
世界遺産や自然景観が魅力の南米の国・エクアドル。そんなエクアドルを訪れてみたいけど、現地の治安状況について気になる人も多いはず。
この記事では、2024年最新のエクアドルの治安情報をまとめました。危険レベルの詳細や渡航する際の安全対策などを解説するので、エクアドルへ渡航を検討している人はぜひ参考にしてください。
エクアドルでトラブルに遭った時の緊急連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
| 安全総合センター (警察・消防・救急) | 911 |
| 警察 | 101 |
| 救急車 | 911 |
| 消防車 | 102 |
| 在エクアドル日本大使館 | 市外局番(02)227-8700 |
【2024年最新情報】エクアドルの治安は悪化している

2024年1月8日、犯罪組織との緊張状態によりエクアドル全土に非常事態宣言が出され、90日後に解除されました。しかし、緊張状態は依然として続いているのが現状です。4月30日には、エルオロ県、グアヤス県、ロス・リオス県、マナビ県、サンタ・エレナ県の5地域で新たに非常事態宣言が発令されました。
さらに、5月22日にはスクンビオス県、オレジャナ県、アズアイ県のカミロ・ポンセ・エンリケス市を含む8地域に対して、追加の60日間の非常事態宣言が出されました。特にグアヤス県のグアヤキル市では麻薬関連の犯罪が増加し、殺人や爆弾事件が頻繁に起きており、治安が不安定な状態が続いています。
エクアドルの治安危険レベルは1~3

エクアドルでは、日本政府による危険レベルが1~3に設定されており、特定の地域に関しては高い危険レベルとなっています。そのため、滞在予定の地域がどの危険レベルに設定されているかを事前にチェックしましょう。
レベル3(渡航中止勧告)
- カルチ県(トゥルカン市とパン・アメリカン・ハイウェイ付近を除く)
- エスメラルダス県北東部地域(サン・ロレンソ市及びエロイ・アルファロ市)
- スクンビオス県(南部ナポ川周辺の一部地域を除く)
レベル2(不要不急の渡航中止)
- グアヤス県グアヤキル市
- エスメラルダス県北部地域(エスメラスダス市及びリオベルデ市)
- カルチ県(トゥルカン市とパン・アメリカン・ハイウェイ付近)
レベル1(十分注意)
- 上記及びガラパゴス県を除く全土
エクアドルで観光客が訪れる地域の治安状況
エクアドルは世界遺産や自然遺産が豊富なことから、観光客が訪れる人気のエリアが多数存在します。しかし、地域によってさまざまな犯罪が発生しています。なかには日本人が死亡した例もあるので、細心の注意が必要です。
キト

世界遺産などを目的に観光客が多く訪れるエクアドルの首都キトでは、銃を使った犯罪が増えており、外国人旅行者も被害に遭っています。特にマリスカル地区やパネシージョの丘周辺での強盗事件が目立ち、2020年には大使館近くで高額取引を狙った強盗殺人が発生しました。また、2023年には大統領選候補者が射殺される事件も発生。
夜間の外出は避け、危険な場所には近づかないようにしましょう。また、キトと地方を結ぶ道路は抗議活動で封鎖されることがあるため、移動の際は最新情報を確認してください。デモ活動に出くわした場合には近づかず、遭遇したらすぐにその場を離れるように注意が必要です。
グアヤキル

エクアドル最大の都市・グアヤキルは、国内で最も犯罪が多い都市で、特に麻薬関連の組織による凶悪事件が頻発しています。たびたび非常事態宣言が出されており、注意が必要です。2013年には、日本人旅行者が流しのタクシーを利用中に短時間誘拐され、1名が死亡した事件もあります。そのため流しのタクシーの利用は避けてください。
また、2021年には日本人宅に銃を持った強盗が押し入り、金品が奪われました。住居やホテルは警備がしっかりしている場所を選び、施錠を徹底しましょう。
ガラパゴス諸島

ガラパゴス諸島は世界自然遺産であり、厳しい入島規制があるため、他の地域と比べると比較的安全な観光地と言えるでしょう。しかし、観光客を狙った傷害事件などが発生しているため、気を緩めずに十分に注意してください。
エクアドルで特に治安が悪い地域

