
ベトナムといえば、美しい自然景観と豊かな文化、そして活気あふれる街並みが魅力的な観光地として知られています。しかし、観光先として人気が高まる一方で、治安について不安を抱く方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ベトナム旅行をより安全で安心して楽しむために、現地の治安状況について詳しく解説します。どのエリアに注意すべきか、また安全に旅行を楽しむためのポイントとは?ぜひ、ご参考になれば幸いです。
最新!ベトナムの治安に関する情報

ベトナム国内での犯罪件数は、経済発展に伴う貧富の差の拡大や都市部への人口集中により、年々増加しています。
ただし、2023年の「世界平和指数」では、ベトナムは全世界で41位にランクインしており、韓国(43位)やタイ(92位)よりも高い順位です。凶悪犯罪(殺人や強盗など)は他国と比べても少なく、全体として治安は比較的安定していると言えます。
外国人観光客が巻き込まれやすい犯罪としては、スリやひったくりといった軽犯罪がほとんどで、特に観光地や繁華街、公共交通機関などで注意が必要です。
ベトナムの治安状況をリアルタイムで確認するには、外務省の海外安全ホームページを参考にするのがおすすめです。現在の危険度レベル0ですが、常に最新情報を確認し、安全対策を講じることは大切です。
治安のよいベトナムで巻き込まれやすいトラブル5つ

1.バイクによるひったくり
観光客が被害に遭いやすいトラブルのひとつが、バイクを利用したひったくりです。特に観光地や繁華街、ナイトマーケットなど人が集まる場所で、手荷物を持った歩行者を狙った犯行が多発しています。
犯人はバイクに乗って急接近し、手に持っているバッグやスマートフォンを奪い取ってそのまま走り去ります。夜間に一人で歩いている際や、手に物を持ちながらスマホを操作していると特に狙われやすいため、十分に警戒しましょう。
- 対策ポイント:バッグや貴重品は車道側ではなく建物側に持つ、手で持つのではなく肩掛けや斜め掛けにしましょう。
2. 市場やバス内でのスリ被害
混雑した市場や公共交通機関内は、スリの温床となっています。スリ犯は人の多い場所で密かに近づき、鞄のファスナーを開けて財布や携帯電話を取り出します。
日本人旅行者が現地通貨をまとめて持ち歩いているケースも多く、一度盗られると大きな損失となってしまいます。
- 対策ポイント: 財布や貴重品はバッグの奥に入れ、常にファスナーが閉まっていることを確認すること。バッグは前掛けし、身体に密着させるように持つと効果的です。また、カード被害が二次的に発生することもあるので、盗難されたらすぐにカード会社へ連絡しましょう。
3.置き引き被害
観光地のカフェやレストラン、ホテルのロビーなどでは、荷物を置いたまま席を離れた隙に持ち物を盗まれる「置き引き」にも注意が必要です。
特にチェックインの手続きやレストランで会計中など、ふとした瞬間に目を離してしまいがちな場所で被害に遭うことが多いです。
- 対策ポイント: 荷物は常に身体の側に置き、テーブルの脚などに固定する。椅子の背もたれにバッグをかけないようにし、肌身離さず管理しましょう。
4.知らない人からの「親切な申し出」
観光中に声をかけてくる親切そうな現地の人が、実は観光客を狙った詐欺や昏睡強盗を企てていることがあります。
例えば、ベトナム女性から一緒に飲食しようと誘われ、相手の言うままに飲食をしていると意識を失い、目覚めたときには所持金が全てなくなっているケースが報告されています。
- 対策ポイント: 初対面の相手と飲食を共にしない、もしくは自分の目の前で開けられた飲食物のみ口にするようにしましょう。
5.タクシーでの料金トラブル
ベトナムでは、正規のタクシーを装った白タクや料金メーターを改ざんしたタクシーを利用した詐欺が報告されています。観光客が乗車すると、わざと遠回りをして高額な料金を請求されたり、事前に決めた料金とは異なる金額を求められたりすることがあります。
- 対策ポイント: 信頼性の高い「Mai Linh」や「Vinasun」などの大手タクシー会社、またはGrabなどの配車アプリを利用すると安心です。
ベトナムで治安を注意すべきエリア

