
年末の中国旅行を計画しているけれど、
現地のクリスマスは日本と同じように楽しめるのか、お店は営業しているのか不安に思っていませんか?
中国のクリスマスは恋人の日としての側面が非常に強く、平安を願って「リンゴ」を贈るなど、
日本やお祝いの本場である欧米とは全く異なる独自の文化として定着しています。
中国においてクリスマスは公的な祝日ではないため、家族で静かに過ごす宗教的な行事としてではなく、
若者を中心としたショッピングやデート、豪華なイルミネーションを楽しむ一大エンターテインメントイベントとして発展しています。
この記事では、中国のクリスマスシーズンの現地の習慣やイルミネーションスポットなどを紹介。
中国ならではの、熱気あふれるクリスマスの夜を120%楽しむための参考にしてくださいね。
中国のクリスマスは日本と異なる

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中国のクリスマスには、日本とはまったく違うユニークな文化が根づいています。
最大の特徴は、「平安果」と呼ばれるリンゴを贈る習慣と、バレンタインデーのような「恋人の日」としての盛り上がりです。
この2つの特徴を知ることで、現地の不思議な光景の意味がわかり、中国ならではの過ごし方が見えてくるでしょう。
まずは、中国独自のクリスマス文化の全体像について解説します。
平穏を願ってリンゴを贈る習慣がある
なぜ中国では、クリスマスにリンゴを贈るのでしょうか。
その理由は、中国語ならではの「言葉遊び」にあります。
中国語でクリスマス・イブは、「平安夜(ピンアンイエ)」と呼ばれます。
そして、リンゴは「苹果(ピングオ)」といいます。
この2つの言葉の発音が似ていることから、
イブに食べるリンゴを「平安果(ピンアングオ)」と呼ぶようになりました。
つまり、平穏や無事を願う縁起物として定着したのです。
このシーズンには友人や恋人、家族にリンゴを贈り、これからの1年の無事を祈ります。
また、この時期になると、街中のいたるところで「平安果」が売り出されます。
スーパーやコンビニの店頭には、色とりどりの紙や箱で包まれたリンゴが並びます。
なかには、メッセージが刻印されたものや、豪華な化粧箱入りのものも珍しくありません。
値段はさまざまですが、高級なものだと1個で60元(約1,200円)を超えることもあります。
バレンタイン並みに重要な「恋人の日」
中国のクリスマスは、日本以上にカップルのためのイベントという文化が濃厚です。
家族で静かに過ごす日という欧米の感覚とも異なり、街中がデートを楽しむ若者であふれかえります。
イブの夜は、街の映画館やレストランはカップルで満席になります。
特に人気なのは、火鍋店や洋食レストランです。
寒さをしのぎながら温かい鍋を囲んだり、普段より少しぜいたくな食事を楽しんだりするのが定番のスタイル。
人気店は数日前から予約で埋まり、当日は2時間待ちになることも珍しくありません。
そのため、もしこの時期に旅行へ行くなら、食事場所の確保は最優先事項です。
中国のクリスマスは祝日ではない

中国において、クリスマスは公的な祝日(法定休日)ではありません。
基本的には平日として扱われ、学校や会社もカレンダー通りに稼働しています。
しかし、祝日ではないからといって盛り上がらないわけではなく、夕方の退勤時間以降に爆発的な賑わいを見せるのが特徴です。
ここでは、平日としてのクリスマスの実態と、それがイベントの盛り上がりにどう影響しているのかを解説します。
学校も会社も通常営業
旅行の計画を立てる際、現地のカレンダーを把握しておくことは重要です。
「祝日だと思って行ったら、朝のラッシュに巻き込まれた」という事態を避けるためにも、平日の動きを知っておきましょう。
中国では、12月25日は普通の日で、学生は学校へ行き、社会人は会社へ出勤します。
そのため、日中の観光地やショッピングモールは比較的落ち着いていますが、夕方の帰宅ラッシュ時は大変混雑します。
特に大都市では、午後5時から7時頃にかけての移動は避けたほうが無難です。
タクシーや配車アプリも捕まりにくくなるため、移動時間は余裕を持って見積もっておく必要があります。
【関連記事】中国の祝日一覧カレンダー!春節・国慶節などの大型連休とは
宗教色よりもショッピングとデートの日
中国のクリスマスは商業的なイベント色が非常に強いです。
デパートでは年末商戦と重なった大規模なセールが行われ、若者たちはデートや友人との食事を楽しみます。
街中のイルミネーションや装飾は豪華ですが、それはあくまで集客や賑やかしのためのものです。
深い意味を考えずに、キラキラした雰囲気を純粋に楽しむのが、中国流のクリスマスの過ごし方といえるでしょう。
中国でクリスマスにイルミネーションを見れるスポット
中国の都市部では、クリスマスシーズンになると世界レベルの壮大なイルミネーションが楽しめます。
特に「上海」「北京」「広州」の3大都市では、それぞれの街の特徴を活かした個性的なライトアップが行われるのが魅力です。
歴史的な建築物と光の融合や、最新技術を駆使した巨大アートなど、見どころは尽きません。
ここでは、中国旅行で絶対に外せない、最高峰のイルミネーションスポットを厳選して紹介します。
外灘と新天地のラグジュアリーな装飾|上海