エクアドルで特に治安が悪く危険な地域は以下の3つの地域です。
- カルチ県(トゥルカン市とパン・アメリカン・ハイウェイ付近を除く)
- エスメラルダス県北東部地域(サン・ロレンソ市及び、エロイ・アルファロ市)
- スクンビオス県(南部ナポ川周辺の一部地域を除く)
これらの地域は日本政府によって危険レベル3(渡航中止勧告)が出ているため、どのような目的であれ行かないでください。
カルチ県はコロンビアとの国境にあり、治安が不安定です。強盗などの犯罪が発生しており、違法出入国を助ける組織も活動しています。また、コロンビアの反政府ゲリラや麻薬組織が越境してきています。エスメラルダス県のサン・ロレンソ市では、2018年に爆弾が爆発し、非常事態宣言が出されました。スクンビオス県でも、ゲリラや麻薬組織による犯罪が確認されており、政府は警戒を強めていますが、状況は改善していません。
治安の悪いエクアドルで身を守るためのポイント

滞在中は常に警戒心を持つ
特にキトやグアヤキルなどの都市部では、誘拐や強盗事件が多発しています。特に、タクシーによる連れ去りや、現金を引き出した人を狙う「サカピンタス」という強盗が目立ちます。金融機関を利用する際は、周囲の様子や視線に注意を払いましょう。万が一襲われた場合は、抵抗せず冷静に対処してください。
エクアドルに滞在中は安全のため、警戒を怠らないことが大切です。
1人で行動しない
エクアドルでは外国人が「お金持ち」と見られることが多く、金品を狙った犯罪のターゲットになりやすいです。特に、単独での外出や行動は避けた方が安全です。できるだけ友人や信頼できる人と一緒に行動することをおすすめします。
夜の外出は避ける
エクアドルでは夜になるとさらに治安が悪化するので、夜間の外出は避けましょう。やむを得ない場合は、明るい場所や人通りの多いところを選んで移動しましょう。
常に連絡ができる手段を確保する
緊急時に備えて、常に連絡できる手段を確保しておきましょう。エクアドルでは常時ネットに接続していれば、目的地を確認したり何かあった場合に連絡したりできるので、インターネット接続できるデバイスは必須のアイテムです。Wi-Fi、SIMカード、eSIMとさまざまな選択肢があるので、予算や日数に合わせて選びましょう。
特にエクアドルでは料金が比較的安く、日数も選べるeSIMがおすすめ。eSIMならダウンロードしてその場ですぐインターネット接続ができます。
エクアドルの公共交通機関の利用は特に注意

エクアドルで公共交通機関を利用するときには注意が必要です。特に観光客の利用が多いタクシーには要注意。まず、流しのタクシーは絶対に避けましょう。道路を走っている空車タクシーを呼び止めると、運転手が強盗と共犯のケースがあります。運転手が共犯者と連絡を取り、途中で強盗が乗り込むことがあるため危険です。
タクシーを利用する際はホテルやレストランに頼んで手配してもらいましょう。無線タクシー会社は、どの客にどの車両を手配したか記録しているので、比較的安心です。また空港内のタクシーも運転手が当局の認可を受けているため、比較的安全です。
タクシーに乗ったら、運転手にドアをロックしてもらいましょう。停車中に窓から物を盗まれる事件もあるので、窓を開けるのは避けてください。また、車内の非常ボタンの場所を確認し、周囲に注意を払いながら過ごしましょう。
<正規タクシーの見分け方>
- 車両が黄色である。
- ナンバープレートがオレンジ色(または白色プレートに上部が帯状にオレンジ色)である。
- 前後のガラス窓や運転席・助手席のドア部分に登録証が貼ってある。
- 車両後部のドア部分にタクシー会社の社名や電話番号の記載がある。
エクアドルでの緊急時の対処法