1.ハノイ市の治安要注意エリア
ハノイはベトナムの首都であり、多くの観光スポットが集まる都市ですが、観光客を狙ったスリやひったくりが発生しやすい場所も存在します。特に以下のエリアは注意が必要です。
- ホアンキエム湖周辺
ハノイの象徴ともいえるホアンキエム湖周辺は、昼夜問わず多くの観光客が訪れます。そのため、スリやひったくり犯が隙を伺っていることも。カメラやスマートフォンを手に持って歩いていると、被害に遭いやすいので気をつけましょう。
- 旧市街(ハノイ36通り)、ドンスアン市場
お土産店や屋台が立ち並ぶ旧市街も、混雑時にスリの被害が多発しています。バッグの中に貴重品を詰め込んだまま歩くと、いつの間にか中身を取られてしまうこともあるので、常に目の届く位置に持ちましょう。
- キムマー通り、リンラン通り、ダオタン通り
これらの通りは特に日本人や外国人居住者が多いエリアとして知られており、外国人向けの店舗やレストランも多いため、観光客を狙った犯罪も増えています。夜間は一人歩きを避けるようにしましょう。
- 大規模ショッピングモール
ショッピングモールでは、買い物に夢中になっている隙を狙ったスリや置き引き被害が多発しています。荷物からは決して目を離さず、持ち物は常に肌身離さず管理することが大切です。
2. ホーチミン市の治安要注意エリア
ベトナム最大の都市であるホーチミン市は、観光スポットも多く、旅行者に人気の街です。しかし、スリやひったくりといった軽犯罪が多発している場所もあるので注意しましょう。
- グエン・フエ通り、ドン・コイ通り、レ・ライ通り
これらの通りは、昼夜を問わず観光客や地元の人々で賑わっているため、スリやひったくりが発生しやすいです。特にバイクに乗った犯人が後方から近づき、バッグをひったくって逃走するケースが多いので、バッグを建物側に持ち歩くようにしましょう。
- ベン・タイン市場周辺
観光客が集まるベン・タイン市場は、スリや置き引き被害が最も多いエリアのひとつです。市場内では他人とぶつかることが多いため、その隙にバッグの中から財布や貴重品を抜き取られるケースもあります。ショッピングに夢中になって荷物から目を離さないようにしましょう。
- バック・ダン公園、サイゴン大教会、統一会堂前公園
これらの観光スポット周辺では、睡眠薬強盗などの被害報告もあります。見知らぬ人からの誘いや食べ物の勧めには警戒し、安易に応じないことが大切です。
- 10区、タンビン区、フーニャン区、ビンタン区、ゴーバップ区、トゥードゥック区
観光客が訪れることが少ないこれらのエリアでは、恐喝や強盗事件が発生することもあるため、特に夜間の一人歩きは避けるべきです。
ベトナムでの緊急時の対処法

ベトナムでの緊急連絡先一覧
項目 | 電話番号 |
警察 | 113 |
消防署 | 114 |
救急車 | 115 |
在ベトナム日本大使館 (ハノイ) | 024-3846-3000 |
在ホーチミン日本国総領事館 | 3933-3510 |
在ダナン日本国総領事館 | 3555-535 |
盗難や置き引き被害にあった時に
もし現地で貴重品を盗まれてしまったら、まずは近くの警察に連絡し被害届を提出しましょう。被害届の控えは、後で保険請求や再発行手続きに必要になるので大切に保管してください。
病気やけがをした時に
旅先で急な病気やけがをしてしまった場合は、救急車(115)を呼ぶか、近くの病院へ行きましょう。ハノイやホーチミン、ダナンなどの大都市には日本語対応可能な病院もあるので、事前に調べておくと安心です。
パスポートを紛失した時に
パスポートを紛失したり盗難にあった場合は、まず警察へ行って紛失証明書(または被害届)をもらい、その後日本大使館または総領事館でパスポートの再発行手続きを行います。
再発行の際に、紛失証明書と本人確認ができる書類(運転免許証や身分証明書のコピーなど)を持参してください。
夜間や休日の緊急対応
大使館や総領事館は夜間や休日は通常窓口が閉まっていることが多いですが、緊急時には留守番電話の案内に従い、指示された番号を押すことで担当者と連絡を取ることができます。人命に関わる緊急な状況や深刻なトラブルに巻き込まれた際は、迷わず連絡しましょう。
ベトナムの防犯対策でおすすめのアイテム3選

