
韓国旅行を計画するなら、現地の祝日を知っておくことが大切です。
韓国では旧暦を採用している祝日も多く、日本のカレンダーとは時期がズレることがあります。
この記事では、韓国の代表的な祝日とその文化的背景、旅行時の注意点を最新情報で紹介します。
※振替休日を含みます。旧暦の祝日は毎年日付が変わります。
韓国の祝日とは?【制度・歴史・文化】

韓国の祝日は、国民が休息しながら文化や歴史を振り返る日として定められています。
家族や友人と過ごす時間を大切にしながら、儒教や仏教などの伝統的価値観も反映されています。
日本とは異なる祝日の成り立ちや意味を知ると、旅がぐっと深まります。
韓国の祝日の仕組み(法定休日・公休日の違い)
韓国では、政府が定める「法定公休日」と、企業や自治体が独自に定める「準公休日」があります。
官公庁や学校、銀行は基本的に法定公休日が休みですが、企業は任意の場合もあります。
そのため、旅行中は「休みの日でもどこが開いているのか」をチェックすることが重要です。
韓国の祝日制定の背景と歴史
戦後の混乱期を経て整備された韓国の祝日制度は、建国や独立を象徴する日が中心です。
特に「三一節」や「光復節」は、国の誕生と独立への誇りを表す日。
また、旧暦に基づく「ソルラル」や「チュソク」は、古くから続く家族行事として今も重要な位置を占めています。
韓国の祝日が反映する文化・宗教・価値観
韓国では、家族や祖先を敬う儒教の価値観が色濃く残っています。
旧正月や秋夕では祖先を供養し、家族で伝統料理を囲むのが一般的。
一方で、キリスト教信者の多い韓国では、クリスマスも国を挙げて祝われます。
伝統と近代が共存する多彩な文化が、韓国の祝日をより魅力的にしています。
日本との違い(働き方・連休の取り方)
日本の祝日が均等に配置されているのに対し、韓国では長期連休が少ない代わりに「大型休暇」に集中します。
「旧正月」と「秋夕」の2大連休は全国的な帰省シーズンで、交通も観光も大混雑します。
旅行者は、混雑回避の計画を立てておくと安心です。
2025年の韓国の祝日一覧(法定祝日)

参考:祝祭日 | 韓国 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
韓国政府が定める「法定公休日」は、全国共通で官公庁・銀行・学校などが休みになります。
日付 | 名称 | 内容・意味 |
1月1日 | 元旦(シンジョン) | 新年を祝う日 |
2月16日〜18日 | 旧正月(ソルラル) | 家族で祖先を敬い新年を祝う |
3月1日 | 三一節(サミルジョル) | 日本統治時代の独立運動を記念 |
5月5日 | こどもの日(オリニナル) | 子どもたちの幸福を祝う日 |
5月24日 | 釈迦誕生日(プチョニモシンナル) | 仏教の開祖・釈迦の誕生を祝う |
6月6日 | 顕忠日(ヒョンチュンニル) | 戦没者を追悼する日 |
8月15日 | 光復節(クァンボクジョル) | 日本からの独立を祝う記念日 |
9月24日〜26日 | 秋夕(チュソク) | 祖先を供養し家族で過ごす韓国版お盆 |
10月3日 | 開天節(ケチョンジョル) | 建国神話に基づく国家誕生の日 |
10月9日 | ハングルの日(ハングルナル) | ハングル文字の制定を記念 |
12月25日 | クリスマス(ソンタンジョル) | イエス・キリストの誕生を祝う |
ここでは主要な祝日とその意味、旅行者が知っておくと役立つポイントを紹介します。
旧正月(ソルラル/설날)【毎年1月または2月】
韓国最大の年中行事で、日本の正月にあたります。
家族が集まり、祖先に感謝を伝える「チャレ(祭祀)」を行い、伝統料理「トック(餅スープ)」を食べます。
この時期は全国的に交通が混雑し、ソウル市内は静まり返るほど。観光には注意が必要です。
秋夕(チュソク/추석)【毎年9〜10月頃】
秋の収穫を祝う「韓国版お盆」。
家族が集まり、先祖に新米や果物を供える風習があります。
地方の市場は賑わいますが、多くの商業施設が休業するため、旅行前に営業日を確認しましょう。
三一節(サミルジョル/삼일절)【3月1日】
1919年、日本統治時代に起きた独立運動「三・一運動」を記念する日です。
全国で追悼行事や国旗掲揚が行われ、ソウルの「独立門」周辺は特に賑わいます。
歴史観光に興味がある方にはおすすめの時期です。
こどもの日(オリニナル/어린이날)【5月5日】
子どもの健やかな成長を願う日で、動物園や遊園地、博物館などではイベントが開催されます。
家族連れの多い明るい雰囲気で、観光にも向いている時期です。
光復節(クァンボクジョル/광복절)【8月15日】
1945年の日本からの独立を記念する祝日。
国旗が掲げられ、全国各地で式典やイベントが行われます。
歴史と平和を学ぶ旅をしたい人にぴったりのタイミングです。
ハングルの日(ハングルナル/한글날)【10月9日】
朝鮮王朝時代にハングル文字が制定されたことを祝う日です。
韓国語を学ぶ人にとって特別な日で、文化イベントや展示会が多数開催されます。
韓国のその他の祝日・記念日(準公休日)

