
トルコにはイスタンブールやカッパドキアをはじめ、日本人に人気の観光都市がたくさんあります。
アジアとヨーロッパが交差する独特の文化が魅力的なトルコですが、現地での治安も気になるところ。
この記事では、2025年最新のトルコの治安情報をまとめました。
治安の悪い地域や渡航する際の安全対策などを解説するので、トルコ旅行を検討している人はぜひ参考にしてくださいね。
トルコでの緊急連絡先一覧
| 連絡先 | 電話番号 |
| トルコ緊急電話 (警察、交通警察、ジャンダルマ、救急車、火災、沿岸警備隊) | 112 |
| 在トルコ日本国大使館 | 0312-446-0500 |
| 在イスタンブール日本国総領事館 | 0212-317-4600 |
トルコは地域により治安状況が大きく異なる

レベル4(退避勧告)
- シリアとの国境地帯
レベル3(渡航中止勧告)
- ディヤルバクル県及びイラクとの国境地帯
レベル2(不要不急の渡航は止めてください。)
- ハッカーリ県
- シュルナク県
- ハタイ県
- キリス県
- ガジアンテプ県
- シャンルウルファ県
- マルディン県の一部(シリア又はイラクとの国境地帯を除く)
レベル1(十分注意してください。)
- イスタンブール県
- 東部11県(トゥンジェリ、エラズー、ビンギョル、ムシュ、ビトリス、ヴァン、ウードゥル、カルス、アール、エルズルム、エルジンジャン)
- 南東部5県(バトマン、シールト、アドゥヤマンの全域)
- ガジアンテプ、シャンルウルファの県都以北
外務省の危険情報によると、トルコは地域により治安状況が異なり、それぞれの危険レベルに差があります。
そのため、滞在予定の地域がどの危険レベルに設定されているかを事前にチェックしましょう。
例えば、日本人観光客に人気のイスタンブールはレベル1が発出されています。
これは十分な注意を促すもので、旅行を控えるほどではないものの、スリや置き引きなどの軽犯罪や突発的なデモ活動には注意が必要です。
気球が有名なカッパドキアでは危険レベルは発出されていませんが、イスタンブールと同様に軽犯罪には警戒しましょう。
シリアやイラクなどの国境付近では、最大で危険レベル4が発出されているので、いかなる理由でも渡航を中止してください。
また、トルコは地理上周辺国の治安状況にも左右されるので、渡航前には必ず政府公式の治安情報を確認してください。
トルコの人気観光地の治安状況
トルコには魅力的な観光地がたくさんありますが、場所によって治安状況が異なります。
ここでは観光で特に人気のある地域の治安状況を詳しく紹介します。
イスタンブール

トルコの人気観光地として世界中の人が訪れるイスタンブールは、危険レベル1に指定されており、観光の際は安全に十分に注意する必要があります。
観光地ではぼったくりや詐欺などの被害が後を絶ちません。
そのため支払いの際は料金を確認したり、道端で流暢な日本語で話しかけられても、関わらないようにしましょう。
また近年いくつかのテロ事件が発生しており、特に2022年11月にはイスティクラル通りで爆弾テロがあり、6名が死亡しました。
イスタンブールを訪れる際は、政府関連施設や多くの人が集まる場所がテロの標的になりやすいことを理解し、不審な状況に遭遇した場合はすぐにその場を離れることが重要です。
イスタンブールで気を付けたい3つのエリア
▶ タクシム広場からイスティクラル通り

タクシム広場周辺は特に夜になるとナイトライフでにぎわうエリアで、観光客に人気のイスティクラル通りの出発点でもあります。
広場から通りにかけては観光客向けのバー、カフェ、レストラン、土産店などが軒を連ねており、海外からの観光客を狙った客引きやぼったくりバーなどの被害が多発しています。
そのため、見知らぬ人に話しかけられたり誘われたりしても相手にしないようにしましょう。
また、夜間の1人歩きは避け、タクシーは流しよりもBiTaksiなどの配車アプリを使うのが安全です。
▶ エミノニュ周辺

エミノニュはガラタ塔のある新市街からメイン観光エリアのスルタンアフメト地区(旧市街)やグランドバザールへの玄関口で、多くの人が行き交うにぎやかなエリアです。
観光名所が密集しているため、人混みの中でのスリ被害が多発。
このエリアを歩く際はバッグは体の前に抱え、貴重品は最小限にしましょう。
▶ アクサライ地区
イスタンブール空港から観光エリアまでの空港バスが到着するのがこのアクサライ地区。
バスターミナルや交通の要所となっており、人の出入りが激しいエリアです。
そのため観光客相手の詐欺やスリなどには注意が必要。
知らない人からの話しかけには警戒し、財布やスマホは常に目の届く位置に持っておきましょう。
カッパドキア

ユニークな地形に色とりどりの気球が浮かぶ幻想的な景色が見られるカッパドキアは、危険レベルが設定されていないため、治安の心配をする必要はほとんどありません。
ただし、観光客を狙ったぼったくりのツアーや、スリや置き引きなどには十分に注意しましょう。
アンタルヤ

トルコの地中海に面したリゾート地・アンタルヤもカッパドキアと同じく危険レベルが設定されていません。
そのため、治安の心配をする必要はほとんどないですが、観光地やビーチでのスリや置き引きには十分に注意してください。
トルコでは治安が悪化している?

