
「ロンドンへの航空券を予約したけれど、ヒースロー空港での移動が不安……」
「ヒースローエクスプレスとエリザベスライン、結局どっちに乗るのが正解?」
そんな疑問を抱えたまま現地に到着すると、貴重な時間を大幅にロスしてしまいます。
ロンドン・ヒースロー空港(LHR)は世界で最も忙しい空港の一つであり、
ターミナル間の移動だけでバスが必要だったり、
市内への移動手段が複雑だったりと、旅行者泣かせの「迷宮」でもあります。
到着ロビーに出た瞬間、タクシー乗り場の長蛇の列に並んでしまい、Uberなら半額で済んだのに……と後悔するのは避けたいですよね。
本記事では、JALやANAが発着するターミナルの詳細から、
予算と時間を天秤にかけた最適なアクセス方法、そして乗り継ぎ待ちを優雅なティータイムに変えるラウンジ情報までを網羅しました。
巨大空港をスマートに攻略して、ロンドン塔やビッグ・ベンへの観光をスムーズにスタートさせましょう。
ロンドンヒースロー空港とは

ロンドン・ヒースロー空港
ロンドン・ヒースロー空港(London Heathrow Airport/空港コード:LHR)は、
イギリス最大の空の玄関口であり、ロンドン中心部から西へ約25kmに位置しています。
この空港の最大の特徴は「ターミナルが広範囲に散らばっていること」です。
かつての第1ターミナルは閉鎖されており、
現在は第2〜第5ターミナルが稼働していますが、それぞれの建物は滑走路を挟んで遠く離れています。
【移動時間の罠】
「同じ空港内だから乗り継ぎは1時間で大丈夫」は大間違いです。
ターミナル間の移動には無料の鉄道やバスを利用する必要があり、
セキュリティチェックを含めると最低でも90分〜2時間の余裕が必要です。
特にT5からT2への移動などは、一度外に出る感覚に近い距離感であることを覚悟しておきましょう。
ロンドンヒースロー空港のターミナルは4か所

現在稼働しているのは、第2、3、4、5の4つのターミナルです。
利用する航空会社によって行き先が完全に異なるため、間違えると大惨事になります。
特に日系エアラインを利用する場合、ANAとJALではターミナルが異なる点に注意してください。
第2ターミナル(The Queen's Terminal):ANA・スターアライアンス
2014年に開業した比較的新しいターミナルで、「クイーンズ・ターミナル」と呼ばれています。
主に全日空(ANA)やルフトハンザ航空、ユナイテッド航空などのスターアライアンス加盟航空会社が利用しています。
施設は近代的で明るく、動線も比較的スムーズですが、
ゲートによっては本館から離れたサテライト(Bゲート)まで歩く必要があります。
動く歩道はありますが、搭乗ゲートまでは保安検査場通過後、
早足でも15分ほどかかることを見込んで行動してください。
到着時の入国審査エリアも広く、ピーク時は混雑します。
第3ターミナル(Terminal 3):JAL・ワンワールド
日本航空(JAL)やキャセイパシフィック航空、ヴァージン・アトランティック航空などが利用するターミナルです。
建物自体は古さを感じさせますが、内装はリニューアルされており、
特に免税店やブランドショップの充実度は空港内随一です。
注意点は「フライト・コネクション(乗り継ぎセンター)」がここにあるため、乗り継ぎ客で常に混雑していることです。
また、天井が低く圧迫感があるエリアも多いため、
チェックイン後は早めにラウンジやショップエリアへ抜けることをおすすめします。
JALのカウンターは通常Zone D周辺にあります。
第4ターミナル(Terminal 4):スカイチーム・中東系など
空港の南側に位置し、少し離れた場所にあるのが第4ターミナルです。
主にスカイチーム(エールフランス、KLMオランダ航空)やカタール航空、エティハド航空などが利用しています。
他のターミナルからのアクセスが悪く、
ヒースローエクスプレスやエリザベスラインを利用する場合も乗り換えが必要になるケースがあります。
利用客は比較的少なめですが、その分ショップやレストランの数もT2やT5に比べると見劣りするかもしれません。
このターミナルを利用する場合は、移動時間にプラス20分のバッファを持たせてください。
第5ターミナル(Terminal 5):ブリティッシュ・エアウェイズ専用
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のハブ空港として機能する、ヒースロー最大のターミナルです。
巨大なガラス張りの建築が特徴で、本館(Aゲート)に加え、サテライトのBゲート、Cゲートがあります。
ここでの最大の注意点は「サテライトへの移動」です。B・Cゲートへは地下を走る無人シャトルに乗る必要があります。
もし搭乗口がCゲートだった場合、メインの免税店エリアから移動するだけで20分近くかかります。
「搭乗開始」のアナウンスが流れてから移動を始めたのでは間に合わない可能性があるため、
掲示板でゲート番号が表示されたら即座に移動を開始しましょう。
ロンドンヒースロー空港から市内へのアクセス方法

