
海外旅行中、もっとも避けたいトラブルはパスポートの盗難です。パスポートを海外で盗まれると、帰国できずにパニックになりますよね。しかし、適切な対応を知っていれば大丈夫。安心して帰国できます。
この記事では、盗難被害に遭った経験を踏まえながら、海外でのパスポート盗難の対処法と予防策を7つ紹介します。ぜひ、最後までご覧ください!
渡航書と緊急パスポートの違い
項目 | 渡航書 | 緊急パスポート |
用途 | 日本への帰国のみに使用できる一時的な渡航文書 | 一般的なパスポートと同様に使用できる |
期間 | 1〜2日で発行 | 3~5営業日 |
使用回数 | 基本的に1回限りの使用 | 有効期間内は複数回使用可能 |
有効期間 | 発行から3ヶ月以内の帰国 | 最長1年間 |
手数料 | 所定の手数料が必要 | 所定の手数料が必要 |
状況 | 急いで帰国する必要がある場合 | 通常のパスポート発給を待てない場合 |
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海外でパスポートが盗まれたときの3つの行動
パスポートの盗難に気づいた瞬間は、多くの人がパニックになりがちです。しかし、冷静になって以下の行動を取りましょう。
1. 盗難場所を確認する
まず、パスポートがいつ、どこで盗まれたかを可能な限り正確に思い出しましょう。盗難時の状況や場所を記録しておくことで、後の警察での手続きがスムーズになります。思い当たる場所があれば、ホテルのフロントや近くの警察に連絡し、拾得物として届けられていないか確認することも大切です。
2. 盗難証明書を取得する
パスポートが見つからない場合は、すぐに最寄りの警察署へ行き、盗難届を提出しましょう。この時に発行される「盗難証明書」は、パスポートの再発行手続きや保険の請求に必要となる重要な書類です。
多くの国には観光客向けの警察署(ツーリストポリス)があり、英語対応が可能な場合が多いです。通常の警察署では現地語しか通じないことがあるため、ホテルのスタッフに同行を依頼するか、観光客向けの警察署を探すことをお勧めします。
3. 日本大使館に連絡する
盗難証明書を取得したら、すぐに現地の日本大使館または領事館に連絡しましょう。営業時間外の場合は、翌朝一番に訪問することをお勧めします。大使館では帰国のための「渡航書」または「緊急パスポート」の発行手続きを行うことができます。
日本大使館でのパスポート発給手続き
パスポートを盗まれた場合、日本大使館での手続きが必要になります。手続きの流れは以下の通りです。
必要書類の準備
日本大使館でパスポートの再発行手続きをするには、以下の書類を用意する必要があります。
- 警察で入手した盗難証明書
- パスポート用の写真(6か月以内に撮影された縦45mm×横35mm)
- 本人確認書類(運転免許証のコピーなど、身分を証明できるもの)
- 渡航書発給申請書(大使館で記入)
写真は、現地で撮影できる場所を調べておくことをお勧めします。多くの国では大使館付近に写真店があり、パスポート用の規格に合わせた写真を撮影できます。
渡航書と緊急パスポートの違い
日本大使館では、状況に応じて「渡航書」または「緊急パスポート」のいずれかを発行してもらえます。
滞在期間や今後の旅行計画に応じて、どちらが適しているか大使館で相談してください。緊急に帰国する必要がある場合は渡航書を。旅行を継続する場合は、緊急パスポートがおすすめです。
項目 | 渡航書 | 緊急パスポート |
用途 | 日本への帰国のみに使用できる一時的な渡航文書 | 一般的なパスポートと同様に使用できる |
期間 | 通常1〜2日で発行 | 3~5営業日必要 |
使用回数 | 基本的に1回限りの使用 | 有効期間内は複数回使用可能 |
有効期間 | 発行から3ヶ月以内の帰国 | 最長1年間 |
手数料 | 所定の手数料が必要 | 所定の手数料が必要 |
状況 | 急いで帰国する必要がある場合 | 通常のパスポート発給を待てない場合 |
海外で警察に行く際の注意点3つ
1.時間を確保する
盗難証明書の発行には予想以上に時間がかかることを覚悟しましょう。事情聴取から書類作成まで、通常2〜3時間は必要です。混雑している場合はさらに待ち時間が発生します。急いでいることを伝えても、現地の手続きペースは変わりません。大切な予定がある日は避け、十分な時間的余裕を持って訪問することをおすすめします。水分や軽食を持参し、バッテリー残量にも注意。充電器があると安心です。
