
マレーシア旅行を計画しているけど、現地の治安状況について気になる人も多いはず。この記事では、2024年最新のマレーシアの治安情報をまとめました。危険レベルの詳細や渡航する際の安全対策などを解説するので、マレーシアへ渡航を検討している人はぜひ参考にしてください。
現在のマレーシア都市部は比較的治安が良い

観光客の多いクアラルンプールなどマレーシアの都市部では、日本政府による危険レベルが設定されていないため、治安が良く比較的安全と言えるでしょう。しかし、日本と比べれば決して安心できる治安情勢とは言えないため、油断は禁物です。
また、観光客がほとんど訪れないマレーシア東部の海岸沿いの一部の地域では、危険レベルが2~3に設定されています。詳細は以下の通りです。
| 地域 | 危険レベル |
| ・サバ州東側の島嶼部および周辺海域 ・一部のサバ州東海岸(サンダカン、ラハ・ダトゥ、クナ及びセンポルナ周辺地域) | 3(渡航中止勧告) |
| サバ州東海岸のうち、レベル3発出以外の地域(タワウを含む) | 2(不要不急の渡航は止めてください。) |
| クアラルンプールをはじめレベル2・3に含まれないその他の地域 | なし |
マレーシアと日本の犯罪発生率の比較

マレーシアは比較的治安が良い国だと言われていますが、実際にどれくらい安全なのかが気になるところ。ここでは、マレーシアと日本の犯罪件数を比較して理解を深めましょう。
2023年のマレーシアにおける犯罪届出件数は52,444件で、前年より1,631件増加しました。特に凶悪犯罪はコロナ禍以降、人の動きが活発になった影響で再び増加しています。街頭犯罪や侵入窃盗も依然として高い水準です。
具体的な凶悪犯罪の件数は次の通りです。
- 殺人:258件(前年より18件増加し、日本とほぼ同じ発生率)
- 強盗:4,558件(前年より31件減少し、日本の約12倍の発生率)
- 強制性交等:1,914件(前年より202件増加し、日本の約2.6倍の発生率)
日本に比べて、特に強盗や強制性交等の発生率が高いことから、マレーシアでは十分な注意が必要です
マレーシアで観光客が狙われやすい犯罪とその対策

1.置き引き
空港やホテル、飲食店では周囲への警戒が緩む隙を狙い、バッグから財布などの貴重品を盗まれることがあります。犯人は、声を掛けたり小銭をわざと落としたり、子供を近づけることで注意をそらし、犯行に至ります。
<対策>
旅行中は常に周囲に気を付け、貴重品をしっかり管理しましょう。特にホテルのビュッフェスタイルの朝食では、荷物を身に着けて食事を取りに行くのをおすすめします。
2.スリ
マレーシアではスリ被害が多発しており、特に公共交通機関や駅、大規模商業施設など人が集まる場所が狙われます。犯人グループは被害者を囲み、周囲に気付かれずに犯行を行う集団スリが一般的です。また、職務質問を装い、財布を預かって一部の現金を抜き取る手口もあります。
集団スリでは、盗んだ物を迅速に共犯者に渡して逃げるため、被害を防ぐのは非常に難しいです。
<対策>
スリ被害を防ぐためには、人混みを避けることが大切です。また、トートバッグなどチャックのないバッグやズボンのポケットには貴重品を入れないようにしましょう。エスカレーターや階段では、バッグは常に目に見える場所で持ち、混雑時は開口部を手で押さえるなどして警戒を示すことが重要です。これにより、被害のリスクを減らせます。
3.ひったくり
マレーシアの主要都市では、バイクに乗った犯人によるひったくりが頻発しています。特に女性や高齢者が狙われることが多いです。ひったくりの際に転倒したり、抵抗して路上で引きずられたりすることがあり、これによって重傷を負い入院するケースも多く報告されています。
<対策>
手荷物はできるだけ少なくし、バッグはたすき掛けにして道路側にさらさないようにしましょう。また、自分が狙われていないか常に周囲を警戒して行動することが重要です。
マレーシアでの緊急時の対処法

万が一トラブルに巻き込まれた場合
万が一トラブルに巻き込まれた場合、または巻き込まれそうな場合は、最寄りの警察署またはマレーシア現地の緊急ダイヤル「999」(携帯電話からは「112」)に通報しましょう。言葉が通じない場合は、周りにいる信用できる人に頼って落ち着いて対応しましょう。
緊急連絡先一覧
マレーシアで犯罪に巻き込まれた際や怪我をした場合、以下の連絡先も活用できます。大使館ではパスポートを紛失・盗難の際にサポートしてもらえることもあるので、確認しておきましょう。
| 連絡先 | 電話番号 |
| 緊急ダイアル | 999(携帯電話からは112) |
| 在マレーシア日本国大使館 | (市外局番03)2177-2600 |
| 在ペナン日本国総領事館 (管轄地域:ペナン州、ペルリス州、ケダ州、ペラ州、クランタン州及びトレンガヌ州) | (市外局番04)226-3030 |
| 在コタキナバル領事事務所 (管轄地域:サバ州、サラワク州及びラブアン連邦直轄区) | (市外局番088)254-169 |
マレーシア渡航前にチェックするべきこと