ロンドン市内への移動手段は多岐にわたりますが、決定打となるのは「予算」と「目的地」です。
2022年に全線開通したエリザベスラインがゲームチェンジャーとなっています。
【ロンドン市内へのアクセス比較表】
移動手段 | 所要時間(パディントン/市内迄) | 料金目安 | おすすめのタイプ |
ヒースローエクスプレス | 約15分 | £25.00〜 | 時間をお金で買うビジネスマン |
エリザベスライン | 約30〜40分 | £13.30 | イチオシ! バランス重視の旅行者 |
地下鉄(ピカデリー線) | 約60分 | £5.60 | 節約派、荷物が少ない人 |
タクシー (Black Cab) | 約60〜90分 | £80.00〜 | ドア・トゥ・ドア希望、3人以上のグループ |
※価格は2025年時点の目安です。
1. エリザベスライン(Elizabeth Line)
現在、最もおすすめなのがこの路線です。
ヒースロー空港からパディントン駅まで約30分、
さらにトッテナム・コート・ロードやリバプール・ストリートといった市内の主要駅まで乗り換えなしで直通します。
車両が新しく、冷房完備でWi-Fiもサクサク繋がります。
ヒースローエクスプレスの半額近い料金(約£13.30)で利用でき、コストパフォーマンスが抜群です。
日曜日は運行本数が減る、あるいはメンテナンスで運休することがあるため、
週末到着の場合は公式サイトで運行状況をチェックしてください。
2. ヒースローエクスプレス(Heathrow Express)
空港とパディントン駅をノンストップ15分で結ぶ特急列車です。
圧倒的な速さと快適さ。座席には電源があり、荷物置き場も広いです。
片道£25(約4,800円)と高額です。
ただし、90日以上前にオンラインで早割チケットを購入すれば£5.50〜になる場合もあるため、
予定が決まっているなら早期予約が必須です。
直前に買うと世界一高い鉄道区間の一つになります。
3. 地下鉄ピカデリー線(Tube / Piccadilly Line)
ロンドン名物の地下鉄(チューブ)で市内へ向かう最安ルートです。
片道£5.60(オイスターカードやコンタクトレス決済利用時)と格安。
キングス・クロス駅やピカデリー・サーカスへ直通します。
尚、車両が古く狭いため、大きなスーツケースを持っての乗車は周囲の目が痛いです。
また、冷房がない車両が多く、夏場は蒸し風呂状態になります。
エレベーターのない駅も多いため、重い荷物がある場合は避けるのが賢明です。
4. タクシー(ブラックキャブ)または配車アプリ(Uber)
荷物が大量にある場合や、ホテルの玄関まで直行したい場合は車移動です。
予約不要で乗れますが、市内まで£80〜£110(約15,000円〜20,000円)かかります。
5人乗りが可能なのでグループなら割安になることも。
Uberはブラックキャブより2〜3割安いですが、ターミナルごとの指定ピックアップ場所(駐車場内など)まで移動する必要があります。
到着ロビーの目の前には来てくれないので、雨の日などは少し不便を感じるかもしれません。
ロンドン市内へより安心して移動したい方には、Trip.comのプライベート送迎がおすすめ!
- 【ヒースロー空港⇒大英博物館の料金例】

ロンドンヒースロー空港のラウンジは複数あり

LHR11-Plaza-Premium-Lounge | Priority Pass
ヒースローのラウンジは、航空ファン憧れの場所でもあります。
特に第3ターミナルには、航空会社のフラッグシップラウンジが集中しています。
ヴァージン アトランティック クラブハウス(Virgin Atlantic Clubhouse)
第3ターミナルにある、世界で最もスタイリッシュなラウンジの一つです。
まるで高級クラブのような内装で、カクテルバーはもちろん、
ヘアサロン(散髪・スタイリング)やスパトリートメントまで完備されています。
食事はフルサービスのダイニング形式で、オーダー式のハンバーガーや英国式朝食が楽しめます。
利用条件はヴァージンアトランティックの上級クラス乗客や、デルタ航空の一部会員などが利用可能です。
キャセイパシフィック航空 ラウンジ(Cathay Pacific Lounge)
同じく第3ターミナルにあり、ワンワールドのステータス(JALのJGCプレミア以上など)があれば利用可能です。
香港の本拠地と同様のクオリティを誇ります。
静かで落ち着いた雰囲気は、賑やかな空港内とは思えないほど。
名物の「担々麺」や「ワンタン麺」がオーダー可能。
ロンドンにいながら本格的なアジアの味が楽しめ、帰国前の胃袋を癒やしてくれます。
プラザプレミアムラウンジ(Plaza Premium Lounge)
第2、4、5ターミナルにあり、プライオリティ・パスで利用できる貴重なラウンジです。
航空会社のステータスがなくても利用できるため重宝しますが、その分混雑しやすいのが難点です。
シャワールーム(有料の場合あり)や個室ブースがあり、
長時間のフライト前にリフレッシュするのに最適です。
T2のラウンジはインテリアも美しく、英国式のホットミールも充実しています。
ロンドンヒースロー空港でのおすすめの過ごし方