2.答えを準備しておく
警察署で盗難証明書を取得する際には、事情聴取があります。以下のような質問が一般的ですので、答えを準備しておくとスムーズです
- いつ、どこでパスポートを盗まれたか
- パスポート以外に盗まれたものはあるか
- 最後にパスポートを使用した場所と時間
- 訪問した場所の詳細と移動手段
- 滞在ホテル
- 日本の連絡先
3.証拠を準備する
警察での事情聴取ではあいまいな回答は信頼性を下げましょう。手続きが長引く原因になるからです。最後にパスポートを使用した場所の記録など、状況を裏付ける証拠があれば持参してください。
また、パスポート番号や滞在ホテル情報、日本の緊急連絡先をメモしておくと円滑です。正確な情報提供こそ、素早い発行につながります。
海外でパスポート盗難後の帰国手続き
1.滞在を延長する
パスポートの再発行手続きに時間がかかる場合、滞在期間を延長しましょう。この場合、入国管理局で滞在許可の申請が必要になることがあります。大使館のアドバイスに従い、必要な手続きを行ってください。
2.航空会社へ連絡する
渡航書や緊急パスポートを取得した後は、航空会社に連絡し、これらの文書で搭乗可能か確認する必要があります。多くの航空会社は渡航書での搭乗を認めていますが、事前に確認することで当日のトラブルを避けることができます。
当日は、通常より早めに空港に到着し、チェックインカウンターでスタッフに状況を説明しましょう。渡航書や緊急パスポートでの搭乗には追加の確認が必要になる場合があります。
帰国後のパスポート再発行の流れ
渡航書で帰国した場合、日本到着後に正規のパスポートを再発行する必要があります。以下の手順で申請してください。
- 都道府県のパスポートセンターに行く
- 一般旅券発給申請書に記入
- 戸籍謄本を提出
- パスポート用写真を提出
- 渡航書を提出
- 手数料を支払う
海外でのパスポート盗難を防ぐ7つの対策
パスポートの盗難を未然に防ぐための効果的な対策をご紹介します。
1. パスポートのコピーを保管
パスポートのコピーを複数、メインの荷物と別の場所に保管しましょう。また、スマートフォンにパスポートの写真を保存することも有効です。クラウドにアップロードしておけば、スマートフォンを紛失した場合でも安心です。
2. セキュリティポーチにこだわる
腰に巻くタイプのセキュリティポーチは、パスポートや現金などの貴重品を保管するのに最適です。混雑した場所や公共交通機関では、バッグやポケットではなくセキュリティポーチを活用しましょう。
3. セーフティボックスを活用する
ホテルのセーフティボックスへの保管をお勧めします。外出時は、パスポートのコピーを持参するだけで十分です。ただし、法律により常にパスポートの携帯が義務付けられている国もありますので、訪問国の法律を確認しましょう。
4. 周囲に注意を払う
スリや置き引きは、観光客が多い場所や公共交通機関で頻繁に発生します。以下の場所では特に注意が必要です。
- 観光名所や観光客が多く訪れる場所
- 空港や駅などの交通ハブ
- ショッピングモールや市場
- レストランや食事処
- ホテルのロビー
5. 旅行保険に加入する
万が一の盗難に備えて、海外旅行保険に加入しておきましょう。多くの保険では、パスポート再発行費用や盗難による損害をカバーしています。保険に加入する際は、パスポート盗難時の補償内容を確認しましょう。
6. 治安情報をチェックする
訪問先の治安状況や犯罪傾向を事前に調査することで、リスクを最小限に抑えることができます。外務省の「海外安全ホームページ」では、各国・地域の最新の安全情報を確認できます。注意が必要な地域や、パスポート盗難が多発している場所を把握しておきましょう。
→海外旅行で治安が良い国ベスト20!安心して旅行するための防犯対策
7. 目立つ行動や服装を避ける
明らかに観光客と分かるような服装や行動は、犯罪のターゲットになりやすいです。現地の文化や習慣に合わせた服装を心がけ、高価な装飾品の着用は控えましょう。また、公共の場で大金を見せることも避けるべきです。
そのほか、こちらの記事もおすすめです。
→【旅行会社が伝授】海外旅行でパスポートを安全に持ち歩く方法
海外でパスポート以外を盗まれたら?
