海水浴場のオープン時期に1泊2食付きで滞在しました。総客室数は19室と小規模で、宿泊客へのきめ細かいサービスに注力している老舗旅館という印象でした。電話で最寄バス停への送迎や貸切風呂の予約をしたのですが、その応対からも気遣いが感じられ、現地でも到着時の出迎えに始まり、レストランの給仕、出発時の見送りなど、皆さんとても親切で丁寧な対応でした。 立地は、皆生温泉中心部の海岸沿いに位置していて、海水浴場が中庭を抜けた目先にあり、とても便利でした。海岸沿いの遊歩道も整備されていて、ジョギングや散歩するにも最適な場所です。宿へは、JR米子駅から路線バスと宿の送迎サービス(1~2分)で30分程度かかり、バスの本数が少なくて不便でした。街中を散策しなかったので詳細はわかりませんが、グーグルマップを見た限りでは、近くに飲食店やコンビニはなかったので、車利用と朝夕2食付きがおすすめです。 客室は、シングルルームで1泊5~6千円のビジネスホテルのようでした。クローゼットはなく、衣服は壁に直にハンガー掛けするようになっており、室内は、ベッド、マッサージチェア、空気清浄機と私物(1泊分荷物)で一杯でした。他の客室と比べるとシングルだけ極端に狭く、強引に作った部屋という感じです。冷蔵庫などの基本的設備やアメニティ類などは一通り揃っていて、滞在中困ることはありませんでしたが、正直くつろげる空間ではありませんでした。 展望風呂は、こじんまりとしてましたが、内風呂付の客室があるせいか、朝・夕とも空いていて、ゆっくり温泉を楽しむことができました。展望は大山が眺められる浴室のほうがよかったです。貸切風呂は、1回45分の予約制で樽風呂に入りました。人目を気にせず、樽・内風呂の2種類を楽しめた点はよかったのですが、各々の貸切風呂は隣接しているため、(仕方ないと思いますが)隣の音・声が筒抜けなのが残念でした。 食事は、朝・夕とも2階レストランが会場で、海を眺めながらの食事は最高でした。夕食はのどくろ付会席料理で、趣向を凝らした前菜、新鮮なお刺身、ジューシーな牛肉など、すべてが美味しかったです。のどくろは煮つけの調理もよかったのですが、本当は焼き魚でシンプルに脂ののった白身を味わいたかったです。朝食も野菜、焼き魚、煮物等、バランスのとれた内容で、どれも満足でした。 全体的には、客室以外、お風呂、食事はもちろんのこと、スタッフのサービスも行き届いており、十分満喫できましたが、料金は、同等レベルのホテルよりも割高で、コスパは悪いと思います。皆生温泉全体が温泉街の趣はなく、見どころもないので、お金をかけてまで再訪するかは微妙です。