
「エメラルドの大地」と称されるコロンビア共和国は、豊かな自然と多様な文化で旅人を魅了する国です。しかし、その美しい表情の裏には治安に対する懸念も隠れています。
この記事ではコロンビア現在の治安情勢を詳しく解説します。どのエリアに注意すべきか、また安全に旅行を楽しむためのポイントとは?ぜひ、ご参考になれば幸いです。
コロンビア現在の治安は危険レベル1~3

日本外務省は2024年10月現在、コロンビアの危険レベルを1~3に設定しています。レベル1は「十分注意」、レベル2は「不要不急の渡航中止」、レベル3は「渡航中止勧告」で、地域によって危険レベルが異なります。
現在、ペトロ政権は違法武装組織との和平交渉を進めていますが、組織間の抗争や内部の権力争いにより、治安情勢は安定していません。特に市から離れるほど治安当局の影響力が弱まり、犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。
テロの発生件数は減少傾向にありますが、誘拐や街頭犯罪は増加しています。特に銃器や刃物を使った強盗には注意が必要です。ボゴタやメデジンなどの大都市でも、窃盗や強盗が多発しています。観光客を狙った犯罪も報告されていますので、常に警戒が必要です。
※コロンビアの治安状況をリアルタイムで確認するには、外務省の海外安全ホームページを参考にするのがおすすめです。
コロンビアで治安を注意すべきエリア

危険レベル3:渡航は中止してください
主にアラウカ県、カウカ県西部、ナリーニョ県西部、ノルテ・デ・サンタンデル県北部が該当します。
これらの地域では、違法武装組織の活動や麻薬密売に関連した事件が頻発しており、殺人、誘拐、治安当局への襲撃など重大な犯罪が多発しています。
ベネズエラやエクアドルの国境に近い地域では、勢力争いやインフラ施設への破壊工作も発生しており、非常に危険です。このため、観光やビジネスなど、どのような目的であっても渡航は控えるべきです。
危険レベル2:不要不急の渡航は控えてください
カサナレ県北部、カウカ県東部、ナリーニョ県東部、メタ県の一部など、多くの地域がレベル2に指定されています。
これらの地域では、治安当局の影響力が弱く、違法武装組織の活動や麻薬密売、違法鉱山採掘が行われているため、犯罪やテロに巻き込まれる可能性が高くなります。
危険レベル1:十分注意してください
首都ボゴタやメデジンなど、主要都市の多くはレベル1に分類されています。
これらの都市では、治安当局の監視体制が整っているため比較的安全ですが、近年窃盗や強盗などの街頭犯罪が増加しているのも事実です。観光客を狙った睡眠薬強盗やスリの被害も報告されており、特に夜間の移動や混雑した場所では十分な注意が必要です。
コロンビアで巻き込まれやすいトラブル4つ

