
「世界一の空港」と称されるシンガポール・チャンギ国際空港。
しかし、到着ロビーに降り立った瞬間、その広大さに圧倒されてしまう旅行者は少なくありません。
「ジュエル(Jewel)の滝を見たいけれど、ターミナル間の移動はどうすればいい?」
「深夜便で着いたけれど、タクシーと配車アプリ(Grab)、どっちが得?」
そんな疑問を持ったまま現地でスマホ検索をするのは、貴重な旅行時間のロスです。
本記事では、4つのターミナルを繋ぐ移動ルートから、市内へ最安200円台で移動できるMRTの乗り方、
深夜のトランジットでも足を伸ばして眠れるラウンジ情報までを網羅しました。
巨大なチャンギ空港を「迷路」ではなく「アトラクション」として楽しむための攻略ガイドです。
シンガポールチャンギ国際空港とは

シンガポール・チャンギ国際空港
シンガポール・チャンギ国際空港(Singapore Changi Airport/空港コード:SIN)は、東南アジア最大のハブ空港です。
単なる交通拠点ではなく、巨大商業施設「ジュエル(Jewel)」を併設しており、空港自体が観光地化しています。
2025年の現在、入国審査は自動化ゲート(Automated Clearance Initiative)が主流です。
日本人はパスポートをスキャンするだけで、会話なしで通過可能です。
ただし、事前に「SG Arrival Card(電子入国カード)」の登録が必須となるため、出発3日前までに必ず済ませておきましょう。
シンガポールチャンギ国際空港のターミナルは4か所

シンガポール・チャンギ国際空港
チャンギ空港には第1〜第4ターミナル(T1〜T4)があります。
注意すべきは「T4だけ離れ小島である」という点です。
T1・T2・T3は「スカイトレイン」や徒歩で繋がっていますが、T4だけはシャトルバス移動が必須です。
第1ターミナル(T1):JAL・ジェットスターなど
巨大複合施設「ジュエル(Jewel)」に直結しています。
主な航空会社はJAL(日本航空)、ジェットスター・アジア、カンタス航空などです。
到着後、そのまま徒歩でジュエルへ行けます。最も観光気分を味わえるターミナルです。
チャンギ空港の中でも日本人の利用頻度が高いターミナルとなっています。
第2ターミナル(T2):ANA・シンガポール航空(一部)
2023年末に全面リニューアルが完了し、非常にきれいなターミナルです。
主な航空会社としてANA(全日空)、シンガポール航空(東南アジア路線中心)、ルフトハンザなどがあり、
シンガポール旅行をする日本人にとってもお馴染みのあるターミナルとなっています。
高さ14mのデジタル滝「The Wonderfall」があり、近未来的なデザインが特徴です。
第3ターミナル(T3):シンガポール航空(長距離)
天井が高く、自然光を取り入れた開放的な空間が印象的なターミナルです。
主な航空会社としてシンガポール航空(日本・欧米路線)、ユナイテッド航空などがあります。
世界的に有名な「バタフライガーデン」や、地下にはスーパーマーケット(FairPrice Finest)があり、ばらまき土産の調達に最適です。
第4ターミナル(T4):LCC・キャセイなど
他のターミナルとは滑走路を挟んで離れた場所にあるため注意が必要です。
主な航空会社としてキャセイパシフィック航空、大韓航空、ベトジェットエアなどがあります。
尚、T1〜T3へ行くには、無料シャトルバスで約10〜15分かかります。
乗り継ぎがある場合は、最低でも3時間の余裕を見ておきましょう。
シンガポールチャンギ国際空港から市内へのアクセス方法

シンガポール・チャンギ国際空港
市内中心部(マリーナベイやオーチャード)への移動手段は主に4つです。
「荷物の量」と「到着時刻」で選び分けましょう。
【アクセス比較表】
移動手段 | 所要時間(市内迄) | 料金目安 (SGD) | おすすめのタイプ |
タクシー | 20〜30分 | 20〜40 | 荷物が多い、家族連れ |
Grab(配車アプリ) | 20〜30分 | 18〜30 | 行き先を会話で伝えるのが不安な人 |
MRT(電車) | 45〜60分 | 約$2.00 | バックパッカー、1人旅 |
路線バス(36番) | 60〜80分 | 約$2.00 | 時間に余裕があり景色を楽しみたい人 |
※1 SGD(シンガポールドル)=約115円換算(2025年時点の目安)
1. タクシー
到着ロビーを出て「Taxi」の表示に従えば、すぐに乗り場があります。
シンガポールのタクシーはメーター制で明朗会計ですが、
空港発のサーチャージ(追加料金)がかかります。
空港サーチャージは6~8(17:00~23:59)、3~5(その他の時間帯)です。
0:00~6:00は深夜割増として、メーター料金が50%増になるので注意しましょう。
2. Grab(グラブ)
東南アジア必須の配車アプリです。
事前に料金が確定するため、渋滞しても料金が上がりません。
クレジットカード決済なら小銭も不要。
到着ロビーのドア番号(例:Door 2)を指定して呼びます。
地下の駐車場エリアがピックアップポイントになる場合もあるので、アプリの指示をよく確認してください。
3. MRT(電車・East West Line)
「とにかく安く」ならMRT一択です。
空港駅(Changi Airport)から2駅目の「Tanah Merah(タナ・メラ)」駅で、
市内方面行き(Tuas Link方面)に乗り換える必要があります。
この「タナ・メラ駅での乗り換え」が、大きなスーツケースを持っていると意外と大変です。
また、空港発の終電は23:18頃と意外と早いため、深夜便の場合は利用できません。
4. 路線バス(36番)
地下のバス乗り場から出発します。
36番バスはオーチャード方面へ向かう循環バスです。
乗り換えなしで市内中心部へ行けますが、各駅停車のため時間がかかります。
冷房が「冷蔵庫並み」に効いているので、上着は必須です。
シンガポールチャンギ国際空港のラウンジは多数