出発までの待ち時間を単なる「待機」にせず、英国文化を楽しむ最後のチャンスに変えましょう。
フォートナム&メイソンで最後のティータイム
第5ターミナルには、英国王室御用達の百貨店「Fortnum & Mason」のバーがあります。
市内の店舗は予約必須で混雑していますが、空港店は比較的スムーズに入れます。
「シャンパンとスコーンのセット」を注文し、優雅に旅を締めくくりましょう。
ここで紅茶缶やビスケットなどのお土産を購入すれば、
手荷物として持ち込めるためスーツケースの重量を気にする必要がありません。
「Royal Blend」の紅茶缶(250g・約£15)は定番中の定番です。
ハリー・ポッター・ショップで魔法界へ
第5ターミナルなどにある公式ショップ「The Harry Potter Shop」は、ファンならずとも立ち寄りたいスポットです。
キングス・クロス駅のショップほど混雑しておらず、
杖や寮ごとのマフラーなどをゆっくり選べます。
空港限定のグッズがあることも。ロンドン旅行の記念に、
グリフィンドールのロゴ入りパーカーなどを最後に調達する旅行者が多いです。
展望デッキで飛行機ウォッチング(第4ターミナル)
ヒースローには公式の屋外展望デッキ(View Heathrow)が第4ターミナルにあります。
出発ロビーのカフェの近くに入り口があります。
ガラス越しではなく、屋外の風を感じながら世界中の飛行機が離着陸する様子を眺められます。
270度のパノラマビューは圧巻。特に飛行機好きでなくても、そのダイナミックな光景には見入ってしまうはずです。
ロンドンヒースロー空港に近いおすすめホテル3選!
「早朝便で市内から移動するのが不安」「夜遅く着いて移動したくない」という場合は、空港直結ホテルが最強の選択肢です。
1. ソフィテル ロンドン ヒースロー(Sofitel London Heathrow)

ソフィテル ロンドン ヒースロー
第5ターミナルに直結した唯一のラグジュアリーホテルです。
高級感あふれるアトリウムや質の高いレストランがあり、
空港ホテルとは思えない滞在が楽しめます。BA利用ならここ一択です。
項目 | 詳細情報 |
住所 | Terminal 5, London Heathrow Airport, TW6 2GD |
電話番号 | +44 20 8757 7777 |
参考料金 | 1泊 約£200〜(約38,000円〜) |
特徴 | T5へ徒歩数分。防音が完璧で静寂な空間。 |
2. ヒルトン ガーデン イン ロンドン ヒースロー ターミナル2/3

Hilton Garden Inn London Heathrow Terminal 2 and 3
第2ターミナルに直結し、第3ターミナルへも地下通路で徒歩圏内の便利なホテルです。
ANAやJAL利用者に最も利便性が高いホテルです。
開業も新しく清潔で、部屋から飛行機の離着陸が見える部屋もあります。
項目 | 詳細情報 |
住所 | Terminal 2, Heathrow Airport, TW6 1AH |
電話番号 | +44 20 3972 9700 |
参考料金 | 1泊 約£150〜(約28,000円〜) |
特徴 | 滑走路が見渡せる「Runway Bar」が人気。 |
3. エアロテル ロンドン ヒースロー(Aerotel London Heathrow)

エアロテル ロンドン ヒースロー エアポート ターミナル 2-3
第3ターミナルの到着ロビー(ランドサイド)にあるトランジットホテルです。
乗り継ぎ時間が長い場合や、深夜到着で朝まで仮眠を取りたい場合にコストを抑えて利用できます。
T3の中にあるため、JAL便利用時の前泊・後泊に便利です。
項目 | 詳細情報 |
住所 | Terminal 3 Arrivals Hall, TW6 1QG |
電話番号 | +44 20 8745 9805 |
参考料金 | 6時間利用 約£60〜 |
特徴 | 時間貸しが可能。仮眠やシャワーのみの利用に最適。 |
ロンドンヒースロー空港攻略の鍵は「事前準備」にあり

ロンドン・ヒースロー空港は巨大で複雑ですが、
事前に「自分のターミナル」と「最適な移動手段」さえ決めておけば、決して怖い場所ではありません。
市内への移動は「迷ったらエリザベスライン」が現代の最適解です。
また、帰国時は少し早めに空港へ行き、
ハロッズやフォートナム&メイソンで最後のショッピングを楽しむのも良いでしょう。
この記事のマップや情報を活用して、
英国旅行の最初と最後をスムーズに、そして快適に過ごしてください!
