バングラディシュは現在治安が悪化している?最新情報から渡航の注意点を解説

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執筆:shiones

バングラデシュは治安状況が悪化しており、近年日本政府による危険度が引き上げられました。

この記事では、2024年最新のバングラデシュの治安情報をまとめました。危険レベルの詳細や渡航する際の安全対策などを解説するので、バングラディシュへ渡航を検討している人はぜひ参考にしてください。

【バングラディシュの緊急連絡先】

場所電話番号
ダッカ警察署緊急:999
本部:955-9933または01713398311
病院
Dr. M. A. Wahab's Clinic (私立 ワハーブ・クリニック)
02-882-7553または885-5953
在バングラデシュ日本国大使館緊急:0961-0991094
電話番号:984-0010

【最新治安情報】バングラデシュ現在の危険レベルは「2」

バングラデシュ現在の治安の危険度は「レベル2」

治安の状況

日本外務省は2024年7月にバングラディッシュ全土の危険レベルを「2」に引き上げました。危険レベル2の意味は、「不要不急の渡航は止めてください。」に当たり、やむを得ない状況でない限りバングラディッシュへの渡航は推奨されません。渡航する場合には特別な注意を払うとともに、十分な安全対策が必要となります。

治安に影響を与える理由

バングラディシュの治安が危険レベル2であることにはいくつかの理由があります。

まず大きな理由としては、公務員採用におけるクオータ制度の抗議運動の激化です。2024年6月に高裁判所高等裁判部がクオータ制度の廃止を違憲としたことにより、抗議行動を行う学生団体と対立するその他の組織や治安機関等との間で衝突が起きました。衝突は複数の都市で起き、多数の死者が続出。2024年7月19日には政府による外出禁止命令が出ました。

その他には2019年から2020年にかけての過激派組織による爆弾テロや、チッタゴン(チョットグラム)丘陵地帯での少数民族の対立などが挙げられます

日本外務省による危険情報

地域危険レベル
・チッタゴン(チョットグラム)
・丘陵地帯(カグラチャリ県、ランガマティ県、バンドルボン県)
2(不要不急の渡航中止)
※近年危険レベルが引き上げられました。
上記の地域を除くバングラディシュ全土2(不要不急の渡航中止)
※継続的に危険情報が発出されています。

バングラディシュの地域別による治安情報

バングラディシュの地域別による治安情報

首都・ダッカ

バングラディシュの首都であるダッカの治安状況は、2024年6月に公務員採用のクオータ制度廃止が最高裁判所によって違憲とされたことを受け、激化しています。7月以降、学生団体によるデモや交通封鎖が全土で行われており、交通の混乱が続いています。

また、2016年7月には武装グループにより日本人7名を含む20名以上が殺害されるダッカ襲撃テロ事件が発生するなど、治安当局関係者等が標的となるテロ事件が相次いで発生しています。

チッタゴン丘陵地帯(カグラチャリ県、ランガマティ県、バンドルボン県)

チッタゴン丘陵地帯は、南東部でインドとミャンマーに接し、100万人以上の仏教系少数民族が住んでいます。1997年の和平協定以降、抗争は鎮静化しましたが、民族対立は未解決のままです。依然として散発的な抗争が発生しており、治安情勢は不透明です。

コックスバザール

コックスバザールでは、ミャンマーから避難した約97万人がキャンプに滞在しています。キャンプ内ではギャング同士の抗争が報じられ、過激派組織の影響が懸念されています。また、キャンプ周辺では避難民の流入による賃金下落や物価上昇が地元住民の不満を引き起こしています。

2023年にはリーダーの殺害事件や誘拐、麻薬摘発が発生し、ロヒンギャ救世軍(ARSA)の関与が疑われています。このため、治安状況は依然として不安定です。

治安が悪化しているバングラディシュでの安全対策

バングラディシュでの犯罪と身を守るための注意

テロや一般犯罪が発生

2019年から2020年にかけて、治安当局を狙った爆弾テロがいくつか発生しました。また、2023年にはバングラデシュに新しい過激派組織が確認されるなど、テロの脅威はまだ残っています。さらに一般犯罪においても発生件数は年々増加している傾向にあります。観光客が被害に遭いやすい犯罪としては、誘拐、殺人、強盗で、人的被害を受ける例も多発しています。

犯罪防止のために注意すること

  • 目立たないように行動する
  • 夜は外に出歩かない
  • 手荷物は絶対に離さない
  • 不審者や車両に十分注意する
  • 外国人が多く集まる場所や公共施設などには長時間滞在しない
  • 宗教行事や大規模イベントがある際は不要不急の外出を控える

バングラディシュでの緊急時の連絡先

バングラディシュでの緊急時の対処法

万が一トラブルに巻き込まれた場合

万が一トラブルに巻き込まれた場合、または巻き込まれそうな場合は、最寄りの警察署またはバングラディシュの緊急ダイヤル「999」に通報しましょう。言葉が通じない場合は、周りにいる信用できる人に頼って落ち着いて対応しましょう。

緊急連絡先一覧

バングラディシュで犯罪に巻き込まれた際や怪我をした場合、以下の連絡先も活用できます。大使館ではパスポートを紛失・盗難の際にサポートしてもらえることもあるので、確認しておきましょう。