誘拐や強盗の被害に遭った場合
危険な状況では、絶対に抵抗しないことが重要です。犯人は周りにいる人数を把握していないかもしれません。また、相手の顔をじっと見ないようにしましょう。顔を覚えられたと思われると、逆に危険です。さらに、相手の許可なくポケットやバッグに手を入れないでください。これは抵抗しようとしていると受け取られる可能性があります。
冷静に行動することが、安全を守る鍵です。
ハイジャックに遭った場合
公共交通機関でハイジャックに遭遇した場合は、まず落ち着いて静かにしましょう。絶対に犯人に反抗しないことが大切です。また、犯人の仲間が人質のふりをして客を監視していることもあるので注意が必要です。犯人の数や外見、言葉の特徴などをできるだけ正確に覚えておきましょう。解放された後に、これらの情報が犯人逮捕に役立つことがあります。
テロに遭遇した場合
銃声や爆発音が聞こえたら、すぐに身を低くして物陰に隠れましょう。正面に立っていると、銃弾や爆風の危険にさらされます。時間や距離があるなら、すぐにその場を離れてください。逃げるときは、身を低くして安全を確保します。逃げられない場合は、机や棚の後ろに隠れましょう。異常を感じたら部屋の電気を消し、ドアをロックし、警察に通報します。
エクアドルの緊急連絡先

万が一トラブルに巻き込まれた場合、または巻き込まれそうな場合は、最寄りの警察署またはエクアドル現地の緊急ダイヤル「911」に通報してください。言葉が通じない場合は、周りにいる信用できる人に頼って落ち着いて対応します。大使館ではパスポートを紛失・盗難の際にサポートしてもらえることもあるので、確認しておきましょう。
緊急連絡先
| 連絡先 | 電話番号 |
| 安全総合センター (警察・消防・救急) | 911 |
| 警察 | 101 |
| 救急車 | 911 |
| 消防車 | 102 |
在エクアドル日本国大使館
| 電話番号 | 住所 |
| 市外局番(02)227-8700 | Avenida Amazonas y Calle Arizaga, Edf. Amazonas Plaza, Piso 11, Quito, Ecuador |
エクアドルの基本情報

1822年に独立したエクアドルは、クーデターによる政権交代が繰り返され、1979年からは民主主義が続いていますが政情不安は続いています。2007年にコレア大統領が就任後、経済改革も行いましたが、国際的な原油安などで国民の不満が高まり抗議活動が続きました。
2023年にはノボア候補が当選し、最年少大統領として就任。現在犯罪対策を強化しているものの、治安は非常に不安定です。
| 基本情報 | |
| 首都 | キト |
| 人口 | 約1,826万人 |
| 言語 | スペイン語 |
| 宗教 | カトリック |
| 通貨 | アメリカドル |
| 政体 | 共和制 |
エクアドルの治安についてよくある質問

-
エクアドルではどの地域が特に危険ですか?
カルチ県、エスメラルダス県北東部地域、スクンビオス県では渡航中止勧告が出ており特に危険です。また、首都であるキトやグアヤキルでも観光客を狙った犯罪が多発しているため、注意が必要です。
-
観光中に気をつけるべきことは?
貴重品は目立たないように持ち歩き、夜間の外出は避けるのが賢明です。
-
タクシーは安全ですか?
無線タクシーを利用するのが安全です。流しのタクシーは避けた方が良いです。
-
エクアドルで犯罪に遭った場合、どうすればいいですか?
まずは冷静に行動し、抵抗せずに身を守ることが大切です。状況によっては警察に通報してください。
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エクアドルの治安は悪化しているので注意が必要

エクアドルではほとんどの地域で危険レベル1~3が設定されています。観光地でもスリや窃盗の軽犯罪から殺人罪などさまざな犯罪が発生しており、日本人観光客にとって安全な国ではないと言えるでしょう。
現地では出来るだけ目立たないように行動したり、夜間の外出を避けましょう。また、混乱が発生している場合には人混みを避けたり、公共施設に長時間滞在しないことも大切です。エクアドルの治安をチェックして、安全な旅を心がけましょう。
※現地の治安は状況により随時変動する場合があるため、渡航の際には必ず最新情報をご確認ください。