シンガポール・チャンギ国際空港
プライオリティ・パスで利用できるラウンジの質は世界トップクラスです。
シャワーを浴びてからフライトに臨めるのは、湿度の高いシンガポールでは大きなメリットです。
SATS Premier Lounge(SATSプレミアラウンジ)
T1、T2、T3の各ターミナルにあります。
食事のラインナップが豊富。特に「ラクサ(Laksa)」は、自分で麺を湯がいて作るスタイルで人気です。
設備はシャワーやマッサージチェア完備が完備されており、身支度したり、リラックスできる空間として利用されています。
Plaza Premium Lounge(プラザ・プレミアム・ラウンジ)
T1(出国審査後すぐ)に位置します。
滑走路が見渡せる大きな窓があり、開放感抜群です。オーダー式のホットミール(チキンライスなど)が楽しめます。
人気のラウンジのため、夕方から夜にかけては入場待ちの列ができることがあります。
Blossom Lounge(ブロッサムラウンジ)
T4にある唯一のプライオリティ・パス対応ラウンジです。
T4利用者はここ一択。内装がモダンで非常に清潔です。
客席も多く、非常にゆったりとした空間になっているため、
日中夜問わず、混雑を気にすることなくリラックスしてお過ごしいただけるでしょう。
【関連記事】Trip.comの空港VIPラウンジ無料特典ガイド!
シンガポールチャンギ国際空港でのおすすめの過ごし方
シンガポール・チャンギ国際空港
空港自体が巨大アミューズメントパークです。
乗り継ぎ時間が4時間以上あるなら、ぜひ以下のスポットへ足を運んでみてください。
1. ジュエル(Jewel)の「HSBC Rain Vortex」
T1直結の巨大ドームです。中央にある高さ40mの屋内滝は圧巻の一言。
地下室まで40m流れる滝は、見るものを圧倒する迫力があります。
夜、暗くなってくると、宝石のような幻想的な輝きを放ち、19:30以降に行われる「光と音のショー」は必見で、無料で見られます。
ジュエルは制限エリア外(一般エリア)にあります。乗り継ぎ中に見る場合は、一度入国手続きをする必要があります。
2. バタフライガーデン(T3)
T3の制限エリア内にある、世界初の空港内蝶園です。
約1,000匹の蝶が舞っています。パイナップルなどの果物が置かれた餌場では、至近距離で蝶を観察できます。
蒸し暑いので、滞在は15分程度が目安です。
観光というより、ちょっとした暇潰し感覚で利用するのがおすすめ。
3. THE SLIDE @ T3(巨大滑り台)
T3の到着ホール(一般エリア)にある、高さ12m(4階相当)から滑り降りる滑り台です。
空港内で$10以上利用したレシートがあれば無料で体験できます。
子供だけでなく大人も絶叫するスピードが出ます。
人気のスポットとなっていて、旅の思い出として利用されてみてはいかがでしょうか。
シンガポールチャンギ国際空港に近いおすすめホテル3選!
「深夜2時着で市内に行くのがしんどい」「早朝6時発のLCCに乗る」という場合は、空港内または直結のホテル一択です。
1. Crowne Plaza Changi Airport(クラウンプラザ)
クラウン プラザ チャンギ エアポート by IHG
T3直結の高級ホテルです。
リゾートのような屋外プールがあり、フライト前のリフレッシュに最適です。
シティホテルとリゾートホテルの要素を取り入れ、なんと575室の客室とスイートを備えています。
心地よい海の雰囲気とビーチの色調でリラックスした滞在が可能になっています。
項目 | 詳細情報 |
住所 | 75 Airport Boulevard, #01-01, Singapore 819664 |
電話番号 | +65-6823-5300 |
参考料金 | 1泊 約$350〜(約40,000円〜) |
特徴 | 「世界最高の空港ホテル」を何度も受賞。防音完璧。 |
2. YOTELAIR Singapore Changi Airport(ヨーテルエア)

Yotelair Singapore Changi Airport
ジュエル(Jewel)の4階にあるコンパクトホテルです。
シャワーのみの利用も可能。ジュエル内にあるため、食事や買い物には困りません。
コミュニティラウンジは常に開いていて、誰でも利用できる環境になっています。
毎朝1人当たり約10ドルの軽い軽食が用意されています。
トーストやフルーツ紅茶、コーヒージュースなどが利用できます。
項目 | 詳細情報 |
住所 | 78 Airport Boulevard, #04-280, Jewel Changi, Singapore 819666 |
電話番号 | +65-6407-7888 |
参考料金 | 1泊 約$180〜(時間貸しプランあり) |
特徴 | 船室(キャビン)をイメージした狭小だが機能的な部屋。 |
3. Aerotel Singapore(エアロテル)

Aerotel Singapore - Transit Hotel in Terminal 1
T1の制限エリア内(トランジットエリア)にあるホテルです。
乗り継ぎ時間が長い場合、わざわざ入国せずにベッドで眠れるのは最大の魅力です。
スタッフの対応が素晴らしく部屋も清潔で、日本人にとって非常に評価の高いホテルです。
空港コンコースから直接アクセスできる利便性の良さも人気となっています。
乗り継ぎ客にとってストレスの少ない滞在が可能となっています。
項目 | 詳細情報 |
住所 | Level 3, Departure Transit Lounge, Terminal 1 |
電話番号 | +65-6808-2388 |
参考料金 | 6時間利用 約$100〜 |
特徴 | 入国せず利用可能。屋外プールあり。 |


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