
江南水郷の風情が今も色濃く残る「平江路(へいこうろ)」は、蘇州でも最も人気のある歴史街道のひとつ。石畳の小道に白壁と黒瓦の家々が連なり、そばを流れる運河には手こぎ舟がゆったりと行き交います。歴史と文化が織りなすこの街では、蘇州評弾や剪紙、昆曲などの伝統芸能にも触れることができ、まるで絵巻物の中に迷い込んだような時間を過ごせます。初めての蘇州旅行にもぴったりの観光エリアです。
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平江路とは?

平江路は、中国・蘇州市の姑蘇区北東部に位置する最も歴史が深く、古都・蘇州の風情を色濃く残す歴史文化保存地区です。その歴史はなんと約2500年にもおよび、「水路と街路が並行し、川と道が隣り合う」という江南水郷特有の街並みが、現在もほぼそのまま残されています。
通りの名前は、隣を流れる平江河にちなんでおり、街並みや河道の構造は唐や宋の時代からの都市レイアウトを今に伝えています。石畳の小道、白壁に黒瓦の家並み、小さな石橋とゆったり進む手漕ぎ船——ここには絵巻物のような江南の風景が広がっています。
平江路は年中無休・入場無料で自由に散策可能。ただし、評弾(語りと歌の伝統芸能)や剪紙(切り絵)、昆曲などの文化体験は別途料金が必要です。
平江路へのアクセス

平江路へは、地下鉄・バス・タクシーのいずれでもアクセスが簡単です。
地下鉄:蘇州地下鉄1号線または6号線に乗り、「臨頓路駅」で下車。5番出口を出て、そこから徒歩約800メートル(10分ほど)で平江路に到着します。
バス:市内を走るバス40番・5番などを利用すれば、平江路周辺まで行くことができます。
タクシー:蘇州駅から平江路まではタクシーで約15分、料金は12〜18元(約250〜350円)程度。
平江路で蘇州評弾をぜひ体験してみてください

水の都・蘇州を歩いていると、どこからかふんわりと聞こえてくる柔らかな語りと、三弦や琵琶の繊細な音色。それが、蘇州の伝統芸能「蘇州評弾(すうしゅうひょうだん)」です。
二人の語り手によって紡がれる物語は、蘇州方言の美しい響きにのせて、まるで詩を聴いているかのよう。言葉が分からなくても、その声の抑揚や間合い、表情豊かな演技から、自然と物語の世界へ引き込まれていきます。
語られる内容もさまざまで、歴史上の英雄譚から切ない恋愛、家族の絆まで──笑いと涙が交錯する時間は、旅の途中で心を癒してくれる特別なひとときになるはず。
観光の合間や夜のひとときに、評弾を聴きながらお茶を一杯。そんな静かな時間の中に、蘇州という町の奥深い魅力が詰まっています。
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評弾劇場の一般チケットは、当日19:30まで購入OK&予約後すぐ使える電子チケット。Trip.comの予約番号を提示するだけで入場可能で、引き換えの手間も不要です。大人も子どもも同一料金で利用でき、使用前ならいつでも無料キャンセル可能なので安心して予約できます。
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平江路の見どころ

