
インドの祝日は、宗教・文化・歴史が折り重なるこの国ならではの魅力がつまっています。
ヒンドゥー教・イスラム教・シク教・キリスト教、そして地域ごとの伝統行事まで、祝日の種類がとても多いのがインドの特徴です。
さらに、インドの祝日は 全国で共通の休みになる日(National Holiday) と、
州ごとに異なる Public Holiday に分かれており、地域によって休み方が変わるのも大きなポイント。
旅行を予定している人は、どの州がいつ休みになるかを知っておくと安心です。
この記事では、2025年と2026年の祝日カレンダーをはじめ、
主要な祝日の意味・由来、宗教的背景、連休の並びなどをわかりやすくまとめました。
インド旅行の計画や、現地の文化をより深く知るための参考にしてみてください。
インドの祝日とは?【制度・文化・宗教の基礎知識】

インドの祝日は、宗教・文化・歴史が複雑に重なり合う国ならではの特色を持っています。
全国で共通して休みになる日もあれば、地域ごとに祝日が変わることもあり、
「多様性の国インド」らしい独自の仕組みがそのまま祝日に反映されています。
ここでは、まずインドの祝日の基本的な考え方を整理していきます。
インドの祝日は宗教・歴史に深く結びついている
インドの祝日は、複数の宗教が共存する国ならではの構成になっています。
- ヒンドゥー教:ディワリ(光の祭り)、ホーリー(水掛祭り)、ジャナマシュタミ(クリシュナ神生誕祭)
- イスラム教:イード・アル=フィトル(ラマダン明けの大祭)、犠牲祭、ムハンマド生誕祭
- シク教:グル・ナーナク生誕日
- キリスト教:クリスマス、聖金曜日
- 仏教:釈迦生誕日(ブッダ・プルニマ)
宗教行事が祝日として広く採用されている点が特徴で、同じ祝日でも地域や宗派によって祝い方が異なることがよくあります。
また、ガンジー生誕日や共和国記念日のように、国家的な記念日も重要な祝日として位置づけられています。
インドの祝日は「全国共通」と「州ごと」の2種類がある
インドの祝日は、次の2つに大きく分けられます。
● ① National Holiday(全国共通の祝日)
全国、すべての州で休みになる祝日。
例:共和国記念日(1月26日)、独立記念日(8月15日)、ガンジー生誕日(10月2日)
● ② Public Holiday(州ごとに異なる祝日)
宗教・文化・地域の慣習によって、州ごとに設定される祝日。
州によって休みになる日が違うため、旅行でも「どの地域が休みか」を確認する必要があります。
この2階層の仕組みが、インドの多様性を象徴しているポイントです。
なぜインドは祝日が多い国と言われるのか?
インドは世界有数の 「祝日大国」 と言われています。
その理由は主に次の3つです。
1.多宗教国家で、宗教行事がそのまま祝日として採用されている
(ヒンドゥー教・イスラム教・シク教・キリスト教・仏教など多宗教を反映)
2.州ごとに独自の祝日が存在し、地域差が大きい
全国共通の祝日に加えて、州による休みが積み重なる
3.季節の節目を祝う伝統行事も多い
光、春の訪れ、豊穣、誕生祭など
そのため、カレンダーの祝日数だけでなく、実質的な「休みの多さ」でも上位に入る国です。
2025年のインドの祝日カレンダー

2025年のインドは、宗教行事と国民的な祝日が年間を通して散らばっており、
前半・後半どちらも比較的バランスよく休みが配置されています。
まずは1年全体の流れをざっくりとつかんで、旅行やイベントの計画に役立ててみてください。
2026年のインドの祝日カレンダー

2026年は、春〜秋にかけて主要な祭日が続く年です。
宗教行事が集中する時期は地域によって街の雰囲気が大きく変わるため、訪れるタイミングを選ぶ際の参考になります。
1年間の祝日の並びを先にチェックしておくと、予定が立てやすくなります。
インドの祝日一覧表
インドの祝日を日付順にまとめた一覧です。
全国共通の祝日に加えて、宗教や地域によって重要視される行事も多く、インドならではの多様性がそのまま反映されています。
気になる祭日があれば、個別の項目で由来や特徴も確認できます。
月 | 祝日 |
1月26日 | 共和国記念日/Republick Day |
2月26日 | マハー・シヴァラートリー/Maha Shivaratri |
3月14日 | 水掛祭り/Holi |
3月31日 | イード・アル=フィトル/Id-ul-Fitr |
4月10日 | ジャイナ教マハビラ生誕日/Mahavir Jayanti |
4月18日 | 聖金曜日/Good Friday |
5月12日 | 釈迦生誕日 / Buddha Purnima |
6月7日 | イスラム教犠牲祭/Id-ul-Zuha |
7月6日 | イスラム新年 / Muharram |
8月15日 | 独立記念日 / Independence Day |
