
「ニューヨークへのチケットは取ったけれど、JFK空港からマンハッタンへの移動が不安……」
「地下鉄は治安が悪いと聞くし、タクシーはチップを含めるといくらかかるの?」
そんな悩みを抱えたまま、13時間のフライトを終えてジョン・F・ケネディ国際空港に降り立つのは避けたいですよね。
ジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)は、世界で最もエキサイティングな都市・ニューヨークの玄関口でありながら、
その広さと複雑さ、そして市内へのアクセスの分かりにくさで旅行者泣かせの空港としても有名です。
特に2025年現在は、大規模な再開発プロジェクト「Vision 2030」の真っ最中であり、
ターミナル間の移動ルートや道路状況が頻繁に変わっています。
古いガイドブックを信じて行動すると、工事中の壁に阻まれて搭乗口にたどり着けない……なんてことも。
本記事では、JALが移転した最新の第8ターミナル情報から、
渋滞知らずでマンハッタンへ35分で到着するLIRR(ロングアイランド鉄道)の賢い使い方、
そして乗り継ぎ待ちを「タイムスリップ体験」に変えるTWAホテルまでを網羅しました。
ニューヨーカーのように颯爽と空港を攻略し、エンパイア・ステート・ビルの輝きを最短ルートで見に行きましょう。
ジョン・F・ケネディ国際空港とは

ジョン・F・ケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport/空港コード:JFK)は、
ニューヨーク市クイーンズ区に位置する、アメリカ東海岸最大級のハブ空港です。
マンハッタンのミッドタウンから南東へ約24km(15マイル)の距離にあり、
ニューアーク空港(EWR)やラガーディア空港(LGA)と並ぶニューヨーク3大空港の一つです。
この空港の最大の特徴は、「とにかく巨大で、常に工事中である」こと。
6つのターミナルが環状道路を囲むように配置されていますが、
ターミナル間の移動には「エアトレイン(AirTrain)」という無人電車が必須です。
また、国際線の到着便が重なる夕方の時間帯は、入国審査(イミグレーション)で60分〜90分待ちになることも珍しくありません。
「JFKに到着してからマンハッタンのホテルに着くまで、3時間は見ておく」のが、旅慣れた人の鉄則です。
ジョン・F・ケネディ国際空港のターミナルは5か所