平江路を歩くなら、歴史的な庭園や城壁、ローカル市場、評弾体験など見どころ満載で、ただの散策ではもったいないエリアです。風情ある小道を歩きながら、蘇州の魅力を五感でじっくり味わってみましょう。
平江文化センター(旧・昭慶寺)
古刹・昭慶寺をリノベーションして誕生した文化交流施設で、地元の人々や観光客に親しまれています。ここの魅力はなんといっても「蘇州評弾(ひょうだん)」の生演奏。中国語が分からなくても心に響く音色と語りが体験でき、お茶のサービス付きというお得感も。
アクセス: 平江路歴史街区内、散策の途中で立ち寄りやすいロケーションです。
耦園(ぐうえん)
蘇州の古典園林の中でも、特にロマンチックな場所として知られる耦園。300年以上の歴史を誇り、「耦」は夫婦の「佳偶」に由来し、園内の回廊や池、建物の配置にはすべて“ペア”の意味が込められています。左右対称の美しい造りや、情緒あふれる山水風景は、訪れる人の心をそっと癒してくれるはず。比較的空いている穴場的な存在で、静かに庭園を味わいたい方にぴったりです。
アクセス: 平江路から大柳枝巷を約400メートル、徒歩5分ほど。
相門古城壁
かつての蘇州城を守った八大城門のひとつで、古代の武将・干将が剣を鍛えたという伝説も残る由緒ある門。城壁に登ると、古都ならではの街並みが眼下に広がり、蘇州の歴史の息吹を感じることができます。さらに南側には「蘇州城壁博物館」も併設されており、古代都市の防衛構造や建築技術について学ぶことができます。
アクセス: 平江路から徒歩約15分。
双塔市集(そうとうししゅう)
蘇州の地元グルメと雑貨が一堂に集まる、活気あふれるローカル市場。清潔感のある屋台エリアには、伝統菓子やスパイス香る軽食、老舗のアヒル肉専門店など、観光と食べ歩きが一度に楽しめる工夫が満載。週末には多くの若者や家族連れでにぎわい、SNS映えするフードも人気。
アクセス: 平江路から徒歩約10分。
定慧寺(ていけいじ)
唐の時代に創建された歴史ある仏教寺院で、宋代には大きな発展を遂げました。文豪・蘇東坡(蘇軾)も滞在したと伝えられており、古代文人たちの精神が今も息づく空間です。境内には古木が茂り、時の流れを静かに語るような落ち着いた雰囲気が漂います。喧騒から少し離れて、心を静めたいときにぴったりのスポットです。地元の人々の参拝姿も見られ、文化と信仰の深さを感じられます。
アクセス: 平江路歴史街区の南端、徒歩約10分。
平江路のおすすめ観光ルート
臨頓路駅 → 碑亭入口 → 平江文化センター → 手こぎ舟体験 → 東園 → 耦園 → 相門古城壁 → 双塔市集 → 定慧寺
平江路のおすすめグルメ4選

地元の人たちに愛される人気店や、観光の合間にぴったりな絶品ローカルグルメをご紹介します。
1. 山海焗蘇州家常菜|本場の家庭料理をリーズナブルに
本格派の蘇州家庭料理を気軽に楽しめる一軒。甘すぎない味付けで、観光客にも人気。
おすすめ料理
- 太湖エビ(大ぶりでぷりぷり)
- アヒル舌煮込み(濃厚な旨味)
- 松鼠桂魚(甘酸っぱい定番名物)
- 豚足&鶏足の土鍋煮込み(ご飯が止まらない!)
- 蘇州式混ぜご飯
平均予算: 約70元
場所: 平江路付近
2. 囍老板熱炒飯店(観前街)|夜遅くまで営業する地元人気食堂
夜まで営業している貴重なローカル飯店。屋台風の雰囲気で、まるで地元民のように食事を楽しめます。
おすすめ料理
- 蒸しスペアリブ(ホロホロ柔らか)
- カエルとアヒル舌の土鍋(旨味凝縮)
- 梅干菜入り手羽元(甘辛くてクセになる)
- 土釜腸詰(香ばしさがたまらない)
- 魚膠と鶏の煮込み(滋養たっぷり)
平均予算: 約60元
場所: 観前街エリア
3. 双塔市集の屋台グルメ|SNSでも話題のローカル市場
レトロモダンな雰囲気の中で、食べ歩きを楽しめる人気スポット。女子旅にもぴったり!
おすすめ料理
- 芋泥もち団子(もっちり甘い)
- 酒粕とハスの実入り甘スープ(香り豊か)
- 焼き小籠包(皮パリ中ジューシー)
平均予算: 20~30元
場所: 平江路から徒歩圏内の双塔市集内
4. 蘇外婆·蘇帮菜(白塔東路)|地元民が通う本格蘇州料理店
江南らしいしっとりとした雰囲気の中で、蘇州の伝統料理を存分に味わえます。家族旅行やグループ旅行にぴったり!
おすすめ料理
- 松鼠桂魚(ふっくら揚げ魚+甘酢あん)
- 紅焼肉(とろける甘辛豚肉)
- 蟹味噌豆腐(秋の名物)
- 干鍋インゲン豆(ご飯がすすむ逸品)
- 紅豆梅花ケーキ(食後の甘味に)
平均予算: 60~80元
場所: 白塔東路308号(中国銀行西側)
平江路周辺のおすすめ観光スポット