1.海外旅行保険
旅先での病気やケガ、そして盗難などのトラブルに備えるために、まずは「海外旅行保険」に加入することをおすすめします。ベトナムでは、医療費が日本よりも安い傾向にあるとはいえ、万が一の大怪我や入院となると、まとまった金額が必要になることも。
さらに、盗難被害に遭った場合でも、現地警察に被害届を提出し、その証明書を保険会社に提出することで被害額が補償されることがあります。
2.eSIM
旅行中の安全対策に欠かせないのが、スマートフォンでの通信環境の確保です。eSIMとは、スマートフォンの中に内蔵された電子SIMカードのことを指し、SIMカードを差し替えることなく、旅行先で簡単に現地の通信プランを利用できる仕組みです。
日本で購入しておけば、現地に到着してからわざわざSIMカードを買う手間も省けます。トラブル時に大使館や総領事館への連絡もスムーズにできるので、緊急時の備えとしても最適です。
3.パスポートのコピーや連絡先のメモ
ベトナムでは、パスポートを常に持ち歩くのは盗難や紛失のリスクが高くなるため、パスポートの原本はホテルのセーフティボックスなどに保管し、代わりにコピーを携帯することをおすすめします。万が一、盗難や紛失に遭ってしまった場合でも、コピーがあれば大使館や警察での手続きがスムーズに進みます。
さらに、日本大使館や総領事館の連絡先をメモしておくと、トラブル時にも迅速に対応できるので便利です。
ベトナムの基本情報

人口
約1億30万人
宗教
仏教、カトリック、カオダイ教など
言語
ベトナム語
レート
1ベトナムドンは0.006 円(2024年10月現在)
時差
-2時間 ※日本より2時間遅い
ビザ
45日以内の滞在、なおかつパスポートの残存期間が6か月以上あれば不要
水
ベトナムの水道水には不純物が多く、飲むことはできません。ペットボトルのミネラルウォーターを購入することをおすすめします。
喫煙
一般的に喫煙が許可されていますが、一部の公共場所や室内施設での喫煙が制限されています。
マナー
ベトナム人は敬意を大切にし、年長者や尊敬すべき人物に対しては特に礼儀正しさを示します。挨拶や笑顔で親しみを表現し、他の人々との交流を楽しむことが大切です。
チップ
日本同様、ベトナムも普段チップを渡す文化はあまりありません。チップを渡すことでサービス提供者に感謝の意を表現することが一般的ですが、強制ではなく自由意志によるものです。
ベトナムの治安についてよくある質問

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ベトナムは安全な国ですか?夜間の外出は大丈夫?
ベトナムは、東南アジアの中でも治安が安定しているとされる国です。特に、ハノイやホーチミンなどの主要都市では、テロや武力紛争の危険性は非常に低く、外国人観光客に対してもフレンドリーな雰囲気があります。ただし、軽犯罪(スリやひったくり)は発生しやすいので、特に夜間の一人歩きは避け、人気の少ない道を通らないようにしましょう。
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ベトナムではどのような犯罪が多いですか?観光客が巻き込まれやすい犯罪を教えてください。
観光客が多く訪れるエリアでは、特にスリやひったくり被害が増えているので、財布やスマートフォンなどの貴重品はバッグの奥深くに入れて、簡単に取り出せないようにしましょう。
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ベトナムでの女性の一人旅は安全ですか?
ベトナムは他の東南アジア諸国と比べると、女性の一人旅も安心して楽しめる国です。特に昼間は観光地やショッピングスポットを一人で歩いていても大きな問題はありません。しかし、夜間の繁華街では酔っ払いやナンパをする現地男性もいるため、避けたほうが無難です。
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ベトナムでの交通安全はどうですか?
ベトナムの交通は非常に混雑しており、交通ルールも緩やかです。特にバイクが主な交通手段であり、道路を自由に行き交うため、交通事故のリスクが高まります。そのため、ヘルメットの着用をおすすめします。
👀ベトナム旅行に関して、こちらの記事が参考になります:
治安の良いベトナム旅行に出掛けよう!

ベトナムは近年、観光地の整備が進み、治安も安定しているため、旅行者にとって過ごしやすい環境が整っています。しかし、海外旅行ではどんな国でも注意を怠らず、基本的な防犯対策を心掛けることが大切です。
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