家族の日や市民の日のように、州によって休みになる地域が異なるため、旅行や仕事の予定を立てる際には「どの州に滞在するか」がとても重要になります。
この記事では、2026年の祝日カレンダーとあわせて、主要な祝日の意味・由来、州ごとの違い、連休の取り方をわかりやすく整理しました。
まずはカナダの祝日の仕組みから確認してみましょう。
カナダの祝日とは？【制度・文化・歴史の基礎知識】
カナダの祝日は、全国で統一されているわけではなく、連邦政府が定める祝日と、州・準州が独自に設定する祝日の2種類で構成されています。
そのため、同じ日でも州によって休みになるかどうかが異なり、旅行者にとっても注意が必要です。
カナダの祝日は「連邦祝日」と「州ごとの祝日」がある
カナダの祝日には、「連邦祝日」と「州ごとの祝日」があります。
Federal Holiday（連邦祝日）
- 全国共通で休み
- 公共機関・学校・銀行が原則休み
- 代表例：元日、グッドフライデー、カナダデー、クリスマス
Provincial Holiday（州祝日）
- 州・準州が独自に定める
- 休みになる州／ならない州がある
- 家族の日（Family Day）は州によって日付も休み方も違う
この「二層構造」がカナダの祝日制度の最大の特徴です。
多文化国家ならではの祝日が多い
カナダは多文化主義を国の理念として掲げており、その文化的背景は祝日の内容にも深く反映されています。英国とフランス、二つのヨーロッパ文化の影響を受けながら、先住民族の歴史や価値観も重要視されており、そこに世界各国からの移民文化が重なって独自の祝日体系が形づくられています。
近年制定された「真実と和解の日（National Day for Truth and Reconciliation）」は、先住民族との和解に向けた取り組みを象徴する祝日で、カナダ社会が歴史と向き合いながらアップデートされ続けている姿を示しています。
州ごとに長期休暇の取り方が異なる
カナダは祝日の数自体は多くありませんが、州や地域によって休暇の取り方が大きく異なる点が特徴です。とくに夏はカナダデーからレイバーデーにかけて長期のバカンスを取る文化が根強く、国内外へ旅行に出る人が増える時期になります。
一方、冬はクリスマスから新年にかけて家族で過ごす時間が重視され、企業も学校も一斉に休みに入る傾向があります。祝日そのものよりも、州ごとの生活スタイルや休暇文化が旅行日程に影響するため、滞在する地域ごとのスケジュールを事前に確認しておくことが大切です。
2025年カナダの祝日カレンダー
連邦祝日と州祝日が混在しているため、どの地域が休みになるかを事前にチェックしておくと安心です。
2026年カナダの祝日カレンダー
感謝祭（Thanksgiving）やカナダデーなど、大型連休につながる祝日も反映されています。
2026年カナダの祝日一覧表
カナダの祝日・連休を表にまとめました。カナダには法で定められた国の祝日と州ごとの祝日があり、この記事ではBC州（ブリティッシュコロンビア州）の祝日を記載しています。訪問の際はご注意ください。
日付 | 曜日 | 祝日名 |
|---|---|---|
1月1日（木） | Thursday | 元日（New Year’s Day） |
2月16日（月） | Monday | 家族の日（Family Day）※多くの州で採用 |
4月3日（金） | Friday | 聖金曜日（Good Friday） |
5月18日（月） | Monday | ビクトリアデー（Victoria Day） |
7月1日（水） | Wednesday | 建国記念日（Canada Day） |
8月3日（月） | Monday | 市民の日（BC Day）※州によって名称が異なる |
9月7日（月） | Monday | 労働者の日（Labour Day） |
9月30日（水） | Wednesday | 真実と和解の日（National Day for Truth and Reconciliation） |
10月12日（月） | Monday | 感謝祭（Thanksgiving Day）※多くの州で採用 |
11月11日（水） | Wednesday | 戦没者追悼記念日（Remembrance Day） |
12月25日（金） | Friday | クリスマス（Christmas Day） |
カナダの祝日・連休
1月1日（木）：元日（New Year’s Day）
一年のはじまりを祝う日。大晦日の夜からカウントダウンイベントが各地で行われ、新年の幸運や健康を願う人々で街がにぎわいます。ただし、カナダには日本のような“年末年始休暇”の習慣はなく、多くのお店や企業は翌日から通常営業に戻るのが一般的です。
2月16日（月）：家族の日（Family Day）