2007年以降、トルコ内務省は犯罪統計を公表しておらず、犯罪傾向を分析することは困難ですが、一般治安情勢が悪化している状況は今のところ認められません。2023年に起きたトルコ・シリア地震では、トルコの南東部の地域で災害による治安悪化も報道されましたが、現在は落ち着いています。
しかしながら、トルコ国内で一見して外国人と分かる日本人は、盗難等犯罪のターゲットとなり易いので、十分な注意が必要です。
トルコでよくある犯罪手口と対策

トルコの特に観光地では、観光客を狙った軽犯罪が発生しています。
巧みな話術を使い、一見人がよさそうに見えても裏には悪いことを企んでいるかもしれません。
ここでは、観光客が被害に遭いやすい犯罪手口とその対策を紹介します。
1.ぼったくりバーでの金銭要求
アヤソフィアやブルーモスクで有名なイスタンブールの旧市街や、イスティクラル通りでの声掛けには要注意です。
犯人は親しげに声をかけ、会話が弾んだところで「自分の知っている店があるから一緒に飲みにいこう。」と誘う手口で観光客をぼったくりバーに連れて行きます。
バーでは女性が接客し、いざ支払いになると数十万という額を要求されます。
トルコ人を含む知らない人からの親し気な誘いには乗らないようにしましょう。
騙された後で警察に行っても、犯人の店側の正式な料金表や支払いの様子のビデオなどの証拠を準備していることがほとんどなので、被害に遭った説明をするのが難しいです。
2.悪徳絨毯店での高額商品の売り付け
イスタンブールのスルタンアフメット地区では、絨毯屋の悪徳商法が発生しています。
手口としては、流暢な日本語を話すトルコ人が日本の有名人が来店した写真を見せたり、街を無料でガイドしてくれるなど好意的な素振りを見せるのが特徴です。信頼関係を築いた後絨毯屋に誘われ、最終的に高額な絨毯を買わされてしまいます。
親しげに話しかけてくる人には注意をしましょう。
また、どんなに親切にされても買う気が無ければ毅然と断ることが重要です。
ただし、すべての絨毯屋が悪質というわけではないので、買い物したい場合は押し売りしてこない店を選ぶなど、見極めることが大切です。
3.恋愛詐欺や性犯罪
女性のひとり旅で気を付けたいのが、恋愛詐欺や性犯罪です。
恋愛詐欺では、日本語で話しかけられ親しくなっていくうちにロマンティックな言葉を言われ、交際や結婚をほのめかされます。
関係性が深まったところで、家族の病気治療や出資話などさまざまな理由で金銭を要求され、そのうち騙されていることが発覚します。
性犯罪は声をかけられた相手に夕食を誘われ、アルコール度数の強いお酒を飲まされて、ホテルに連れ込む手口が多いです。
初対面の人に全面的に信頼するのは危険です。親切にされても、相手について行くのは避けましょう。
服装や言動に気を付けて隙を見せないことも大切です。できるだけ複数人で行動するように心掛けてください。
4.格安ツアー詐欺
イスタンブールの旧市街には、カッパドキアやパムッカレなどの国内各地への格安ツアー販売で声をかけられることがあります。
話を聞くとバス・ホテルが付いたお得なプランで、いざ申し込みツアーに参加すると、説明とは違う路線バスでさらにホテルもかなりひどいパターンがあります。
国内ツアーに参加する際は、信頼できる業者を通じて事前に予約するか、現地で申し込む場合も複数の業者を比較してから決めることをおすすめします。
ツアー後に内容に不満があっても、返金には応じてもらえません。
また、すでに決まったツアーを他の業者が安く提案してくることがありますが、サービスの質が低い場合があるため注意が必要です。
5.タクシー料金詐欺
流しのタクシーを利用する際は注意が必要です。
近距離にもかかわらず何かと理由をつけて遠回りしたり、メーター表示が消えたと思ったら不当な額を要求されたりとトラブルに巻き込まれる事案も少なくありません。
タクシーを利用する際は、流しのタクシー(特にドアや助手席に会社名や番号がないもの)を避け、ホテルの受付や住居のフロントを通じて呼びましょう。
乗る前に、料金メーターが稼働していることを確認し、タクシーの車両番号を控えておくと安心です。
また、事前に料金が確認できる配車アプリを利用するのもおすすめです。
トルコでの緊急時の対処法