8月16日 | クリシュナ神生誕日/Janmashtami |
9月5日 | イスラム教ムハンマド生誕祭/Milad-un-Nabi(Prophet Mohammad's Birthday) |
10月2日 | ガンジー生誕日 / Gandhi Jayanti |
10月2日 | ヒンドゥー教ダシェラ祭/Dussehra |
10月20日 | ディワリ(ヒンドゥー教新年祭)/Diwali(Deepavali) |
11月5日 | シーク教ナナック生誕日/Guru Nanak's Birthday |
12月25日 | クリスマス / Christmas |
1月26日: 共和国記念日 (Republic Day)
共和国記念日は毎年1月26日にインドで祝われる国家的な祭日です。
この日は1950年にインド憲法が施行されたことを記念して制定されました。
インド全土で多彩な祝賀行事が行われ、特にニューデリーでの壮大な軍事パレードは必見です。
インドの自由と民主主義の象徴として、国民にとって大切な日です。
2月26日: マハー・シヴァラートリー(Maha Shivaratri)
マハー・シヴァラートリー(Maha Shivaratri)は、ヒンドゥー教の神シヴァを讃える重要な祭りです。
毎年2月または3月に行われ、信者たちは一晩中瞑想や祈りを捧げ、シヴァ神の神聖さを感じながら断食をすることが一般的です。
3月14日: 水掛祭り (Holi)
水掛祭り(ホーリー)は、春の到来と善の勝利を祝うヒンドゥー教の祭りです。
通常3月中旬から下旬にかけて行われ、
色鮮やかな粉末や水を人々が互いに掛け合いながら歓喜を表現することで知られています。
家族や友人が一堂に会し、食べ物や音楽を楽しみます。
3月31日: イード・アル=フィトル(Id-ul-Fitr)
断食明け大祭とは、ラマダンの断食月が終わることを祝います。
インドではこの祭りは特にIdul Fitriとして知られており、2024年は2日間にわたって祝われます。
家族や友人が集まり、特別な料理を共有してお互いに贈り物を交換します。
和解と共生の象徴として、多宗教的なインド社会において大切な祝日です。
4月10日: ジャイナ教マハビラ生誕日(Mahavir Jayanti)
マハーヴィーラの誕生日は、ジャイナ教の最も重要な祝日のひとつです。
マハーヴィーラはジャイナ教の創設者とされ、彼の教えは非暴力と厳しい禁欲主義に基づいています。
信者たちは寺院での礼拝、祈り、そして彼の教えを称える儀式に参加して、平和と慈悲のメッセージを共有する日です。
4月18日: 聖金曜日 (Good Friday)
聖金曜日はキリスト教の祝日で、イエス・キリストが十字架につけられ死んだ日を記念しています。
インドの多宗教的な文化の中でも重要な祝日のひとつ。
聖金曜日は復活祭の前の金曜日にあたり、多くのキリスト教徒が断食や祈りに包まれる日です。
教会での礼拝や特別な集会が行われ、キリストの犠牲と救済のメッセージが語られるでしょう。
5月12日: 釈迦生誕日 (Buddha Purnima)
釈迦生誕日は、仏教の創始者であるゴータマ・ブッダの誕生を祝う日です。
この日は満月の日にあたり、インドの仏教徒にとって重要な祭日です。
信者たちは寺院で祈りを捧げ、ブッダの教えを再確認します。
慈善活動や精神的な教育のイベントも多く行われ、ブッダの平和と慈悲のメッセージを中心に内省と精神的な浄化を促すことでしょう。
6月7日:イスラム教犠牲祭(Id-ul-Zuha)
イスラム教の犠牲祭(Id-ul-Zuha)は、神への信仰と献身を記念する祭りです。
神に感謝し、家畜(羊、牛、ヤギなど)を犠牲として捧げ、肉を貧しい人々と分け合います。家
族やコミュニティで祈りと祝宴を楽しむ重要な日です。
7月6日: イスラム新年 (Muharram)
イスラム新年は、イスラム暦の最初の月であるムハッラムの始まりを祝います。
この日はイスラム教徒にとって新しい年の始まりであり、多くの信者が断食や祈りを行い、新たな一年の幸運と平和を祈ります。
この月はイスラム歴史において重要な出来事があった月であり、敬虔なムスリムたちは内省と精神的な更新に時間を費やします。
8月15日: 独立記念日 (Independence Day)
独立記念日は、1947年8月15日にイギリスからの独立を達成したことを記念して制定されました。
インド全土で様々な祝賀行事が行われ、特に首都ニューデリーでの国旗掲揚式や首相の演説は国民的イベントです。
学校や公共の場所では文化的なプログラムや競技が開催され、国の達成を祝います。
8月16日:クリシュナ神生誕日(Janmashtami)
クリシュナ神生誕日(Janmashtami)は、ヒンドゥー教の神クリシュナの誕生を祝う祭りです。
毎年8月または9月に行われ、信者は夜通し祈り、歌い、踊ります。