ジョン・F・ケネディ国際空港で主要な稼働ターミナルは第1、第4、第5、第7、第8の5つです(第2、3、6は閉鎖または建設中)。
利用する航空会社によってターミナルが大きく離れているため、
間違えるとエアトレインでの移動に20分以上のロスが発生します。
特に日系エアラインを利用する場合、
JALは第8、ANAは第7と全く別の場所になるため、事前の確認が不可欠です。
第1ターミナル(Terminal 1):国際線の主要玄関
第1ターミナルはエールフランス、ルフトハンザ、大韓航空、中国国際航空など、多くの非米国系航空会社が乗り入れています。
このターミナルの特徴は、到着ロビーの混雑具合です。アジアやヨーロッパからの大型機が集中するため、
入国審査の列はJFKの中でも最長クラスになりがちです。
また、現在は隣接エリアで「新第1ターミナル」の建設工事が行われており、道路事情が悪化しています。
タクシー乗り場や配車アプリのピックアップポイントが変更されることも多いため、
到着後は案内表示をよく確認し、係員の指示に従う柔軟性が求められます。
第4ターミナル(Terminal 4):デルタ航空・ヴァージン
第4ターミナルはデルタ航空のハブであり、シンガポール航空やエミレーツ航空などの長距離国際線も発着する、JFKで最も巨大なターミナルです。
とにかく横に長い構造をしており、
保安検査場を抜けてから一番端のゲート(B55など)までは、早足で歩いても15分〜20分かかります。
動く歩道はありますが、搭乗時刻ギリギリにラウンジを出ると乗り遅れるリスクが高いので注意が必要です。
一方で、ショップやレストランの充実度は空港内No.1。
「Shake Shack」などの人気店もあり、出発前の時間を楽しむには最適な場所です。
第5ターミナル(Terminal 5):ジェットブルー・TWAホテル
第5ターミナルはLCCのジェットブルー航空(JetBlue)がメインで使用しているターミナルです。
ここの最大の特徴は、かつての名建築「TWAフライトセンター」をリノベーションした「TWAホテル」に直結している点です。
到着ロビーからエレベーターと独特なチューブ状の通路を通って、徒歩数分でホテルへアクセスできます。
ターミナル自体はモダンで機能的ですが、国際線の到着機能は限定的であるため、
主にアメリカ国内線やカリブ海方面への移動で利用することになります。
フードコートはタッチパネル注文が主流で、近未来的な雰囲気です。
第7ターミナル(Terminal 7):ANA・アラスカ航空など
第7ターミナルは全日空(ANA)、アラスカ航空、エア・カナダなどが利用しています。
かつてはブリティッシュ・エアウェイズの拠点でしたが、現在は移転しています。
他のターミナルに比べて建物が古く、コンパクトなのが特徴です。
メリットとしては、小型であるため到着ゲートから入国審査、出口までの距離が短く、
飛行機を降りてから外に出るまでの時間が比較的短いことが挙げられます。
ただし、2026年以降に予定されている「新第6ターミナル」への統合・再開発計画があるため、
店舗の撤退などが進んでおり、ショッピングや食事の選択肢は少なめです。
必要な買い物はセキュリティチェック前に済ませるか、マンハッタンで買っておくのが無難です。
第8ターミナル(Terminal 8):JAL・アメリカン航空
第8ターミナルはアメリカン航空のハブであり、2023年5月からは日本航空(JAL)もこの第8ターミナルへ移転しました。
リニューアルされたばかりで非常に綺麗ですが、奥行きがある構造です。
保安検査場を通過した後、
JAL便が出発することの多いゲートまでは地下通路を通って移動する必要がある場合もあります。
このターミナルの目玉は、アメリカン航空とブリティッシュ・エアウェイズが共同運営する新しいラウンジです。
シャンパンバーを備えた豪華な空間は、ワンワールドの上級会員にとって新たな楽しみとなっています。
ジョン・F・ケネディ国際空港から市内へのアクセス方法

ジョン・F・ケネディ国際空港からマンハッタンへの移動手段は、
「予算」「荷物の量」「時間の正確さ」のどれを優先するかで決まります。
特に夕方の渋滞は致命的なので、時間帯によっては鉄道利用が賢明です。
【マンハッタン(ミッドタウン)へのアクセス比較表】
移動手段 | 所要時間 | 料金目安 | おすすめのタイプ |
LIRR + エアトレイン | 35〜45分 | 約13〜20 | イチオシ! バランス重視、急ぎの人 |
地下鉄 (E線/A線) + エアトレイン | 60〜90分 | 約$12 | バックパッカー、最安値希望 |
イエローキャブ (Taxi) | 60〜90分 | $70(定額)+通行料+チップ | 荷物が多い、3人以上のグループ |
Uber / Lyft | 60〜90分 | 80〜120(変動制) | アプリ決済希望、英語が不安な人 |
1. LIRR(ロングアイランド鉄道)+ エアトレイン:最速・快適
現在、最もおすすめなのが「LIRR(ロングアイランド鉄道)+ エアトレイン」のルートです。
各ターミナルからエアトレインで「Jamaica Station(ジャマイカ駅)」へ移動し、
そこからLIRRに乗り換えて「Grand Central Madison(グランドセントラル)」または「Penn Station(ペン駅)」へ向かいます。
ジャマイカ駅からマンハッタンまでわずか20分程度。
地下鉄のような不気味さもなく、座席も快適です。
2023年にグランドセントラル直通の新線が開通し、東側のホテルへのアクセスが劇的に向上しました。
料金はピーク時(朝夕)とオフピークで異なりますが、タクシーの5分の1程度の価格で、渋滞知らずの移動ができるのは最強です。
2. 地下鉄(Subway E線/A線)+ エアトレイン:最安だがハード
地下鉄(Subway E線/A線)と エアトレインを利用した方法は、「とにかく安く済ませたい」という人向けです。
エアトレインで「Jamaica Station(E線)」または「Howard Beach(A線)」へ出て地下鉄に乗り換えます。
ニューヨークの地下鉄駅にはエスカレーターやエレベーターがない(または壊れている)場所が多いです。
20kgのスーツケースを持って階段を上り下りするのは修行に近い行為です。
また、深夜の地下鉄は治安面で不安が残るため、女性一人旅や夜間の到着時には避けたほうが無難です。
改札は「OMNY(コンタクトレス決済)」対応なので、クレカのタッチで乗車できます。
3. イエローキャブ(Yellow Cab):定額制だがチップに注意
到着ロビーを出て「Taxi」の看板に並びます。係員がいる正規乗り場から乗車してください。
料金:JFKからマンハッタンまでは「フラットレート(定額)」で70です。
しかし、これに「ラッシュアワー割増(5)」「空港アクセス料」「トンネル通行料」、
さらに「チップ(15-20%)」が加算されるため、最終的な支払額は$100を超えることがほとんどです。
ターミナル内で「タクシー?ウーバー?」と声をかけてくる白タクは100%無視してください。
法外な値段をふっかけられます。
4. Uber / Lyft:配車アプリ
アプリで行き先を指定できる安心感があります。
言葉の壁がなく、明朗会計。
ジョン・F・ケネディ国際空港周辺の道路工事の影響で、ピックアップポイントが駐車場の中など分かりにくい場所に指定されることがあります。
また、雨天時や到着便が重なる時間帯は「サージプライシング(価格高騰)」が発生し、
イエローキャブより高くなる(120~150)ことも珍しくありません。
アプリで料金を確認し、高すぎると感じたらイエローキャブの列に並ぶ柔軟さが必要です。
より安心して移動したい方には、Trip.comのプライベート送迎がおすすめ!
- 【ジョン・F・ケネディ国際空港⇒マンハッタンエリアの料金例】