平江路の散策と合わせて訪れたい、周辺の人気観光スポットを厳選してご紹介します。
1. 蘇州博物館
世界的建築家イオ・ミン・ペイが手がけた美術館で、伝統的な江南建築とモダンな幾何学デザインが見事に融合。白壁と黒瓦の落ち着いた外観に、自然光を取り入れた洗練された空間はまるでアートの一部。館内には貴重な青銅器や書画、陶磁器などが展示されており、中国の歴史と芸術にじっくり触れられます。隣接する歴史建築「忠王府」も必見です。
アクセス: 平江路から徒歩約10分
住所: 蘇州市姑蘇区東北街204号
関連記事:蘇州博物館の本館&西館完全ガイド|見どころ・アクセス・予約方法
2. 拙政園
中国四大名園の一つで、蘇州を代表する古典庭園。池を中心に、築山や楼閣、竹林が巧みに配置され、どの角度から見ても絵になる風景が広がります。特に春の花々や秋の紅葉との調和は見事で、静けさと美しさに癒されます。園内には古建築や文人画の展示もあり、芸術好きにもおすすめ。
アクセス: 平江路から徒歩約15分、またはバス(遊1・遊2・遊5・55・178・202・309)利用
住所: 蘇州市姑蘇区東北街178号
関連記事:拙政園チケット&ツアー観光ガイド!おすすめスポット3選
3. 狮子林(ししりん)
迷路のように入り組んだ奇岩「假山(かざん)」が特徴の、遊び心あふれる古典庭園。名前の由来にもなっている「九獅峰」と呼ばれる獅子の形をした岩山は迫力満点で、子どもから大人まで楽しめる探検スポットです。池や回廊も美しく、岩の間を抜けながらさまざまな風景が現れるのが魅力。庭園内の建築も見応えがあり、庭園文化の奥深さに触れられます。
アクセス: 平江路から徒歩約10分/地下鉄6号線「拙政園蘇博」駅1号出口から徒歩約600m
住所: 蘇州市姑蘇区園林路23号
4. 耦園(ぐうえん)
江南水郷の情緒を感じられる、静かな隠れ家のような古典庭園。小川に沿って広がる敷地は、東西に分かれた左右対称の構造で、夫婦円満を象徴する庭園としても知られています。建物と自然が一体となった景観はとても落ち着いており、観光客が比較的少ないため、ゆったりとした時間を過ごしたい方に最適。四季折々の草花も美しく、散策にもぴったりです。
アクセス: 平江路から徒歩約15分/地下鉄1号線「相門」駅から徒歩約12分
住所: 蘇州市姑蘇区小新橋巷6号
5. 観前街
蘇州を代表するにぎやかな商店街で、地元グルメやお土産探しに最適なスポット。伝統的な建物が並ぶ通りには、老舗の薬局やお茶屋、人気スイーツ店などが軒を連ね、散策しながら食べ歩きを楽しめます。夜にはライトアップも美しく、にぎやかながらもどこかレトロな雰囲気が漂います。
アクセス: 平江路から徒歩約15分/地下鉄1号線「楽橋」駅から徒歩約5分
住所: 蘇州市姑蘇区観前街
平江路観光の注意点・便利情報

平江路の街歩きをもっと楽しむためには、ちょっとした準備とコツが大切。
1️⃣ 歩きやすい靴で出かけよう
平江路は石畳の小道やアップダウンのある細い路地が多く、ヒールのある靴では歩きにくい場面も。スニーカーやクッション性のあるフラットシューズなど、長時間の散策でも疲れにくい履き物を選ぶのがおすすめです。快適な足元で、街歩きをもっと楽しみましょう。
2️⃣ 折りたたみ傘は必需品
蘇州の天気は変わりやすく、突然の雨に備えて折りたたみ傘を持っておくと安心です。夏場は日差しも強いため、晴雨兼用タイプがおすすめ。あわせて日焼け止めや帽子、サングラスも用意しておくと、快適に観光ができます。
3️⃣ 路地裏で“リアルな蘇州”に出会う
平江路本通りも風情がありますが、脇道や小さな支路にこそ、昔ながらの蘇州の暮らしが色濃く残っています。気になる横道にはぜひ足を踏み入れてみてください。小さな茶店や骨董店、住民の営みが感じられる風景に出会えるかもしれません。
4️⃣ スタンプで旅の思い出を残そう
平江路の南端にある観光案内所では、旅の記念にぴったりなオリジナルスタンプを押すことができます。スタンプ帳やノートにぺたりと押せば、蘇州の思い出がさらに特別なものに。お子さま連れの旅にもおすすめです。
平江路観光ならTrip.comがおすすめ

歴史と水の都・蘇州の魅力をぎゅっと詰め込んだ平江路は、ただ歩くだけでは味わい尽くせない奥深さがあります。情緒あふれる街並みと、人々の暮らしが息づく路地の風景、心に響く伝統芸能──どれもがあなたの旅に温かい彩りを添えてくれるはずです。次の蘇州旅行では、ぜひ平江路へ。
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