パスポート以外にも、海外旅行中に盗難に遭いやすい貴重品があります。
スマートフォンを盗まれた場合
スマホを盗まれたら、別の端末から遠隔操作でロックをかけましょう。iPhoneなら「iPhoneを探す」機能を使い紛失モードに設定し、Androidなら「デバイスを探す」で端末をロックします。次に通信キャリアに連絡し、SIMカードを無効化しましょう。帰国後は新しい端末の準備と、重要アカウントのパスワード変更を忘れずに。
クレジットカードを盗まれた場合
即座にカード会社に連絡して、利用停止手続きをしてください。海外からの連絡が難しい場合は、日本の家族や友人に依頼するのも有効です。その際、カード番号や生年月日など本人確認情報を伝える必要があります。
カード会社の緊急サービスや旅行保険のサポートデスクに相談すると、緊急キャッシングなどの対応策が得られることも。必ず連絡しましょう。
海外の日本大使館一覧
海外旅行中のトラブルに備えて、日本大使館または総領事館の連絡先を調べておきましょう。以下に、日本人に人気の旅行先にある日本大使館・総領事館をまとめました。
都市 | 住所 | 緊急時連絡先 |
バンコク | 177 Witthayu Road, Lumphini, Pathum Wan, Bangkok 10330 | +66-2-207-8502 |
ソウル | 22 Jeongdong-gil, Jung-gu, Seoul 04518 | +82-2-318-5419 |
台北 | 台北市松山区慶城街28号 通泰商業大楼 | +886-2-2713-8000 |
ニューヨーク | 299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171 | +1-212-371-8222 |
ハワイ(ホノルル) | 1742 Nuuanu Avenue, Honolulu, HI 96817 | +1-808-543-3111 |
パリ | 7, Avenue Hoche, 75008 Paris | +33-1-4888-6200 |
ローマ | Via Quintino Sella 60, 00187 Roma | +39-06-487-991 |
ロンドン | 101-104 Piccadilly, London W1J 7JT | +44-20-7465-6500 |
シドニー | Level 12, 1 O'Connell Street, Sydney NSW 2000 | +61-2-9250-1000 |
上海 | 上海市万山路8号 | +86-21-6474-3651 |
シンガポール | 16 Nassim Road, Singapore 258390 | +65-6235-8855 |
※ 渡航前に外務省ウェブサイトで最新情報を確認してください
海外で英語が話せなくて困ったら?
1.翻訳ツールをフル活用する
スマートフォンの翻訳アプリや、音声翻訳機を積極的に使いましょう。テキスト読み取り機能でメニューや標識を訳したり、音声入力で簡単な会話を試みたりできます。完璧でなくても、伝えたいことを知らせる手助けとなるでしょう。
2.必須フレーズは覚えておく
「お願いします」「これは何ですか?」など、基本的な挨拶や質問をいくつか覚えておきましょう。ホテルの住所、名前、アレルギー情報、行きたい場所の名称などは紙やスマホ画面にメモしておき、必要に応じて見せられるように準備するとスムーズです。
3.ジェスチャーを組み合わせる
言葉に詰まっても諦めず、指差しや身振り手振り、表情を豊かに使って伝えようと試みましょう。知っている英語の単語や数字だけでも、ジェスチャーと組み合わせれば意外と多くの情報が伝わります。文法にとらわれず、シンプルな単語を使う姿勢が大切です。
パスポートを盗まれない安心の海外旅行を!
パスポートの盗難は、海外旅行中に誰にでも起こり得るトラブルです。適切な準備と知識があれば、被害を最小限に抑えられるはず。この記事で紹介した対策を参考に、安全で楽しい海外旅行をお楽しみください!
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