万が一のときの緊急連絡先
万が一トラブルに巻き込まれた場合または巻き込まれそうな場合は、最寄りの警察署またはトルコ現地の緊急ダイヤル「112」に通報しましょう。
また、言葉が通じない場合は、周りにいる人に頼って落ち着いて対応しましょう。
緊急連絡先一覧
| 連絡先 | 電話番号 |
| トルコ緊急電話 (警察、交通警察、ジャンダルマ、救急車、火災、沿岸警備隊) | 112 |
| 在トルコ日本国大使館 | 0312-446-0500 |
| 在イスタンブール日本国総領事館 | 0212-317-4600 |
トルコ旅行前にチェックするべきこと

トルコ全土の現在治安は危険レベル1~4で地域により大きく異なり、観光客が多い地域では「十分に注意」を意味するレベル1となっています。
危険レベルは情勢により日々変化するため、渡航の際は以下の点に留意しましょう。
治安情報の確認
渡航予定地域の治安状況を事前に調査し、特にリアルタイムでデモや抗議行動が発生している場合は注意が必要です。
外務省や現地のニュースをチェックしましょう。
たびレジに登録
トルコ旅行の際は、家族や友人、職場に日程や連絡先を伝えておくことが重要です。
また3か月以上滞在する場合は、在トルコ日本国大使館又は在イスタンブール総領事館に在留届を提出してください。
3か月未満の旅行や出張の場合は、最新の安全情報を確認し、緊急時に大使館から連絡を受け取るために外務省の「たびレジ」に登録しましょう。
トルコ旅行を安心して楽しむためのアイテム3選
トルコ旅行の前には、しっかりと安全対策をしましょう。
ここでは、トルコで安全を守るための3つのアイテムを紹介します。
1.海外旅行保険

トルコ旅行の際は海外旅行保険への加入を強くおすすめします。
海外での医療費は高額になることが多く、思わぬ出費を防ぐことができます。
また、医療費だけでなく荷物の紛失や盗難、航空機の遅延などのトラブルにも対応できます。
クレジットカードに付帯している海外旅行保険もありますが、補償内容を確認し、必要に応じて追加の保険に加入しましょう。
2.パスポートのコピーや連絡先のメモ

トルコでもしもの時に役に立つのが、パスポートのコピーや連絡先のメモ。
万が一パスポートを失くしたときにコピーがあればスムーズに再発行の手続きができるでしょう。
コピーするのは顔写真と住所欄の2枚です。連絡先のメモは、インターネットが使えない場合の緊急連絡先の確認に対応できます。
3.インターネット接続できるデバイス

トルコでは常時ネットに接続していれば、目的地を確認したり何かあった場合に連絡したりできるので、インターネット接続できるデバイスは必須のアイテムです。
Wi-Fi、SIMカード、eSIMとさまざまな選択肢があるので、予算や日数に合わせて選びましょう。
特にトルコでは料金が比較的安く、日数も選べるeSIMがおすすめ。
eSIMならダウンロードしてその場ですぐインターネット接続ができます。
トルコの基本情報

トルコは東西を結ぶ重要な位置にあり、多様な文化と歴史を持つ国です。
治安状況は比較的安定していますが、過去にはクーデター未遂やテロ事件が発生しました。
特に2016年のクーデター未遂では多くの市民が犠牲になりました。現在、政府はテロ対策を強化し、クルド問題への対応も続けています。
2022年にはイスタンブールで爆発事件がありましたが、全体的には安全な旅行が可能です。
観光客は基本的な注意を払いながら楽しむことができます。
| トルコの基本情報 | |
| 首都 | アンカラ |
| 人口 | 約85,279,553人 |
| 公用語 | トルコ語 |
| 宗教 | イスラム教が大部分を占める |
| 通貨 | リラ(TRY) |
| 政体 | 共和制 |
トルコの治安についてよくある質問

-
トルコは安全な旅行先ですか?
はい、トルコの多くの観光地は比較的安全ですが、旅行中は基本的な注意を払うことが重要です。
-
トルコではテロのリスクはありますか?
過去にはテロ事件がありましたが、現在は政府が対策を強化しています。観光地は特に警備が厳重です。
-
トルコでは女性の1人旅は安全ですか?
多くの女性がトルコで1人旅を楽しんでいますが、夜間の移動には注意が必要です。
-
トルコには治安の悪い地域はありますか?
大都市の一部や、特定の地方では治安が不安定なことがあります。国境近くでは危険レベルが4に設定されている地域もあります。
そのほかのトルコ旅行に役立つ記事はこちら
トルコ旅行へ行く前に治安情報を確認しよう

トルコでは危険レベル1~4と、地域により治安状況が大きく異なります。
観光客が訪れるエリアでは危険レベル1やレベルが設定されていなく、比較的安全ですが油断は禁物です。
観光地では特に詐欺やぼったくりなどの軽犯罪に十分に注意しましょう。
また、万が一デモが発生している場合には人混みを避けたり、公共施設に長時間滞在しないことも大切です。
トルコの治安をチェックして、安全な旅を心がけましょう。
※現地の治安は状況により随時変動する場合があるため、渡航の際には必ず最新情報をご確認ください。
