面のみ門と窓が開かれています。外観は独特で、重檐歇山頂（屋根の形式）で、抱厦も歇山頂で山面が前方を向き、伝世の宋代絵画に似ています。 大悲閣は現在高さ約33メートル、三層の歇山頂で、上の二層は重檐で平座があります。1940年前後に再建されました。閣内に安置されている千手観音像は高さ24メートルで、北宋の開宝4年（971年）に閣と同時に鋳造されたもので、現存する中国古代最大の銅像です。手部は損傷していますが、像の体の比率は均整が取れ、衣の文様は流麗です。 寺内には特に注目すべき六つの文化財があります： • 龍蔵寺碑 • 摩尼殿 • 倒座観音 • 転輪蔵 • 銅鋳大仏 • 銅鋳毘盧仏