
ミャンマーでは2021年2月1日のクーデター以降、各地で国軍と民主派勢力の間での衝突が引き続き発生しています。そのため治安状況は非常に不安定で、日本政府からは不要不急の渡航中止の勧告及び渡航中止勧告が出ています。
この記事では、2024年最新のミャンマーの治安情報をまとめました。危険レベルの詳細や安全対策などを解説します。
【ミャンマーでトラブルにあった時の緊急連絡先】
| 連絡先 | 電話番号 |
| 警察 | 199 |
| 消防 | 191 |
| 救急 | 192 ※繋がらない場合は他の緊急連絡先に電話してください。 |
| 在ミャンマー日本国大使館 | 01-549644~8 |
【2024年最新情報】ミャンマーの治安状況とその背景

ミャンマーは比較的治安の良い国であると認識されてきましたが、2021年2月1日ミャンマー国軍がアウン・サン・スー・チーらNLD政権の幹部を拘束し、緊急事態を宣言しました。国軍は全権を掌握し、国家統治評議会を設立。このクーデターに対抗して全国で大規模なデモが発生し、多くの人が逮捕され、死傷者も出ました。国軍は外出禁止令や集会禁止令を強化し、反発する市民は国民防衛軍を結成して抵抗しています。
ヤンゴンをはじめ各地で衝突が続いており、予測できない場所での偶発的な暴力が誰にでも影響を及ぼす可能性があるため、治安が非常に不安定です。
ミャンマーの治安危険レベルは2~3

ミャンマーでは、日本政府による危険レベルが2~3に設定されており、特定の地域に関しては特に高い危険レベルとなっています。ミャンマーのほとんどの地域で「不要不急の渡航を中止」を意味する危険レベル2となっている状況から、ミャンマーへの旅行はおすすめしません。レベル3の地域への渡航はどのような目的であれ中止してください。
レベル3(渡航中止勧告)
- ラカイン州マウンドー県(マウンドー地区、ブディタウン地区)
- シットウェ県(シットウェ地区(除く市街地)
- パウトー地区
- ポンナチュン地区
- ラテダウン地区)ミャウー県(ミャウー地区、チャウトー地区、ミンビャ地区、ミェボン地区)
- チン州パレワ地区
- シャン州コーカン自治地帯及びカチン州ライザー周辺
- 戒厳令発令地区(ヤンゴン地域の6地区除く)
- チン州8地区
- ザガイン地域14地区
- マグウェ地域5地区
- カヤー州4地区
- バゴー地域5地区
- タニンダーリ地域2地区
- カレン州2地区
- モン州1地区
- シャン州13地区
レベル2(不要不急の渡航中止)
- 上記以外の地域
※各地区の詳細は外務省の危険・スポット・広域情報をご確認ください。
ミャンマーで治安状況が特に悪い地域

ラカイン州北部・マウンドー県
バングラデシュと国境を接するラカイン州のマウンドー県では、2017年8月に「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)」による大規模な襲撃があり、国軍の掃討作戦によって70万人以上がバングラデシュに避難しました。2019年には「アラカン軍(AA)」と国軍の衝突が発生し、その後も停戦と戦闘が繰り返されています。
2023年11月から再び戦闘が始まり、2024年1月にはAAがチン州パレワ地区を占拠しました。現在も両者の戦闘が続き、不安定な状況が続いています。
シャン州
ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)の本部があるこの地帯では、2021年の国軍クーデター以降も戦闘が続いており、2023年11月には戒厳令が出されています。現地の情報は入手しにくく、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
カチン州ライザー周辺
カチン州ライザーには、カチン独立軍(KIA)の本部があり、ここでは国軍との戦闘が2021年2月のクーデター以降も続いています。現地の情報は入手しにくく、状況は不安定です。そのため、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクが高いとされています。
治安の不安定なミャンマーで身を守るためのポイント

移動には徒歩は避け車両を利用する
2021年2月のクーデター以降、ミャンマーでは市民のデモが行われましたが、治安当局の厳しい弾圧により減少しています。一方、ヤンゴンなどで軍や警察を狙った爆発事件が続いており、治安が不安定です。2023年1月には、ヤンゴンで日本人が強盗に襲われ、1人が刺される事件が発生しました。他にも、昼夜を問わず路上での強盗が増えています。
このため、明るい時間でも徒歩での移動は避け、自家用車やタクシーを利用することが重要です。もし強盗に遭った場合は身の安全を優先し、無理な抵抗はしないようにしましょう。
写真・動画撮影はしない
ミャンマーでは国軍兵士や警察、デモの様子を撮影することが禁止されています。外国人もこの規則に従わなければならず、違反すると拘束されたり、禁固刑を受ける可能性があります。実際に、ヤンゴンで撮影をしていた日本人が当局に拘束され、長期間刑務所に入れられる事例もあります。そのためカメラやスマートフォンを向けることは避けてください。
「たびれじ」に登録する
ミャンマーにやむ負えず渡航する際は、家族や友人、職場に日程や連絡先を伝えておくことが重要です。また3か月以上滞在する場合は、在留届を提出してください。3か月未満の旅行や出張の場合は、最新の安全情報を確認し、緊急時に大使館から連絡を受け取るために外務省の「たびレジ」に登録しましょう。
ミャンマーの緊急連絡先

万が一トラブルに巻き込まれた場合、または巻き込まれそうな場合は、最寄りの警察署またはミャンマー現地の緊急ダイヤルに通報しましょう。言葉が通じない場合は、周りにいる信用できる人に頼って落ち着いて対応しましょう。大使館ではパスポートを紛失・盗難の際にサポートしてもらえることもあるので、確認しておきましょう。
緊急連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
| 警察 | 199 |
| 消防 | 191 |
| 救急 | 192 ※繋がらない場合は他の緊急連絡先に電話してください。 |
在ミャンマー日本国大使館
| 電話番号 | 住所 |
| 01-549644~8 | No. 100 Natmauk Road, Bahan Township, Yangon, Myanmar |
ミャンマーの基本情報

| 基本情報 | |
| 首都 | ネーピードー |
| 人口 | 約5,114万人 |
| 言語 | ミャンマー語 |
| 宗教 | 人口の90%が仏教 |
| 通貨 | チャット(MMK) |
ミャンマーの治安についてよくある質問

-
ミャンマーは安全ですか?
いいえ。2021年のクーデター以降治安が不安定で、特にデモや暴力事件が頻繁に発生しているため、注意が必要です。
-
撮影行為は許されていますか?
国軍や治安施設、デモの撮影は禁止されており、違反すると拘束される可能性があります。
-
夜間の移動は安全ですか?
夜間の外出は避けるべきです。特に治安の悪い地域では危険が増します。
-
緊急時にどう対処すればいいですか?
緊急時には現地の大使館や領事館に連絡し、安全な場所に避難することを優先してください。
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ミャンマーへの渡航は治安情勢により慎重に検討しよう

ミャンマーでは2021年の軍事クーデター以降、政治・治安情勢が大きく変化し、非常に不安定な状況が続いています。ほとんどの地域で危険レベル2~3が設定されており、不要不急の渡航中止及び渡航中止勧告が発出されています。特に渡航中止勧告が出ている地域へは、どんな目的であれ渡航は中止してください。
ミャンマーの治安をチェックして、安全な旅を心がけましょう。
※現地の治安は状況により随時変動する場合があるため、渡航の際には必ず最新情報をご確認ください。