1.誘拐
コロンビアでは、違法武装組織や犯罪組織による誘拐事件が依然として発生しています。特に短時間で身代金を要求される「短時間誘拐」が多く、観光客も標的となることがあります。
対策ポイント:
- タクシーはアプリや信頼できる業者を利用し、流しのタクシーは避けましょう。
- 外出時には、派手な服装や高価なアクセサリーを避け、裕福に見える行動を控えましょう。
- 信頼できる人物とのみ行動し、単独行動は控えてください。
- 異変を察知した場合は、直ちに現地の警察または大使館へ連絡を取りましょう。
2.爆弾テロ
都市部や治安が不安定な地域では、テロ事件が発生することがあります。特に武装組織が活発な地域では治安当局やインフラ施設が攻撃対象となり、都市部の公共施設でもテロが起こり得ます。
対策ポイント:
- テロの標的になりやすい軍・警察施設、主要インフラ施設には近づかないこと。
- 宿泊施設やレストランでは、避難ルートを確認し、不審者や不審物を見かけたらすぐにその場を離れる。
- 爆発音を聞いた場合、パニックに陥らず伏せて頭部を保護し、低い姿勢で安全な場所へ移動しましょう。
3.強盗・窃盗
路上強盗や窃盗はコロンビア全土で日常的に発生しており、観光客が狙われることも少なくありません。犯人は複数人で武器を持ち犯行に及ぶことが多いため、抵抗は非常に危険です。
対策ポイント:
- 人が多い場所や観光地では、カバンやスマートフォンをしっかりと持ち、バッグは体の前に抱えるようにしましょう。
- 見知らぬ人に親しく声をかけられてもすぐには応じず、周囲に注意を払いましょう。
- もし強盗に遭遇した場合は、抵抗せず命を守ることを最優先にし、犯人の要求に従いましょう。
4.睡眠薬強盗
コロンビアでは、睡眠薬や薬物を使った強盗被害が発生しています。観光客が飲み物や食べ物に薬物を混ぜられ意識を失い、その隙に金品を盗まれる手口です。バーやレストランで親しく声をかけられた場合は、特に注意が必要です。
対策ポイント:
- 飲食物を注文したら、自分の目の前で開封されるように確認し、目を離さないようにしましょう。
- 見知らぬ人からの飲み物や食べ物の提供は断り、特に親しくなったばかりの人とは、安易に物を共有しないようにしましょう。
- 一人での外食や飲み会は避け、複数人で行動することを心がけてください。
コロンビアでの緊急時の対処法

コロンビアでの緊急連絡先一覧
| 項目 | 電話番号 |
| 警察 | 123 |
| 救急車 | 125 |
| 在コロンビア日本国大使館 | (市外局番601) 317-5001 |
盗難や置き引き被害にあった時に
もし現地で貴重品を盗まれてしまったら、まずは近くの警察に連絡し被害届を提出しましょう。被害届の控えは、後で保険請求や再発行手続きに必要になるので大切に保管してください。
コロンビアの防犯対策でおすすめのアイテム3選

1.海外旅行保険
コロンビアでは、スリや強盗、怪我など、予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。万が一の際に頼りになるのが、しっかりとした補償内容を備えた「海外旅行保険」です。
病院での医療費が高額になることや、盗難被害で大切な荷物を失った際の補償を受けることができます。また、保険によっては緊急時の日本語対応サービスや、現地でのトラブル解決をサポートする窓口もあり、安心して旅行を楽しめます。
2.eSIM
旅行中の安全対策に欠かせないのが、スマートフォンでの通信環境の確保です。eSIMとは、スマートフォンの中に内蔵された電子SIMカードのことを指し、SIMカードを差し替えることなく、旅行先で簡単に現地の通信プランを利用できる仕組みです。
日本で購入しておけば、コロンビアに到着してからわざわざSIMカードを買う手間も省けます。トラブル時に大使館への連絡もスムーズにできるので、緊急時の備えとしても最適です。
3.パスポートのコピーや連絡先のメモ
コロンビア旅行中、スリや置き引き、強盗に遭い、パスポートや貴重品を失うケースは決して珍しくありません。スマートフォンにデジタルコピーを保存し、同時に紙のコピーをバッグの中などに分けて持つと、万が一スマートフォンが盗まれた際にも安心です。
コロンビアの基本情報

人口
約5,209万人
宗教
カトリック
言語
スペイン語
レート
1コロンビア・ペソは0.035円(2024年10月現在)
時差
-14時間 ※日本より14時間遅い
ビザ
90日以内の観光、商用、親族訪問等、コロンビアで報酬を得ない活動目的で入国する場合、日本人は短期滞在査証の取得は必要ありません。
コロンビアへ行く前に最新治安情報をチェックしよう!

コロンビアは多彩な文化や美しい自然が魅力の国ですが、地域ごとに異なる治安状況には十分な注意が必要です。安全に旅を楽しむためには、事前に最新の治安情報を入手し、リスクの高いエリアの把握や安全対策を講じることが重要です。
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