州によって扱いは異なりますが、カナダの多くの地域で家族との時間を大切にするために設けられている祝日です。外でのアクティビティやイベントに出かけたり、家族でゆっくり過ごす日として人気があります。また、この日は2月第3月曜日に設定されるのが基本です。
4月3日（金）：聖金曜日（Good Friday）
キリスト教でとても重要な日で、復活祭の直前にあたります。イエス・キリストの受難をしのぶ日として、多くの教会で礼拝が行われ、街はいつもより静かな雰囲気に。学校や公共機関はお休みになる地域がほとんどで、家族で穏やかに過ごす家庭も多い祝日です。
5月18日（月）：ビクトリアデー（Victoria Day）
ビクトリア女王の誕生日に由来する祝日で、カナダの“夏の始まり”を感じさせる日でもあります。パレードがあったり、花火が上がったりと、各地でにぎやかなイベントが開かれます。ピクニックやアウトドアを楽しむ人が増えるのもこの時期の風物詩です。
7月1日（水）：建国記念日（Canada Day）
1867年にカナダが自治を得たことを記念する、国全体が盛り上がる祝日です。赤と白の国旗カラーで街が彩られ、パレードやコンサート、花火大会などが一日中行われます。“カナダらしさ”を一番感じられる休日と言っても過言ではありません。
8月3日（月）：市民の日（BC Day）
ブリティッシュコロンビア州で祝われる記念日で、地域の歴史や文化に感謝する日として親しまれています。州内ではフェスティバルやマーケットなどが開かれ、ローカルコミュニティの雰囲気を味わうチャンスにもなります。
9月7日（月）：労働者の日（Labour Day）
労働者の権利や働くことの意義を見つめ直す祝日で、北米では夏の終わりを知らせる日としても知られています。家族でバーベキューを楽しんだり、夏休みのラストを満喫したりと、ゆったり過ごす人が多い一日です。また、この翌週から学校が新学期に入る地域もあります。
9月30日（水）：真実と和解の日（National Day for Truth and Reconciliation）
先住民族の子どもたちが経験した歴史的な苦難に向き合い、記憶し続けるために設けられた新しい祝日です。この日は教育イベントやコミュニティ活動が行われ、国全体で過去の問題と真剣に向き合う時間がつくられます。オレンジ色のシャツを着て、連帯を示す人も多く見られます。
10月12日（月）：感謝祭（Thanksgiving Day）
収穫や家族への感謝を表す祝日で、カナダではアメリカより1カ月早い10月に行われます。家族が集まり、七面鳥のローストなど伝統的な料理を囲みながらゆっくり過ごす、「あたたかい家庭の休日」というイメージがぴったり。紅葉が美しい時期なので、旅行者にとっても人気の時期です。
11月11日（水）：戦没者追悼記念日（Remembrance Day）
戦争で亡くなった兵士の犠牲を悼む日で、午前11時には国中で黙祷が行われます。胸に赤いポピーの花をつけて追悼を示すのが伝統で、記念式典も各地で開催されます。しずかに平和を祈る、厳粛な雰囲気に包まれる祝日です。
12月25日（金）：クリスマス（Christmas Day）
キリストの誕生を祝う日ですが、宗教を問わず多くの家庭で一年の大切な行事となっています。家族でプレゼントを開けたり、温かい食事を囲んで過ごす「一年の締めくくりの時間」。ショップやレストランは休業することが多いので、旅行中は事前の確認が安心です。
カナダの祝日・連休でよくある質問
カナダの祝日はどのように決まっていますか？
カナダの連邦祝日は連邦政府によって定められています。州や地方政府は独自の祝日を設けることもありますが、連邦祝日は全国で共通しています。カナダの祝日で大切な日はいつですか？
とくに大切とされる日は、建国記念日（Canada Day）と戦没者追悼記念日（Remembrance Day）です。キリスト教徒にとってはクリスマスも忘れてはいけない大切な祝日です。カナダの祝日にお店やレストランは開いていますか？
祝日には多くのお店やレストランが休業することがありますが、観光地や大都市では営業しているところも多いです。特に旧正月や秋夕の期間は多くの施設が休業するため、事前に確認することをお勧めします。カナダの祝日は仕事や学校が休みになるのですか？
連邦祝日の多くは、公共の学校や多くの職場で休日とされています。ただし私立学校や一部の職場では祝日でも開いている場合があります。また、小売業など一部の業界では祝日に特別な営業スケジュールを設けることが一般的です。
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カナダの祝日・連休は旅行に出掛けよう！
2026年の祝日・連休は日常を離れてリフレッシュする絶好のチャンスです。春のゴールデンウィークや夏のお盆休み、秋のシルバーウィーク、そして年末年始の休暇はカナダ旅行を楽しむのに最適な時期です。
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