ジョン・F・ケネディ国際空港のラウンジは多数

ジョン・F・ケネディ国際空港のラウンジは、航空会社のフラッグシップが集まる豪華な空間です。
出発前のひとときを、ニューヨーカー気分で過ごしましょう。
格式の違いも感じられますのでご希望のラウンジをぜひチェックしておきましょう。
ソーホー・ラウンジ(Soho Lounge) / 第8ターミナル
ソーホー・ラウンジは2022年末にオープンした、
JALとアメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズの共同ラウンジです。
ワンワールドのエメラルド会員(JGCプレミア以上)などが利用可能。
床から天井までの窓から駐機場を一望できる開放的な空間。
オーダー式の食事や、豊富なワインリストが魅力です。
以前のJALサクララウンジよりも数段グレードアップしており、シャワールームも完備されています。
仕事をするための個室ブースも多く、ビジネスマンには最適な環境です。
デルタ・スカイクラブ(Delta Sky Club) / 第4ターミナル
デルタ・スカイクラブは第4ターミナルのAコンコースにある、デルタ航空の旗艦ラウンジです。
JFKで唯一の「屋外スカイデッキ」があり、
外の空気を吸いながら飛行機の離着陸を眺めることができます。
ニューヨーク地元の食材を使ったビュッフェが充実しており、
ベーグルやホットドッグなどのNY名物も楽しめます。
ただし、非常に人気があるため常時混雑しており、
入場制限がかかることもあります。時間に余裕を持って訪れましょう。
センチュリオン・ラウンジ(The Centurion Lounge) / 第4ターミナル
センチュリオン・ラウンジはアメックス・プラチナカード会員などが利用できるラウンジです。
禁酒法時代の隠れ家バー(スピークイージー)を模した「1850」というバーエリアがあり、専門のバーテンダーが作るカクテルは絶品です。
有名シェフ監修の食事が提供されており、ラウンジ飯の域を超えたクオリティを楽しめます。
ここも人気が高く、アプリでの事前チェックインが必要な場合が多いです。
ジョン・F・ケネディ国際空港でのおすすめの過ごし方