特にクリシュナの幼少期の逸話を再現した「ダンダリア」や「ラサ・リラ」と呼ばれる演技が行われ、喜びと感謝の気持ちを捧げます。
9月5日: モハメッド生誕祭 (Anniversary of the birth of Prophet Mohammad)
モハメッド生誕祭は、イスラム教の創始者である預言者モハメッドの誕生を祝う日です。
この日はイスラム暦に基づいて決定され、毎年異なる日に祝われます。
信者たちはモスクで特別な祈りを捧げ、モハメッドの教えと彼の人生を称えます。
家族やコミュニティが集まり、食事を共にすることで団結を深めます。
10月2日: ガンジー生誕日 (Gandhi Jayanti)
ガンジー生誕日は、インドの独立運動の指導者であるマハトマ・ガンジーの誕生日を記念する日です。この日はガンジーの非暴力と平和の理念を称え、全国的に祝われます。学校や公共の場所ではガンジーの生涯と業績に関する活動が行われます。多くの人々が彼の墓地を訪れ、祈りを捧げるとともに、彼の遺した精神的な遺産を反映します。平和と調和への願いを新たにする日です。
10月2日: ダシャラー祭 (Dussehra)
ダシャラー祭はヒンドゥー教の重要な祭りで、善の勝利と悪の滅亡を象徴する日です。
この祭りはラーマが悪魔の王ラーヴァナを倒した物語に基づいており、インド全土でさまざまな儀式や行事が行われます。
劇やパレードでこの物語が再現され、特にラーヴァナの象徴的な燃焼は祭りのハイライトです。
家族や友人が集まり、神々への敬意を表しながら善良と正義の価値を祝います。
10月20日: ディーパバリ (Deepavali)
ディーパバリ、またはディワリとして知られるこの祭りは、「光の祭り」として有名です。
この日は光が闇を打ち消すことを象徴し、家族や友人が集まり、灯籠やろうそくを灯して家を飾ります。
華やかな花火や伝統的なスイーツの交換も特徴的で、喜びと繁栄の祝いが行われます。
ディーパバリは新しい始まりと内なる光を祝う、カラフルで楽しい祝日のひとつです。
11月5日:シーク教ナナック生誕日(Guru Nanak's Birthday)
シーク教の創始者グル・ナナックの生誕日(Guru Nanak's Birthday)は、毎年11月に祝われます。
グル・ナナックの教えを讃え、信者たちは寺院で祈りを捧げ、聖歌を歌い、慈善活動を行います。
この日、世界中のシーク教徒は、無償の奉仕(セヴァ)や食事の提供(ラングア)を通じて、ナナックの平和と平等のメッセージを広めます。
12月25日: クリスマス (Christmas)
クリスマスはキリスト教の祝日であり、イエス・キリストの誕生を祝う日です。
インドでは多宗教国家として、クリスマスも国内のキリスト教徒によって広く祝われます。
教会での礼拝や祈り、家族やコミュニティでの集まり、特別な食事がこの日の主な活動です。
街はイルミネーションやクリスマスツリーで飾られ、贈り物の交換など伝統的な祝祭行事が行われます。
2025年インドの祝日・連休でよくある質問
インドの祝日は地域ごとに違うのですか?
はい、インドの祝日は地域や州、宗教によって異なります。
例えば、南インドでは特定の祭り(オンム・チュットゥやテジャスなど)が重要視され、北インドでは別の祭り(ダシャラやラーム・ナヴァミなど)が祝われます。
シーク教徒はグル・ナナックの生誕日を祝いますが、ヒンドゥー教徒が祝う祭りはシーク教徒には通常関係ありません。インドで長期連休は可能ですか?
はい。ディーパバリやホーリーのような大きな祭りの時期は、数日間の連休になることが多いです。
ただし連休は州によって異なるため、具体的なスケジュールは地域によって確認する必要があります。インドの祝日でもっとも重要な日はいつですか?
全国的に広く祝われる祝日は1月26日の共和国記念日、8月15日の独立記念日、そして10月2日のガンジー生誕日が重要とされています。
これらの日はインドの国民にとって重要な意味を持ち、多くの公的行事や祝賀が行われます。インドの祝日は仕事や学校が休みになるのですか?
連邦祝日の多くは、公共の学校や多くの職場で休日とされています。ただし私立学校や一部の職場では祝日でも開いている場合があります。
また、小売業など一部の業界では祝日に特別な営業スケジュールを設けることが一般的です。
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インドの祝日を知って、旅行の計画をもっとスムーズに

2025年の祝日・連休は日常を離れてリフレッシュする絶好のチャンスです。
春のゴールデンウィークや夏のお盆休み、秋のシルバーウィーク、そして年末年始の休暇はインド旅行を楽しむのに最適な時期です。
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