場所電話番号
ダッカ警察署緊急:999
本部:955-9933または01713398311
病院
Dr. M. A. Wahab's Clinic (私立 ワハーブ・クリニック)
02-882-7553または885-5953
在バングラデシュ日本国大使館緊急:0961-0991094
電話番号:984-0010

治安が不安定なバングラディシュ渡航前にチェックするべきこと

バングラディシュ渡航前にチェックするべきこと

バングラディシュは現在治安が危険レベル2に設定されており、不要不急の渡航は推奨されていません。しかしやむを得ず渡航する場合は、以下の点に留意しましょう。

治安情報の確認

渡航予定地域の治安状況を事前に調査し、特にリアルタイムでデモや抗議行動が発生している場合は注意が必要です。外務省や現地のニュースをチェックしましょう。

たびレジに登録

バングラディシュ渡航の際は、家族や友人、職場に日程や連絡先を伝えておくことが重要です。また3か月以上滞在する場合は、在バングラデシュ日本国大使館に在留届を提出してください。3か月未満の旅行や出張の場合は、最新の安全情報を確認し、緊急時に大使館から連絡を受け取るために外務省の「たびレジ」に登録しましょう。

治安悪化傾向のバングラディシュで安全を守るためのアイテム3選

やむを得ずバングラディッシュへ渡航する場合は、しっかりと安全対策をしましょう。ここでは、バングラディッシュで安全を守るための3つのアイテムを紹介します。

1.海外旅行保険

1.海外旅行保険

バングラディシュへ渡航する際は海外旅行保険への加入を強くおすすめします。海外での医療費は高額になることが多く、思わぬ出費を防ぐことができます。また、医療費だけでなく荷物の紛失や盗難、航空機の遅延などのトラブルにも対応できます。

クレジットカードに付帯している海外旅行保険もありますが、補償内容を確認し、必要に応じて追加の保険に加入しましょう。

2.パスポートのコピーや連絡先のメモ

2.パスポートのコピーや連絡先のメモ

バングラディシュでもしもの時に役に立つのが、パスポートのコピーや連絡先のメモ。万が一パスポートを失くしたときにコピーがあればスムーズに再発行の手続きができるでしょう。コピーするのは顔写真と住所欄の2枚です。連絡先のメモは、インターネットが使えない場合の緊急連絡先の確認に対応できます。

3.インターネット接続できるデバイス

3.インターネット接続できるデバイス

バングラディシュでは常時ネットに接続していれば、目的地を確認したり何かあった場合に連絡したりできるので、必須のアイテムと言えるでしょう。インターネット接続のためのデバイスは、Wi-Fi、SIMカード、eSIMとさまざまな選択肢があるので、予算や日数に合わせて選びましょう。

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バングラディシュの基本情報

バングラディシュの基本情報

バングラデシュは1947年と1971年の二度の独立を経て誕生しました。1971年の独立後、国父ムジブル・ラーマンの下で国造りが進められましたが、1975年にクーデターが発生し、長期にわたる軍政が敷かれました。1990年に民主化が進み、以降は二大政党が政権を担っています。

2009年からのアワミ連盟政権は「ビジョン2021」などの政策を掲げ、国の発展を目指しています。しかし、イスラム過激派の活動や外国人襲撃事件が増加し、2016年にはダッカでテロ事件が発生。最近では学生による抗議活動があり、ハシナ首相が辞任しました。また、ミャンマーからの難民流入が続き、約96万人が国内に避難しています。

基本情報
首都ダッカ
人口約1億6,000万人
公用語ベンガル語
宗教イスラム教(約91%)、その他(約9%)
通貨タカ(BDT)
政体共和制

バングラディシュの治安についてよくある質問

バングラディシュの治安についてよくある質問
  • バングラデシュは安全ですか?

    バングラディシュの現在の治安の危険度は「レベル2」で、不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに、十分な安全対策が必要となります。


  • 女性が1人で旅行するのは安全ですか?

    女性の1人旅では夜間の外出は避けましょう。また、露出の少ない服装や目立たない行動をするのが良いでしょう。


  • テロの脅威はありますか?

    過去には治安当局関係者等が標的となるテロ事件が相次いでいます。公共の場では警戒を怠らない方が良いでしょう。


  • 治安情報はどこで確認できますか?

    外務省や各国の政府の旅行安全情報を確認することが重要です。

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バングラディシュへ渡航する際は治安情報を確認しよう

バングラディシュへ渡航する際は治安情報を確認しよう

バングラディシュは2024年7月に「不要不急の渡航は止めてください。」の意味を持つ危険レベル「2」に引き上げられました。そのため、やむを得ない状況でない限りバングラディシュへの渡航は推奨されません。渡航する場合には特別な注意を払うとともに、十分な安全対策をしましょう。

現地では出来るだけ目立たないように行動したり、夜間の外出を避けましょう。また、デモやテロに巻き込まれないために人混みを避けたり、公共施設に長時間滞在しないことも大切です。

バングラディシュの治安をチェックして、安全な旅を心がけましょう。

※現地の治安は状況により随時変動する場合があるため、渡航の際には必ず最新情報をご確認ください。

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