乗り継ぎ時間が長い場合や、早めにジョン・F・ケネディ国際空港に着いてしまった場合、
せっかくの時間をただ無駄に過ごすのはもったいないです。
最後まで有意義に過ごすことができるおすすめスポットをいくつかご紹介しましょう。
TWAホテルで60年代にタイムスリップ(第5ターミナル)
ジェットブルーの第5ターミナル直結の「TWAホテル」は、宿泊者でなくてもロビーエリアに入ることができます。
真っ赤なカーペットと流線型の建築は、1960年代のジェットエイジそのもの。
ロビー中央にあるサンクンラウンジ(Sunken Lounge)からは、
巨大な窓越しにクラシックカーやかつてのTWA機(コニー)が見えます。
屋外に展示されている飛行機「コニー(Connie)」の中はカクテルバーになっています。
ここでマティーニを一杯飲めば、映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の世界に入り込んだような気分になれます。
最後のNYグルメを堪能(第4ターミナルほか)
ジョン・F・ケネディ国際空港の第4ターミナルには、
ニューヨーク発祥の人気ハンバーガー店「Shake Shack(シェイク・シャック)」があります。
市内の店舗はいつも行列ですが、空港店(特に朝の時間帯)は比較的スムーズに買える穴場です。
ジューシーなシャックバーガーと波型ポテトフライを最後に味わってから出国しましょう。
また、お土産には「Dylan's Candy Bar」のカラフルなお菓子や、「I LOVE NY」のベタなTシャツも空港ならサイズが豊富に揃っています。
ジョン・F・ケネディ国際空港に近いおすすめホテル3選!
「夜遅く着いてマンハッタンへの移動が怖い」「早朝便だから空港近くに泊まりたい」という方に、
ジョン・F・ケネディ国際空港周辺のホテルを紹介します。
わざわざ遠くまで行かなくても、空港近辺におすすめのホテルがありますので、ぜひチェックしてみてください。
1. TWAホテル (TWA Hotel)

TWA ホテル アット JFK エアポート
TWAホテルはジョン・F・ケネディ国際空港敷地内にある唯一のホテル。第5ターミナル直結。
値段は張りますが、移動時間ゼロの利便性と、ここに泊まること自体が観光になる価値があります。
防音ガラスが徹底されており、飛行機の目の前でも静寂が保たれています。
項目 | 詳細情報 |
住所 | One Idlewild Drive, JFK International Airport |
電話番号 | +1 212-806-9000 |
参考料金 | 1泊 250〜400(約38,000円〜) |
特徴 | 圧倒的なデザイン性。屋上のインフィニティプールから滑走路が見える。 |
2. ハイアット リージェンシー JFK エアポート (Hyatt Regency JFK Airport)

ハイアット リージェンシー JFK エアポート アット リゾーツ ワールド ニューヨーク
ハイアット リージェンシー JFK エアポートはリゾート・ワールド・カジノに隣接する新しいホテルです。
客室が広くモダンで、マンハッタンのスカイラインが見える部屋もあります。
カジノが併設されているため、夜遊びも可能。
LIRRのジャマイカ駅へのアクセスも悪くありません。
項目 | 詳細情報 |
住所 | 110-00 Rockaway Blvd, Jamaica, NY 11420 |
電話番号 | +1 718-659-3333 |
参考料金 | 1泊 $200〜(約30,000円〜) |
アクセス | 空港から車で約10〜15分(無料シャトル等要確認) |
3. レジデンス イン バイ マリオット JFK エアポート (Residence Inn by Marriott New York JFK Airport)

レジデンス イン バイ マリオット JFK エアポートは長期滞在にも適したキッチン付きのホテルです。
無料の朝食ビュッフェが付いており、コスパ重視派におすすめ。
空港シャトルバスが頻繁に運行しているため、早朝便の前泊に非常に便利です。
周辺にレストランは少ないですが、ホテル内の売店やデリバリーでカバーできます。
項目 | 詳細情報 |
住所 | 142-30 135th Avenue, Jamaica, NY 11436 |
電話番号 | +1 718-322-2400 |
参考料金 | 1泊 $180〜(約27,000円〜) |
アクセス | 空港から無料シャトルバスあり |
ジョン・F・ケネディ国際空港は全てが揃うニューヨークのダイナミズムを象徴

ジョン・F・ケネディ国際空港は、ニューヨークのダイナミズムを象徴するかのような巨大で複雑な場所です。
しかし、「LIRRを使って渋滞を回避する」「自分のターミナルを事前に把握する」「Uberではなく定額タクシーを検討する」といったポイントを押さえておけば、決して怖い場所ではありません。
到着した瞬間から始まるニューヨークのエネルギーに飲み込まれることなく、
この記事を参考にしてスマートにマンハッタンへ繰り出してください。


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