上海外滩华尔道夫酒店呈现北欧圣诞村_旅游资讯
上海のクリスマスを味わうなら、まずは歴史と現代が交差する「外灘(ワイタン)」と「新天地」へ足を運びましょう。
ここでは西洋の歴史的建築群と豪華な装飾が融合した、大人のための夜景が広がっています。
外灘では、租界時代のレトロな建物が黄金色にライトアップされ、対岸の近未来的な高層ビル群とのコントラストを楽しめます。
一方、新天地では高級ブランドとコラボレーションした洗練されたツリーやオブジェが登場し、街全体が美術館のような空間に。
ロマンチックな散歩を楽しみたいカップルには、最適なスポットといえるでしょう。
上海ディズニーのクリスマスファンタジー|上海

Winter Magic|上海迪士尼冬日奇幻巡游Shanghai Disneyland winter ...
夢のような世界観に浸りたいなら、上海ディズニーリゾートは外せません。
この時期だけの特別なパレードや装飾は、訪れるすべての人を魔法の世界へと誘います。
パーク内には高さ約20mの巨大なクリスマスツリーが登場し、夜には音楽に合わせた点灯式が行われます。
また、「ミッキー・アベニュー」では人工の雪が舞い散る演出もあり、雪の少ない上海でもホワイトクリスマスの気分を味わえますよ。
圧倒的な非日常感を体験したい方は、ぜひプランに組み込んでみてください。

三里屯太古里の巨大アートツリー|北京

三里屯太古里
北京で最もトレンドが集まる場所、三里屯太古里も見逃せません。
ここは単なるイルミネーションではなく、アート性の高い現代的な装飾が見られることで有名だからです。
毎年、世界的な高級ブランドやアーティストとコラボレーションを行い、
斬新なデザインの巨大ツリーやインスタレーションを設置しています。
伝統的なツリーの概念を覆すようなユニークな展示は、SNS映えも抜群です。
天河エリアのショッピングモール・ライトアップ|広州

中国南部の商業都市、広州の天河エリアでは、都市の熱気を感じるダイナミックな光景が広がります。
このエリアには大型ショッピングモールが密集しており、各施設が競い合うように豪華な装飾を施しています。
主要モール前には、独創的なテーマのオブジェや光の回廊が出現します。
温暖な広州では、夜でも寒さを気にせず屋外のイルミネーションをゆっくり鑑賞できるのがメリットです。
ショッピングの合間に、煌びやかな街並みを散策するのがおすすめの過ごし方です。
中国カフェ&スーパーのクリスマス限定グッズ
中国旅行のお土産選びで迷ったら、カフェやスーパーを覗いてみてください。
この時期にしか手に入らない、クリスマス限定デザインのグッズやお菓子が豊富に揃っているからです。
中国発の人気チェーン店や地元スーパーには、ユニークで可愛いアイテムがあふれています。
ここでは、自分用からバラマキ用まで、現地でチェックすべきおすすめの限定アイテムを紹介します。
瑞幸珈琲の限定カップと冬ドリンク

引用:SOHO
中国ならではのカフェ体験をしたいなら、「瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)」は外せません。
中国国内でスターバックスを超える店舗数を持つ、最大手のコーヒーチェーンです。
街中のいたるところに店舗があり、観光の合間に気軽に立ち寄れるのが魅力。
クリスマスシーズンには、カップや紙袋が限定デザインに切り替わります。
トナカイやサンタクロースをモチーフにしたポップなイラストは、写真映えも抜群です。
また、冬限定のフレーバーラテや、オリジナルグッズが販売されることもあります。
日本未上陸のブランドなので、コーヒー好きの友人へのお土産や、旅の記念にぴったりです。
スーパーで探す「クリスマス限定パッケージ」のお菓子
会社や学校へのバラマキ土産を探しているなら、現地のスーパーマーケットが最強の味方です。
見慣れたお菓子の中国限定バージョンが、手頃な価格で手に入ります。
特に注目したいのは、ポッキーやプリッツ、レイズのポテトチップスなどの有名ブランド。
この時期になると、雪の結晶やツリーが描かれた冬限定パッケージが登場します。
さらに、中国ならではのフレーバー(麻辣味や火鍋味など)と組み合わせれば、話題性も十分です。
1つ数百円程度で購入できるため、予算を気にせず大量に購入できるのも嬉しいポイントですね。
クリスマスシーズンの中国旅行の注意点