マレーシアは観光客が訪れるような地域では、現在ほとんどの場所で危険レベルが設定されていませんが、治安状況は情勢により日々変化します。万が一に備えて渡航前には以下の点に留意しましょう。
治安情報の確認
渡航予定地域の治安状況を事前に調査し、特にリアルタイムでデモや抗議行動が発生している場合は注意が必要です。外務省や現地のニュースをチェックしましょう。
たびレジに登録
マレーシア渡航の際は、家族や友人、職場に日程や連絡先を伝えておくことが重要です。また3か月以上滞在する場合は、在マレーシア日本国大使館又は各総領事館等に在留届を提出してください。3か月未満の旅行や出張の場合は、最新の安全情報を確認し、緊急時に大使館から連絡を受け取るために外務省の「たびレジ」に登録しましょう。
マレーシア旅行を安心して楽しむためのアイテム3選
マレーシアへ渡航する場合は、しっかりと安全対策をしましょう。ここでは、マレーシアで安全を守るための3つのアイテムを紹介します。
1.海外旅行保険

マレーシアへ渡航する際は海外旅行保険への加入を強くおすすめします。海外での医療費は高額になることが多く、思わぬ出費を防ぐことができます。また、医療費だけでなく荷物の紛失や盗難、航空機の遅延などのトラブルにも対応できます。
クレジットカードに付帯している海外旅行保険もありますが、補償内容を確認し、必要に応じて追加の保険に加入しましょう。
2.パスポートのコピーや連絡先のメモ

マレーシアでもしもの時に役に立つのが、パスポートのコピーや連絡先のメモ。万が一パスポートを失くしたときにコピーがあればスムーズに再発行の手続きができるでしょう。コピーするのは顔写真と住所欄の2枚です。連絡先のメモは、インターネットが使えない場合の緊急連絡先の確認に対応できます。
3.インターネット接続できるデバイス

マレーシアでは常時ネットに接続していれば、目的地を確認したり何かあった場合に連絡したりできるので、インターネット接続できるデバイスは必須のアイテムです。Wi-Fi、SIMカード、eSIMとさまざまな選択肢があるので、予算や日数に合わせて選びましょう。
特にマレーシアでは料金が比較的安く、日数も選べるeSIMがおすすめ。eSIMならダウンロードしてその場ですぐインターネット接続ができます。
マレーシアの基本情報

マレーシアは15世紀にマラッカ王国から歴史が始まり、以降ポルトガルやオランダ、英国などの支配を経てマレーシアは1963年に成立しました。2022年には希望連盟が選挙で多数を獲得し、アンワルが新首相に就任。治安は全国的に見ると比較的安全ですが、特に都市部でバイクによるひったくりやスリが多発しており、女性や高齢者が狙われやすい状況です。
| マレーシアの基本情報 | |
| 首都 | クアラルンプール |
| 人口 | 約3,350万人 |
| 言語 | マレー語、中国語、タミール語、英語 |
| 宗教 | イスラム教64%、仏教19%、キリスト教9%、ヒンドゥー教6%、その他2% |
| 通貨 | リンギット(MYR) |
| 政体 | 立憲君主制(議会制民主主義) |
マレーシアの治安についてよくある質問

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マレーシアは安全な国ですか?
一般的に安全ですが、都市部ではスリやひったくりが多発しています。注意が必要です。
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ひったくりはどこで多いですか?
バスや駅、大型商業施設など、人が密集する場所で発生しやすいです。
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マレーシアでは夜間の外出は安全ですか?
明るい場所を選び、人通りの多いエリアを歩く限り比較的安全ですが、注意が必要です。
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マレーシアで女性が1人で旅行するのは安全ですか?
一般的には可能ですが、特に夜間の外出や人混みでは慎重になりましょう。
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マレーシアへ渡航する際は最新の治安情報を確認しよう

マレーシアでは観光客が訪れる都市では、危険レベルが設定されておらず比較的治安が良いとされています。ただし、観光地でもスリや窃盗の軽犯罪から殺人罪などさまざまな犯罪が発生しているので、観光の際は十分に気を付けましょう。
マレーシアの治安をチェックして、安全な旅を心がけてくださいね。
※現地の治安は状況により随時変動する場合があるため、渡航の際には必ず最新情報をご確認ください。