準公休日は、政府機関や一部の企業・学校が休みになる日です。
日付 | 名称 | 内容 |
旧暦4月8日 | 釈迦誕生日(プチョニモシンナル) | 仏教の開祖・釈迦の誕生を祝う日 |
5月第3月曜日 | 成人の日(ソンニョネナル) | 新成人を祝う日 |
5月15日 | 教師の日(ススンイナル) | 教師への感謝を表す |
7月17日 | 憲法記念日(ジェホンジョル) | 大韓民国憲法の制定を記念 |
12月25日 | クリスマス(ソンタンジョル) | 宗教を超えて親しまれる冬の祝日 |
観光地や商業施設は通常営業のことが多いですが、地域によって違いがあるため事前確認をしましょう。
釈迦誕生日(プチョニモシンナル/부처님오신날)【旧暦4月8日】
仏教の開祖・釈迦の誕生を祝う日。
全国の寺院が色とりどりの提灯で飾られ、夜には幻想的なライトアップが楽しめます。
「曹渓寺(チョゲサ)」など首都圏の寺院では観光客にも人気のイベントです。
成人の日(ソンニョネナル/성년의날)【5月第3月曜日】
満19歳になった若者を祝う日。
街では花や香水を贈る姿が見られ、カフェやデパートでは限定ギフトが並びます。
記念撮影をする若者の姿も多く、明るい雰囲気に包まれます。
教師の日(ススンイナル/스승의날)【5月15日】
恩師に感謝を伝える日で、学生が手紙や小さなプレゼントを贈ります。
学校行事が行われるため、一部地域では混雑することも。
観光施設には大きな影響はありません。
憲法記念日(ジェホンジョル/제헌절)【7月17日】
1948年に大韓民国憲法が公布されたことを記念する日です。
祝日ではあるものの、近年は完全休業としない企業も増えています。
国立博物館や公的施設では記念展示が行われることもあります。
クリスマス(ソンタンジョル/성탄절)【12月25日】
宗教を超えて全国的に祝われる冬の一大イベント。
街中がイルミネーションで彩られ、ショッピングモールやカフェは大盛況です。
恋人同士や家族で過ごす日として定着しており、ロマンチックな雰囲気が漂います。
韓国の大型連休とその影響

韓国では、旧正月(ソルラル)と秋夕(チュソク)が「二大大型連休」と呼ばれます。
この時期は全国的な大移動が発生し、交通機関や観光地の混雑、商業施設の休業など、旅行に大きな影響があります。
日本のゴールデンウィークと似ていますが、日付が旧暦で毎年変わるため、旅行前に必ず確認が必要です。
旧正月(ソルラル)の連休と帰省ラッシュ
旧正月は、家族や親戚が一堂に会して新年を祝う韓国最大の行事。
そのため、高速道路・鉄道・空港が最も混雑する時期でもあります。
ソウル市内の観光地やショッピング街は人が少なく静かになりますが、伝統行事を体験したい旅行者にとっては絶好のチャンス。
民俗村や国立博物館では、韓服(チマチョゴリ)体験や伝統遊びイベントが行われます。
秋夕(チュソク)の連休と店舗休業
秋夕は「韓国のお盆」にあたる日で、全国が帰省ムードに包まれます。
デパートやローカル食堂は休業が多くなりますが、観光地やホテル併設のレストランは営業していることが多め。
この期間は、地方の市場や寺院で行われる秋夕祭りなど、韓国の“ふるさと文化”を感じるイベントが豊富です。
ゴールデンウィークとの違い・旅行時期の注意点
日本のゴールデンウィークが春に固定されているのに対し、韓国の大型連休は旧暦基準で毎年異なります。
そのため、年度によっては日本と連休が重なり、航空券・ホテル代が高騰することも。
早めの予約と、日程をずらした旅程設計がポイントです。
韓国の祝日の過ごし方と旅行イベント例

