
マレーシアは多民族国家のため、中華系・マレー系・インド系の宗教行事がそれぞれ祝日になるのが特徴。
旧正月、ハリ・ラヤ・プアサ、ディパバリなど、街の雰囲気が大きく変わる日が多く、旅行の混雑・ホテル料金にも影響が出ます。
この記事では、2025年と2026年の祝日を一覧表で整理しながら、旅行者が気を付けるべき時期・文化背景・州ごとの違いまで解説します。
マレーシアの祝日とは?【制度・文化・宗教の基礎知識】

マレーシアの祝日は、多民族国家ならではの文化・宗教・歴史が複雑に重なり合って生まれています。イスラム教、仏教、ヒンドゥー教、中華文化、そしてマレーシア独自の歴史が、年間の祝日にそのまま反映されているのが大きな特徴です。
旅行の計画に直結するため、まずは仕組みをしっかり理解しておくと安心です。
祝日は「全国共通」と「州ごと」で異なる二層構造
マレーシアの祝日は大きく2種類あります。
- 全国共通の祝日(National Public Holidays)
→ 旧正月、ハリラヤ、独立記念日など全国どこでも休みになる日
- 州ごとの祝日(State Holidays)
→ サラワク州の記念日、ジョホール州の祝日、ケダ州の祝日など、州政府が独自に定める休みが多数存在
そのため、同じ日でも「クアラルンプールは平日だけど、ペナンは祝日」という日が普通にあります。旅行者は、滞在するエリアごとの祝日を確認しておくことが重要です。
多民族国家ならではの“宗教祝日”が多い
マレーシアでは主に以下の民族・宗教が共存しています。
- マレー系(イスラム教)
- 中華系(道教・仏教)
- インド系(ヒンドゥー教)
- クリスチャンコミュニティ(キリスト教)
この多様性がそのまま祝日に現れていて、
- 旧正月(中華系)
- ハリラヤ・プアサ/ハリラヤ・ハジ(イスラム)
- ディパバリ(ヒンドゥー)
- クリスマス(キリスト教)
と、それぞれのコミュニティにとって重要な日が国の祝日として採用されています。街の雰囲気が大きく変わり、文化体験としても旅行の見どころになります。
ハリラヤなど“イスラム暦”による日付の変動に注意
イスラム教の祝日は、太陰暦(ヒジュラ暦)で日付が決まるため、毎年10〜11日ずつ前倒しになるのが特徴です。
そのため、ハリラヤ・プアサ/ハリラヤ・ハジ/アワル・ムハッラム(イスラム暦新年)などは毎年日付が変わり、旅行の計画でも最も影響が出やすい部分になります。
航空券やホテルの価格が一気に高騰する時期でもあるため、事前チェックが欠かせません。
なぜマレーシアは祝日が多いと言われるのか?
マレーシアは アジアの中でも祝日数が非常に多い国として知られています。理由は以下の3つです。
- 宗教ごとの重要行事がすべて祝日になる
- 州ごとに独自の祝日がある(合計すると年間30日超も)
- 近代史・建国記念日に関する重要日が多い
多民族・多宗教であることが祝日に大きく影響しており、結果として「年間を通じて休みが多い文化」が形成されています。
旅行に大きく影響する“休業パターン”のある国
マレーシアの祝日は、宗教行事の内容によって街の様子が大きく変わります。たとえば、ハリラヤ(イスラム行事)の時期にはローカルレストランが休んだり、家族で帰省する人が増えるため交通機関が混雑します。
一方で、中華系の祝日である旧正月になると、チャイナタウン周辺では店が閉まりやすく、逆にモールや観光地は比較的通常どおり営業することも多いのが特徴です。
こうした“民族ごとの違い”がそのまま祝日の休み方に表れるため、旅行者は 「どの民族の祝日か?」 そして 「どの地域に滞在するか?」 を意識しておくと安心です。同じ祝日でも、場所によって街の雰囲気や営業状況がガラッと変わる――それがマレーシアのユニークなところです。
2025年マレーシアの祝日カレンダー

2025年のマレーシアの祝日を一覧でまとめました。旧正月やハリラヤなど、大きな宗教行事が旅行の混雑や休業に影響しやすいため、まずは年間の並びをざっと把握しておくと安心です。
州ごとに休みが異なる日もあるため、訪れる地域と照らし合わせながら確認すると、旅の予定が立てやすくなります。
2026年マレーシアの祝日カレンダー