クリスマスシーズンの中国旅行には、普段とは異なる特別な注意点がいくつかあります。
宗教施設の入場規制やレストランの激しい混雑、移動手段の確保など、知っておくべきポイントは主に3つです。
これらを事前に把握しておかないと、「教会に入れない」「夕食が食べられない」「ホテルに帰れない」というトラブルになりかねません。
快適な旅にするために、現地のリアルな事情と具体的な対策を解説します。
ミサは見学できる?
クリスマスの本来の姿であるミサに参加、あるいは見学したいと考えている方もいるでしょう。
しかし、中国の教会でのクリスマスミサは、誰でも気軽に入れるわけではありません。
特に上海の「徐家匯天主堂(徐家匯カテドラル)」のような有名な教会では、当日は非常に厳重なセキュリティ管理が行われます。
多くの教会で信者が優先され、一般観光客には「入場チケットの事前予約」や「パスポート等の身分証提示」が求められるケースがほとんどです。
確実に見学したい場合は、教会の公式サイトや現地の掲示板で、
数週間前から最新情報をチェックするようにしてください。
ディナーは混雑するので予約必須
クリスマスイブや当日の夜、予約なしで人気レストランに入ろうとするのは無謀といえます。
前述のとおり、中国では「恋人の日」として定着しているため、雰囲気の良い洋食店や火鍋店はカップルで埋め尽くされるからです。
せっかくの旅行で、寒いなかレストランを探して歩き回る事態は避けたいところ。
そこで活用してほしいのが、中国版食べログとも呼ばれる口コミアプリ「大衆点評(ダージョンディエンピン)」です。
このアプリを使えば、お店の評価を確認できるだけでなく、空席確認や予約までスムーズに行えます。
人気店を狙うなら、少なくとも1週間前、できれば2週間前には予約を完了させておくのが確実です。
配車アプリ「DiDi」をダウンロードしておこう
クリスマスシーズンの夜、特にイルミネーションスポット周辺では、流しのタクシーを捕まえるのは至難の業です。
多くの人が出歩くため、空車がまったく見つからない状況が頻発します。
そこで、中国旅行の必須ツールである配車アプリ「DiDi(滴滴出行)」を、日本にいる間に準備しておくのがおすすめです。
DiDiがあれば、行き先をアプリで指定することや、料金を事前に確認できるのでタクシートラブルも回避できます。
また、Alipay(アリペイ)やWeChat(ウィーチャット)の中にあるミニプログラムからも利用できます。
混雑時は配車も待ち時間が発生するため、帰りの車は早めに手配することをおすすめします。
中国のクリスマスに関するよくある質問
中国でクリスマスのお祝いは規制されているって本当?
一般的な旅行者が観光やショッピングを楽しむ分にはまったく問題ありません。
政治的な活動や無許可の集会などをしない限り、観光客が規制の影響を感じることはまずないでしょう。お店や観光地は休みになりますか?
お店や観光地が休みになることは、基本的にありません。むしろ、デパートやレストランにとっては1年で最も忙しい「書き入れ時」にあたります。
多くのショッピングモールでは営業時間を延長し、深夜までイベントを開催することもあります。クリスマスの移動で気をつけることはありますか?
もっとも注意すべきなのは、夕方から夜にかけての深刻な交通渋滞です。特にイルミネーションスポット周辺では、車が数十分動かないことも珍しくありません。
そのため、長距離の移動や時間の決まっている予定(空港への移動など)がある場合は、地下鉄を利用するのが良いでしょう。12月の中国の気温と服装は?
中国は国土が広いため、訪れる都市によって気候が劇的に異なります。目的地に合わせた服装準備が必須です
【関連記事】中国の12月の気温は寒い?上海・北京・広州・大連・深セン・杭州・南京の服装
中国のクリスマスは熱気あふれる独自の一大イベント

中国のクリスマスは、西洋とも日本とも異なる独自の進化を遂げた、エネルギーに満ちたイベントです。
「平安果」を贈る温かい習慣や、世界最大級のスケールを誇るイルミネーションは、
実際に現地を訪れた人だけが味わえる特別な体験といえるでしょう。
最後に、本記事で紹介した現地を楽しむためのポイントを振り返ります。
- 独自の文化:イブには「平安果(リンゴ)」を贈り、恋人とロマンチックに過ごす
- 見どころ:上海・北京・広州の豪華なイルミネーションや限定グッズを楽しむ
- 注意点:レストランは「大衆点評」で予約し、移動は地下鉄や「DiDi」を活用する
これらのポイントを押さえておけば、混雑や文化の違いに戸惑うことなく、中国ならではのきらびやかな夜を心ゆくまで満喫できるはずです。
ぜひ万全の準備を整えて、一生の思い出に残る素敵なクリスマスシーズンをお過ごしください。



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