祝日は単なる休みではなく、韓国の人々にとって「文化や家族を感じる日」。
観光客にとっても、現地の行事や祭りに触れられる特別なタイミングです。
ここでは、代表的な祝日の過ごし方と、旅行で体験できるイベントを紹介します。
旧正月(ソルラル/설날)【1〜2月】家族団らんと伝統行事を体験
旧正月は家族行事の代表。
多くの人が地方へ帰省しますが、観光客は「南山韓屋村」「民俗村」で伝統遊びや餅つき体験を楽しめます。
新年の運勢を占う「歳拝(セベ)」体験も観光客に人気です。
秋夕(チュソク/추석)【9〜10月】韓国版お盆の温かい雰囲気を感じる旅
秋夕では祖先に感謝を捧げ、家庭では「ソンピョン(松餅)」を作るのが風習。
地方都市では収穫祭や伝統音楽イベントが開催され、文化を感じる旅に最適な時期です。
ハングルの日(한글날)【10月9日】文化イベントや展示会を楽しむ
ハングルの誕生を記念するこの日は、国立ハングル博物館や世宗大王記念館で特別展示が行われます。
ソウル市内では「ハングルフェスティバル」が開催され、観光と文化体験を同時に楽しめます。
釈迦誕生日(부처님오신날)【旧暦4月8日】寺院が彩られる幻想的な一日
全国の寺院が色鮮やかな提灯で飾られ、夜になると幻想的な光景が広がります。
特に「曹渓寺(チョゲサ)」や「通度寺(トンドサ)」ではライトアップと行列イベントが見どころです。
光復節(광복절)【8月15日】歴史を学ぶソウル観光にもおすすめ
独立を記念するこの日は、国立博物館や独立記念館などで式典が開かれます。
歴史的背景を学びながら、韓国という国の歩みを感じることができます。
バレンタイン&ホワイトデー【2月・3月】恋人たちの街ソウルを歩く
恋愛イベントとしても定着しており、ショッピングモールやカフェが装飾で華やかになります。
ペアスイーツや限定コスメなど、女性旅行者にも人気の時期です。
冬のクリスマスシーズン【12月】イルミネーション&カフェ巡りの人気時期
街全体がライトアップされ、ソウル広場や明洞、ロッテワールド周辺は写真映えスポットに。
夜景やスイーツ巡りを楽しむカップルでにぎわいます。
祝日の韓国旅行時に注意すべきこと
韓国の祝日は文化的に貴重な体験のチャンスですが、同時に混雑や休業などの注意点もあります。
旅行を快適に過ごすために、事前に知っておくべきポイントを紹介します。
祝日中の店舗・観光地・交通の営業状況
デパートやチェーン系カフェは営業していることが多いですが、個人経営の店は休業が多め。
特に旧正月・秋夕の初日は閉まるところが多いため、食事場所を確保しておくのが安心です。
交通はKTX・バス・地下鉄ともに混雑が予想されるため、事前予約をおすすめします。
銀行・役所・郵便局などの休業スケジュール
祝日はほぼ全ての公的機関が休業します。
両替・郵便・銀行手続きは、祝日前までに済ませておくとスムーズです。
空港内の両替所やホテル内ATMは利用可能です。
人気エリア(明洞・弘大・釜山など)の混雑傾向
祝日は国内観光客も増えるため、人気エリアはいつも以上に混み合います。
ただし、ビジネス街や大学周辺は人が少なく、静かに観光を楽しむチャンスでもあります。
おすすめの避け方・旅程調整のコツ
・祝日前後の日を避けて渡航する
・地方都市(全州・慶州など)で過ごす
・祝日は観光より「ホテルステイ」や「スパ体験」に充てる
この3つを意識するだけで、快適さが格段に上がります。
韓国の祝日に関するよくある質問
韓国の祝日についてのよくある質問をまとめました。
韓国の祝日は全部で何日?
法定公休日は約12日ありますが、旧暦による移動祝日が多いため、年によって増減します。
韓国の旧正月と秋夕は毎年日付が変わる?
はい。旧暦を基準にしているため、毎年カレンダー上で異なる日になります。
例年1〜2月の旧正月、9〜10月の秋夕が定番です。
韓国にゴールデンウィークはある?
日本のような固定連休はありません。
ただし、旧正月・秋夕が3連休以上になるため、その時期が「韓国の大型休暇」として機能しています。
韓国の祝日にショッピングはできる?
大型ショッピングモール(ロッテ、現代、新世界など)は営業が多く、観光客にも便利です。
ただし、伝統市場や一部レストランは閉まるため、前日に調べておくと安心です。
日本の祝日と重なる時期はある?
5月の「こどもの日」、8月の「光復節」は日本の連休と重なることがあります。
航空券やホテル代が上がりやすい時期なので、早期予約をおすすめします。
韓国旅行のよくある質問・チップやお金・食べ物について
韓国の祝日を理解して文化と旅をもっと楽しもう

韓国の祝日は、国の歴史・宗教・家族文化を映す特別な日。
旅行者にとっては混雑や休業という課題もありますが、祝日ならではの雰囲気や伝統行事に触れる絶好の機会でもあります。
日程を上手に選び、文化イベントや季節行事を楽しめば、
「ただの観光」ではなく「韓国の暮らしを体感する旅」になります。
次の旅行は、韓国の祝日を味方につけて、文化も歴史も丸ごと味わう旅を計画してみてください。