2026年のマレーシアの祝日をまとめた早見表です。イスラム暦によって毎年日付が変わるハリラヤや、旧正月・ディパバリなど、多民族文化が反映された祝日が多いのが特徴。
旅行のピーク時期や休業の多い期間をあらかじめ知っておくことで、航空券・ホテルの予約や日程調整がぐっとスムーズになります。
2026年マレーシアの祝日・連休一覧表
2026年マレーシアの祝日・連休を表にまとめました。マレーシアでは全国共通の祝日と、構成する13州それぞれ州ごとの祝日が設けられています。お出かけの際は注意してください。
ここでは全国で共通の祝日を紹介します。
日付 | 曜日 | 祝日名 |
|---|---|---|
1月17日〜18日 | 土〜日 | 旧正月(Chinese New Year) |
3月20日〜21日 | 金〜土 | ハリ・ラヤ・プアサ(Hari Raya Puasa) |
5月1日 | 木 | 労働者の日(Labour Day) |
5月11日 | 日 | ベサックデイ(Wesak Day / 釈迦誕生日) |
6月2日 | 月 | 国王誕生日(Yang di-Pertuan Agong’s Birthday) |
6月27日 | 金 | ハリ・ラヤ・ハジ(Hari Raya Haji) |
7月17日 | 金 | アワル・ムハッラム(Awal Muharram / イスラム暦新年) |
8月31日 | 日 | 独立記念日(Merdeka Day) |
9月5日 | 金 | 預言者ムハンマド誕生日(Maulidur Rasul) |
9月16日 | 火 | マレーシア・デー(Malaysia Day) |
10月20日 | 月 | ディパバリ(Deepavali) |
12月25日 | 木 | クリスマス(Christmas Day) |
1月17日(土)〜18日(日):旧正月(Chinese New Year)
中華系コミュニティにとって最大の祝日で、街の雰囲気がガラッと変わる2日間。家族と過ごす伝統文化が根強いため、チャイナタウン周辺は多くの店が休業し静かな雰囲気に。ただし、大型ショッピングモールはイベントとセールで賑わいます。休業と混雑が分かれやすい時期なので、旅行者は事前の営業状況チェックがおすすめです。
3月20日(金)〜21日(土):ハリ・ラヤ・プアサ(Hari Raya Puasa)
ラマダン明けの大祭で、マレー系の家庭が最も大切にする祝日のひとつ。大都市では帰省ラッシュが発生し、バス・電車・高速道路が混雑します。ムスリム家庭ではオープンハウス(一般開放)を行うこともあり、マレーシア文化に触れる絶好の機会です。
5月1日(木):労働者の日(Labour Day)
全国的な祝日で、観光地や都市部はにぎわいが増える日。日本のGWと重なるため、マレーシア行きの航空券やホテルは混みやすく、早めの予約が安心です。地元イベントも多く、街歩きが楽しいタイミング。
5月11日(日):ベサックデイ(Wesak Day / 釈迦誕生日)
仏教行事に基づく祝日で、寺院では灯籠行列や献灯が行われます。仏教徒が多いエリアでは人出が増えるため、寺院巡りを予定している人は早めの移動が◎。文化体験としては非常に魅力的な1日です。
6月2日(月):国王誕生日(Yang di-Pertuan Agong’s Birthday)
マレーシア国王の誕生日を祝う日。クアラルンプールでは式典やパレードが行われるため、交通規制が入る場合があります。街が華やぐ祝日なので、観光も楽しみやすいタイミングです。
6月27日(金):ハリ・ラヤ・ハジ(Hari Raya Haji)
巡礼の完了を祝うイスラム行事。宗教儀式が中心で、朝は祈祷のため街が静かになります。観光施設は通常営業の場所が多いものの、ローカル飲食店は休業することがあります。
7月17日(金):アワル・ムハッラム(Awal Muharram / イスラム暦新年)
イスラム暦の新年にあたり、静かで厳かな雰囲気に包まれる祝日。学校や公共機関が休みとなり、街全体が穏やかに過ごす1日になります。
8月31日(日):独立記念日(Merdeka Day)
マレーシアの最も重要な国民的祝日のひとつ。KLでは大規模なパレード、国旗掲揚、花火など、国を挙げたイベントが開催されます。観光にもぴったりですが、混雑は覚悟しておきたい日です。
9月5日(金):預言者ムハンマド誕生日(Maulidur Rasul)
預言者ムハンマドの生誕を祝う宗教的な祝日。祈りの集会やスピーチなど、宗教行事が中心で街が静かになります。観光は通常どおりできますが、ローカル店の営業に差が出やすい日です。
9月16日(火):マレーシア・デー(Malaysia Day)
マレーシア連邦の成立を記念する祝日で、特にサバ州・サラワク州では非常に重要視されます。イベントや式典が行われ、地元の文化に触れられる絶好のチャンスです。
10月20日(月):ディパバリ(Deepavali)
ヒンドゥー教の光の祭典。リトルインディアではランプやカラフルな装飾で街が華やぎ、お祭りの雰囲気が広がります。ショッピングスポットではセールも多く、旅行者にも人気の1日。
12月25日(木):クリスマス(Christmas Day)
宗教を問わず国全体で祝われる日。ショッピングモールはクリスマスデコレーションで埋め尽くされ、観光にも絶好のタイミングです。レストランや一部の店は休業することがあり、事前確認が安心です。
マレーシアの祝日・連休でよくある質問
マレーシアの祝日は全国で同じ日程ですか?
多くの祝日は全国的に祝われますが、特定の宗教行事に関しては、州ごとに異なる日程で祝われることもあります。たとえば、イスラム暦に基づく祝日(ラマダンやハジの祭り)は、毎年日付が異なるため、各地域で異なる日程になることがあります。マレーシアで長期連休は可能ですか?
春節(旧正月)やハリラヤプアサなどは複数日に渡る祝日です。週末と組み合わせることで、より長い休暇を楽しむことができます。マレーシアの祝日でもっとも重要な日はいつですか?
マレーシアは多様な文化と宗教を持つ国であり、各コミュニティにとって重要な祝日は異なります。たとえば、イスラム教徒にとってはハリラヤプアサやハリラヤ・ハジが、ヒンドゥー教徒にとってはディパバリが、中国系コミュニティにとっては春節が重要です。マレーシアの祝日は仕事や学校が休みになるのですか?
公共の学校や多くの職場で休日とされています。ただし私立学校や一部の職場では祝日でも開いている場合があります。また、小売業など一部の業界では祝日に特別な営業スケジュールを設けることが一般的です。
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祝日・連休はマレーシア旅行に出掛けよう!

2026年の祝日・連休は日常を離れてリフレッシュする絶好のチャンスです。春のゴールデンウィークや夏のお盆休み、秋のシルバーウィーク、そして年末年始の休暇はマレーシア旅行を楽しむのに最適な時期です。
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